個人事業主の中には、
「セカンドハウスの家賃を経費にできるのか知りたい」
「セカンドハウスに関連して経費にできるものは何か?」
「セカンドハウスを借りる際の注意点を知りたい」
という疑問点を持つ方は多いでしょう。
そんな方に向けて、今回は個人事業主のセカンドハウスを経費に計上する方法や注意点について解説します。
この記事を読むと、個人事業主がセカンドハウスを借りる際の疑問点が解消されるでしょう。
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セカンドハウスとは何か?
セカンドハウスと聞くと、別荘などの別宅をイメージされる方が多いと思います。
しかし、セカンドハウスという用語の定義は、「最低でも毎月1日以上、生活のために住居として使用する場所」です。
そのため、個人事業主が事務所として使用するセカンドハウスの中には、マンションやアパート、ホテルのような場所が含まれます。
(参考:UR都市機構|セカンドハウスとは?メリット・デメリットと、よくある疑問)
個人事業主がセカンドハウスの家賃を経費にできる場合
個人事業主が自宅とは別にセカンドハウスを事業に使用する場合、その家賃を経費にできるかについて、解説していきます。
セカンドハウスを事業目的のみで使っている
個人事業主が自宅とは別に、セカンドハウスを事業目的のみで使用している場合は、原則として、賃貸契約に基づく家賃を全額経費にすることができます。
ただし、同居の親や配偶者などの親族と賃貸契約を結んでいる場合は、事業目的のセカンドハウスであっても、その家賃を経費として計上することはできないので注意しましょう。
(参考:国税庁|法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》関係)
セカンドハウスをプライベートでも使っている
個人事業主がセカンドハウスを事業だけではなくプライベートでも使用している場合は、経費として計上できるのは、事業で使用した部分のみとなります。
この場合、セカンドハウスの家賃を経費として計上するためには、事業で使用した部分を家事按分する必要があります。
セカンドハウスを配偶者名義で借りている
個人事業主が事業として使用するセカンドハウスを配偶者名義で借りている場合でも、経費として計上できます。
家賃を配偶者名義の口座から引き落としている場合でも、実質的に支払いを行っているのが個人事業主であることを証明できれば問題ありません。
ただし、税務調査が入った際に指摘を受けやすい部分なので、可能であれば引き落とし先は自分の口座にしておきましょう。
個人事業主がセカンドハウスの家賃を家事按分する方法とは?
個人事業主がセカンドハウスをプライベート兼事業で使用する場合、家賃を経費計上するには家事按分が必要です。
家事按分では、事業で使用する部屋の「面積」や、事業で使用する「時間」から使用割合を出して、事業経費とする額を計算します。
家事按分の計算式は以下の通りです。
具体的な計算手順を見ていきましょう。
面積で家事按分する方法
個人事業主のセカンドハウスの家賃を経費計上する方法の1つが、使用する床面積によって按分する方法です。
たとえば、家賃9万円のセカンドハウスを使用面積で按分します。
セカンドハウスの床面積のうち、3分の1を事業で使用している場合、経費計上できるのは、9万円×1/3=3万円となります。
結果、セカンドハウスの家賃9万円のうち、6万円分はプライベートな支出とみなされ、経費計上できません。
残りの3万円の家賃を必要経費とすることができます。
時間で家事按分する方法
個人事業主のセカンドハウスの家賃を経費計上する2つ目の方法が、使用時間によって按分する方法です。
たとえば、家賃15万円のセカンドハウスを使用時間で按分します。
セカンドハウスに滞在する時間のうち、3分の1を事業で使用している場合、経費計上できるのは、15万円×1/3=5万円となります。
結果、セカンドハウスの家賃15万円のうち、10万円分はプライベートな支出とみなされ、経費計上できません。
残りの5万円の家賃を必要経費とすることができます。
セカンドハウスに関するその他の費用は経費にできる?
個人事業主がセカンドハウスを使用する場合、家賃以外にも発生する費用があるものです。
家賃以外のセカンドハウスに関する費用も、事業で使用したものであれば、プライベートと事業用で家事按分することで、経費計上することができます。
具体的には、以下のようなものを家賃同様、経費として計上できます。
- 駐車場代
- 光熱費
- 通信費
ただし、按分割合が不自然であったり高額すぎると税務署の指摘を受けやすいため、注意しましょう。
これから事業用にセカンドハウスを借りる場合の注意点
今後、事業のためにセカンドハウスを借りる予定がある個人事業主に向けて、注意点を解説します。
具体的には、以下の6点となります。
収入を証明できる書類を準備する
個人事業主が事業のためにセカンドハウスを借りる場合、十分な収入や貯蓄があることを証明できる書類が必要です。
十分な収入や貯蓄の証明ができないと、個人事業主は入居審査に通りづらい傾向があります。
一般的に、必要な書類は次の通りです。
- 確定申告書
- 納税証明書
- 所得証明書
- 銀行口座の通帳
追加で審査書類を求められる場合に備えて、スケジュールには余裕を持っておきましょう。
事務所として利用できるか確認する
個人事業主が事業のためにセカンドハウスを借りる際、オーナーに事業所として利用できるかどうかを必ず確認しておく必要があります。
オーナーによっては、事業用として物件を使用することを禁止している場合もあります。
収入に対して家賃が安めの物件を選ぶ
個人事業主が事業で使用するセカンドハウスを選ぶ場合、その物件の賃料は収入の約20%〜25%程度にとどめておくと良いでしょう。
収入に見合った賃料の物件を選ぶことで、入居審査に通りやすくなります。
また、収入に対する適正な経費のバランスを取ることもできます。
保証会社を利用する
連帯保証人がいない場合、不動産サイトと連携している保証会社を紹介してもらうことで、審査が通りやすくなります。
ただし、個人事業主の収入によっては利用できない保証会社もあるので注意しましょう。
敷金は経費にできない
個人事業主がセカンドハウスを借りる際、敷金は経費として計上できないので注意しましょう。
敷金は、退去時に戻ってくる可能性があるため、資産として処理する必要があります。
礼金については、退去時に戻ってこないお金なので、支払った年の経費として計上することができます。
賃貸借契約書は保管しておく
個人事業主がセカンドハウスを借りる場合、賃貸借契約書の保管が必須です。
また、家賃の一部を家事按分して経費計上する場合、その計算根拠となる資料が必要です。
賃貸借契約書は、個人事業主本人が借りていることや、家賃をどれだけ支払っていたかの証明になるので、大切に保管しましょう。
まとめ
- 個人事業主は事業で使用するセカンドハウスの家賃を経費計上できる
- 個人事業主がセカンドハウスを配偶者名義で借りている場合は経費計上できる
- 個人事業主がセカンドハウスをプライベート兼事業で使用する場合、家賃を家事按分して経費計上する
- セカンドハウスで掛かった駐車場代や、光熱費、通信費を経費計上できる
- 個人事業主がセカンドハウスを借りる際の注意点は6点
今回は、「個人事業主はセカンドハウスを経費計上できるか」について解説しました。
上記のポイントを押さえると、個人事業主がセカンドハウスを借りる際の疑問点が解消されるでしょう。
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23万人のデータから統計処理された情報だから、自分の意外な1面がわかります。