個人事業主が廃業時に活用できる給付金を紹介!廃業でやるべきこと

個人事業主が廃業でやるべきこと 廃業時に活用できる給付金を紹介! コラム

※この記事はPRを含みます

個人事業主を廃業する際は、さまざまな給付金を利用できます

廃業の理由が経営不振でも次の事業のためにお金が必要なことは、いわずもがなです。

給付金をもらう条件は制度によってさまざまで、自分が条件にあてはまるのか、どのようなケースでもらえるのかを、しっかりと理解しておきましょう。

個人事業主が廃業時に活用できる給付金と廃業でやるべきことを解説します。

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個人事業主が廃業時に活用できる給付金

個人事業主が廃業時に活用できる給付金について解説します。

住居確保給付金

新型コロナウイルス感染症の影響で休業して収入が減少したため、家賃の支払いに困っているという人もいるでしょう。

住居確保給付金とは住居を失うおそれが生じている人に対して家賃相当額を支給する給付金制度です。

申請窓口は管轄自治体の自立相談支援機関で行いましょう。

支給条件

支給対象の条件は以下の4項目すべてに該当する必要があります。

1離職から2年以内、または個人の責任とは別に就労機会が減少した人、2年以内に離職・廃業していれば、現在仕事をしている人でも対象です。

新型コロナウィルスの影響でなくても、この条件にあてはまれば適応されます。

2直近月の世帯の収入合計額が収入基準額以下であることが支給条件のひとつです。

収入基準額は基準額と家賃額を合わせたものを目安にしましょう。

具体的な基準額は市町民税の均等割が、非課税となる収入を月額換算(1/12)した額です。

また、家賃額は自治体によって上限額があります。

たとえば東京都特別区(3人世帯)の場合は以下の計算です。

基準額172,000円+家賃額69,800円=収入基準額241,800円

3世帯の預貯金合計額が自治体で定める額以下であることも支給条件のひとつです。

たとえば預貯金の合計額が、基準額の6倍か100万円のいずれか少ない方の金額以下であることが条件になります。

基準額は住んでいる市町村や世帯人数によって異なるのが特徴です。

4誠実かつ熱心に求職活動をすることも支給条件です。

基本的にハローワーク・自治体の無料職業紹介事業所へ求職の申し込みが必要といわれています。

しかし自ら働く意思があっても休業のような都合で、給与を得る機会が減少している場合は、ハローワーク・自治体の無料職業紹介事業所へ求職の申し込みは必要ありません

支給額

支給額は自治体や世帯人数によって異なるのが特徴です。

支給上限が決まっており、実際の家賃額が支給上限額を超える場合は支給上限額が支給されます。

支給期間

原則3ヶ月です。

必要に応じて3ヶ月ごとに2回の延長が可能で、最長9ヶ月支給されます。

支給方法

申請する人は管轄自治体の自立相談支援機関に申請しましょう。

申請が受諾されると、市・区などの機関から賃貸住宅の賃貸人や不動産媒介事業者に代理納付されます。

申請する人に直接支給されるものではありません

参照:厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要 (mhlw.go.jp)

事業承継・引継ぎ補助金

事業継承・引継ぎ補助金は中小企業や小規模市業者が、事業を継承したり、再編したりする際に、その取り組みに必要な費用の一部を補助する制度です。

具体的に令和4年度の当初予算の事業承継・引継ぎ補助金について取り上げてみますね。

2023年3月より5次公募の申請受付を開始されています。

事業継承・引継ぎ補助金は「経営革新事業」「専門家活用事業」「廃業・再チャレンジ事業」に分かれてるのが特徴です。

廃業時は「専門家活用事業・売り手支援型」か「廃業・再チャレンジ事業」を活用するとよいでしょう。

専門家活用事業・売り手支援型

専門家専用事業・売り手支援型は、M&Aをする人に向けた補助金制度です。

事業再編・事業統合などに伴い、自社が有する経営資源の引継ぎが行われる予定の中小企業・小規模事業者を支援する内容になります。

補助支給要件

補助支給要件は地域経済をけん引する事業を行い、事業再編・事業統合により、第三者機関によって継続される予定であることが大切です。

補助対象経費

補助対象経費は以下の3点に該当する経費です。

  • 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  • 補助事業期間内に契約・発注を行って支払う経費
  • 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠などによって金額・支払いが確認できる経費

廃業の際に対象となる具体的な経費は以下のようなものがあります。

1廃業支援費
事業の廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士・行政書士に支払う申請資料作成経費などです。

