「個人事業主が受給できる持続化給付金について知りたい」
「持続化給付金以外にも受給できる補助金や助成金があるのか知りたい」
「持続化給付金の受給期間や受給条件について知りたい」
このような疑問を持つ個人事業主の方は多いのではないでしょうか。
今回は、個人事業主がもらえる令和5年度の持続化給付金、その他の補助金、助成金などについて、詳しく解説していきます。
個人事業主が利用できる補助金や助成金についても、それぞれの特徴や受給条件を解説しているので、ぜひこの機会に知識を深めてくださいね。
個人事業主がもらえる持続化給付金とは?
持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大によって特に大きな影響を受けた事業者に対し、事業の継続と再起のために支援する給付金制度です。
中小企業、小規模事業者、そして個人事業主などを対象としています。
個人事業主がもらえる令和5年度の持続化給付金は?
2023年現在、個人事業主がもらえる令和5年度の持続化給付金は申請受付を終了しています。
持続化給付金の申請期間は、2020年(令和2年)5月1日(金)〜2021年(令和3年)1月15日(金)までとなっています。
電子申請の送信完了の締め切りは、2021年(令和3年)1月15日(金)の24時まででした。
個人事業主がもらえる補助金・助成金は?
2023年時点で、既に持続化給付金の申請は終了していますが、個人事業主は別の方法で補助金や助成金を受け取ることができます。
補助金は、申請後に審査があり、審査に通過すると支給されます。
助成金は、受給要件を満たす個人事業主であれば審査なしで受け取り可能です。
ここからは、個人事業主が受け取れる補助金や助成金について、それぞれ解説していきます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、個人事業主などの小規模事業者が、持続的な経営を目指すために必要な費用を支援する制度です。
個人事業主を含む小規模事業者のうち、以下の事業者が対象になります。
- 商業・サービス業:常時雇用の従業員5名以下
- 宿泊業、娯楽業、製造業、その他:常時雇用の従業員20名以下
小規模事業者持続化補助金の申請は、所定の書類を申請期間内に、商工会議所などの窓口に提出しておこないます。
なお、2023年は、基本的な通常枠に加えて、以下の申請要件でも募集をおこなっています。
- 賃金引き上げ枠:地域別最低賃金よりプラス30円以上の事業者
- 卒業枠:小規模事業者の従業員数を超えて雇用を拡大する事業者
- 後継者支援枠:アトツギ甲子園ファイナリストになった事業者
- 創業枠:過去3年以内に特定創業支援事業によって創業した事業者
- インボイス特例:新規にインボイス発行事業者の登録をした免税事業者
それぞれの補助率、上限額は以下の通りです。
補助金の種類 | 補助率 | 補助上限額 |
---|---|---|
通常枠 | 3分の2 | 50万円 |
賃金引き上げ枠 | 3分の2(赤字事業者は3分の4) | 200万円 |
卒業枠 | 3分の2 | 200万円 |
後継者支援枠 | 3分の2 | 200万円 |
創業枠 | 3分の2 | 200万円 |
インボイス特例 | 3分の2 | 100万円 |
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、新商品の開発、新サービスの開発、生産プロセスの開発や生産性の向上をおこなう、ものづくり事業者の発展に必要な費用を支援する制度です。
製造業、卸売業、サービス業、小売業などの職種が対象で、中小企業だけでなく、個人事業主やスタートアップ企業も受け取れます。
職種が該当していれば、設備投資やIT導入、国内外の販路開拓、事業承継など、さまざまな目的で利用できます。
ものづくり補助金の申請要件は、以下のとおりです。
- 中小企業者であること
- 事業の付加価値額の伸び率が年間3%以上であること
- 従業員に対する給与支給総額が年間1.5%以上増加していること
- 地域別最低賃金からプラス30円以上であること
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主が、業務の課題に合わせたITツールの導入をする際の費用を支援する制度です。
対象となるITツールには、パソコンやサーバー、業務用ソフトウェア、クラウドサービス、セキュリティ対策などがあります。
補助金は、ITツール導入費用、ITコンサルティング費用、ITシステム改修費用などに使うことができます。
それぞれの補助金枠の補助率および上限額は以下の通りです。
補助金の種類 | 補助率 | 上限額 |
---|---|---|
デジタル化基盤導入枠 | 4分の3 | 350万円 |
複数社連携IT導入枠 | 3分の2 | 500万円 |
サイバーセキュリティ対策導入枠 | 4分の3 | 200万円 |
ECサイト構築支援枠 | 3分の2 | 100万円 |
IT導入補助金の申請要件は以下のとおりです。
- 中小企業・小規模事業者である
- 補助対象のITツールの導入予定がある
申請は、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定して、おこないます。
申請する内容によって手続きの詳細が異なるため、中小機構のホームページで確認をしながら進めましょう。
また、2023年より新たに、「gBizIDプライムを利用して事業者登録を行ったうえで、経営チェックを実施すること」が申請時の要件に追加されています。