2在庫廃棄費
既存の事業所や事業における商品在庫について、専門業者などを利用して処分するために支払う経費です。

3解体費
既存の事業所や事業において所有していた建物・設備機器などを解体する際に支払う経費です。

4原状回復費(借用物)
既存の事業所や事業において借りていた土地や建物、設備機器などに、修理して原状回復するために支払う経費です。

補助率・補助上限額

補助率は原則2分の1以内です。

ただし、営業利益が低下しているもしくは、直近決算期の営業利益または経常利益が赤字になっているといった公募条件に該当する場合は3分の2以内になります。

補助上限額は原則600万円以内ですが、廃業費として150万円上のせ可能で、補助下限額は50万円以上です。

申請方法

原則として電子申請です。

電子申請するには、オンライン申請フォーム「jGrants(Jグランツ):https://www.jgrants-portal.go.jp/」で行います。

まずはアカウントを登録し、GビズIDを取得しましょう。

その後、申請フォームに必要事項を記載して電子申請する流れです。

なお、2023年3月の5次公募以降、交付申請時点ですでに事業継承を完了している申請者は、交付申請時に事業継承に関する書類を提出する必要があります。

具体的には、代表者の変更が確認できる履歴事項全部証明書、事業譲渡の場合の契約書や移動資産・負債の一覧などです。

事業継承の形態により、提出書類が異なると覚えておくとよいでしょう。

廃業・再チャレンジ事業

中小企業および個人事業主が再チャレンジに取り組むために、廃業に係る経費の一部を補助する事業です。

対象要件

以下の4つの要件のいずれかに該当すれば対象になります。

また、2・3・4に関しては、ほかの事業と併用申請が可能です。

  1. 譲り渡せなかった際の廃業で、2020年以降に売り手としてM&Aへ着手し、6ヶ月以上事業取り組んでいる場合
  2. 事業承継またはM&Aで事業を譲り受けた後の廃業の場合 ※経営革新事業との併用が可能
  3. M&Aで事業を譲り受けた際の廃業の場合 ※専門家活用事業との併用が可能
  4. 事業を譲り渡した際の廃業の場合 ※専門家活用事業をの併用が可能
補助対象経費

補助対象経費は以下の3点に該当する経費です。

  1. 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費
  3. 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠によって金額・支払いが確認できる経費

具体的な経費は以下のようなものがあります。

1廃業支援費
廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士などに支払う作成経費における、会計処理や税務申告に係る専門家活用費用、精算業務に関与する従業員の人件費です。

2在庫廃棄費
既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費です。

3解体費
既存事業の廃止に伴う建物・設備などの解体費です。

4原状回復費
借りていた設備などを返却する際、義務になっていた原状回復費用です。

5リースの解約費
リースの解約に伴う解約金・違約金です。

6移転・移設費用(併用申請のみ計上可)
効率化のため設備などを移転・移設するために支払う経費です。

補助上限額・補助率など

単独申請の場合、補助率は補助経費の3分の2以内、補助下限額は50万円、補助上限額は150万円以内です。

併用申請の場合は、それぞれ併用する事業の補助率が適用されます。

申請方法

上記の専門家活用事業・売り手支援型の際の申請方法と同様です。

参照:事業承継・引継ぎ補助金事務HPhttps://jsh.go.jp/r4h/

個人事業主が廃業を決めたらやるべきこと

個人事業主が廃業をする際は以下のような手続きが必要です。

適切な手続きを行わなければ、後で問題が生じることがあるので注意しましょう。

周囲に報告する

とくに取引先や関係者に対しては、早めに廃業の意向を伝えましょう

廃業を伝え忘れたり、伝えることが遅かったりすると、取引先から納品やサービスの請求が続けて行われ、未払いや受け取り拒否などのトラブルに発展する可能性があります。

必要書類を提出する

廃業するときには、必要書類を税務署に届けましょう

必要書類は「廃業届」をはじめ、所得税に関しては「青色申告のとりやめ届出書」、消費税に関しては「消費税の事業廃止届出書」です。

事業内容によっては「事業廃止届出書」「給与支払い事務所などの廃止届出書」「所得税および復興特別取得税の予定納税額の減免申請書」を提出する必要があります。

参考個人事業主の廃業に必要な手続きについては、こちらで詳しく解説しています。

まとめ

  • 廃業の際に家賃補助金として「住居確保給付金」がある
  • 廃業の際の経費補助金として「事業継承・引き継ぎ補助金」がある
  • 「事業継承・引継ぎ補助金」では、「専門家活用事業・売り手支援型」と「廃業・再チャレンジ事業」が廃業の際に検討できる
  • 廃業を決めたら、周囲への報告と必要書類の提出を行う

個人事業主が廃業時に活用できる給付金の解説と廃業でやるべきことについてお伝えしました。

給付金をもらう条件は制度によってさまざまで、自分が条件にあてはまっているのか、どんな場合にもらえるのかをしっかり理解しておくことが大切です。

給付金制度をうまく使って、できるだけ費用をかけずにスムーズな廃業を目指しましょう。

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