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、事業主が経済上の理由により事業活動を縮小した場合、労働者の雇用維持を図るために支給される助成金制度です。
なお、雇用調整助成金のコロナ特例措置は、2023年3月31日をもって終了しました。
現在は、通常の雇用調整助成金のみ受け付けており、助成要件は以下のとおりです。
- 雇用保険の適用事業主である
- 売上高または生産量など、事業活動を示す指標の直近3か月間の月平均値が、前年同期に比べて10%以上減少している
- 雇用保険被保険者数と受け入れ派遣労働者数による雇用量の直近3か月間の月平均値が、前年同期に比べて10%を超えてかつ4人以上(中小事業者の場合)
- 実施する「雇用調整」が基準を満たしている(休業、教育訓練、出向など)
- 過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えている
- その他、雇用関係助成金共通の要件を含め、受給要件を満たしている
創業補助金
創業補助金とは、国や地方自治体が創業時に必要な経費の一部を補助する制度です。
創業や雇用創出、経済活性化の促進を目的としています。
国の創業補助金は、現在公募をおこなっていませんが、各都道府県では、創業補助金事業がおこなわれています。
補助金の対象となる経費は、事業計画の策定、設備投資、広告宣伝費など、起業に必要な費用です。
補助金額や補助率は、国や地方自治体によって異なります。
創業補助金には、事業計画書や申請書類の提出が必要です。
また、補助金を受給してから一定の期間内に収益を上げることが求められます。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響で短期的に売上の回復が困難な事業者を対象に、事業の再構築を支援する補助金です。
新市場への進出、事業転換、事業再編など、積極的に事業を再構築しようとする中小企業や個人事業主を支援します。
事業再構築補助金の申請要件や補助上限額は、国や地方自治体によって異なります。
申請方法は電子申請でおこなわれます。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業や個人事業主が事業承継やM&Aをきっかけに新たな取り組みをおこなうための補助金制度です。
高齢化による後継者不足への対応が求められるなか、中小企業に対する事業継承の支援を目的としています。
対象となる取り組みの内容、経費の種類に応じて、経営革新事業、専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業という、3事業に分類されています。
申請は電子申請でおこなわれますが、詳細は申請する内容によって異なるため、事務局ホームページを確認しながら手続きをおこないましょう。
また、補助金を受給してから一定の期間内に収益を上げることも要求されます。
個人事業主が補助金・助成金を受給するポイント
個人事業主が、補助金・助成金を受給するポイントを解説していきます。
受給条件を確認する
個人事業主は、補助金や助成金を申請する前に、受給するための要件を確認する必要があります。
補助金や助成金によって、それぞれ細かく要件が定められている場合があります。
必要な要件をすべて満たさないと、せっかく申請しても補助金を受給できないので注意しましょう。
個人事業主が申請できる補助金や助成金の募集要項は、厚生労働省のホームページなどで確認できるので、事前にチェックしておくとよいでしょう。
受け取るまでに時間がかかる
補助金や助成金は基本的に後払いなので、支給されるまで時間がかかります。
制度によっては、申請から受給まで数ヵ月〜1年ほどかかるケースもあります。
そのため申請の際には、事業計画とあわせて資金計画も検討しておく必要があります。
補助金や助成金が支給されるまでどのように資金繰りするのか、事前にシミュレーションをおこっておくとよいでしょう。
応募申請期間に注意する
補助金や助成金に応募する際は、応募期間や提出書類の申請期限に注意しましょう。
特に、予算や採用件数が決まっている補助金などは、申請期間を短く設定している場合も多いです。
情報収集が遅れたり、提出書類の作成に時間がかかったりすると、応募したい助成金などの応募期間を過ぎてしまう可能性があります。
応募期間が終了すると、補助金や助成金の申請ができないので、事前にスケジュールを立てることをおすすめします。
補助金・助成金は必ず確定申告する
個人事業主が補助金や助成金を受け取った場合、確定申告の際に受給額を申告する必要があります。
所得税の課税対象になるかどうかは、受け取った補助金や助成金の種類や、給付金額によって異なります。
例えば、事業復活支援金は課税対象になるので、確定申告で受給額の申告が必要です。
まとめ
- 持続化給付金は2023年現在、受付を終了している
- 個人事業主は持続化給付金とは別の方法で補助金や助成金を受け取れる
- 個人事業主がもらえる補助金・助成金には、ものづくり補助金などがある
- 事業復活支援金や持続化給付金などが課税対象
- 受給した補助金や助成金は必ず確定申告をする
今回は、個人事業主がもらえる令和5年度の持続化給付金と、その他の補助金や助成金について解説しました。
補助金や助成金を申請する際には、内容によって異なる要件や期日をよく確認し、余裕をもって準備しておきましょう。