「仕事を辞めたいけれど、退職は誰に言ったらいい?切り出し方は?言い方は?」
「仕事のスムーズな辞め方がわからない……」
と悩んでいませんか?
退職を決めるまで十分悩んできたはずですから、あとはスムーズに退職するために行動に移すだけです。
この記事では退職までの流れと仕事のスムーズな辞め方について解説します。
退職までの不安を減らしましょう。
仕事を辞める基本的な流れ
円満かつスムーズに退職するためには、事前の段取りと職場への配慮が欠かせません。
まずは仕事を辞める際の基本的な流れについて解説します。
退職の意思を伝える
退職が決まったら、早めに退職の意思を伝えましょう。
退職を伝えるのは、直属の上司が一般的です。会社の規模や人事の決定権などによって経営者に直接話したほうが話が早い場合もありますが、迷ったら直属の上司に伝えるほうが確実です。
上司が忙しい場合には、メールで都合のよい時間に10分程度時間を取ってもらうようにお願いしましょう。
退職を伝える際には、会社側が退職に合わせて対応できるように退職理由と合わせて退職希望時期を伝えておきましょう。
後任の採用タイミングや引継ぎ期間に関わるため、退職前にまとめて有給を使用する場合は伝えておくとスムーズです。
できれば2〜3ヵ月前、遅くとも退職の1ヵ月前を目途に退職の意思を伝えるようにしましょう。
退職願・退職届を提出する
退職の意思を伝える際に退職願・退職届を提出してもよいですが、口頭で退職を伝えた場合にはあらためて退職願・退職届を提出します。
その際に「退職願と退職届、どちらを出すべき?」と迷うかもしれません。
退職願と退職届の違いは、文字のとおり退職願は「退職のお願い」のため会社の同意を得たうえで合意退職を申し出る書類、退職届は「退職の通告」であり会社の同意を求めず退職する事実を伝える書類です。
退職願は会社の同意がないと退職できないため、確実に退職したい人は退職届を出すべきです。
しかし、突然退職届を出すとあまり良い印象を与えないため、一般的には口頭で退職の意思を伝えて、会社に承諾されたらあらためて退職届を出すケースが多いでしょう。
仕事の引き継ぎをする
退職届も受理され、退職が決定したら仕事の引継ぎをおこないます。
しかし限られた引継ぎ期間で業務の経験のない人にすべてを伝えるのは難しいでしょう。
できれば退職を検討し始めたらマニュアルやよくある事例の対処法などを業務の合間に少しづつまとめておくと、後任の人への引継ぎがスムーズです。
関係者に退職の挨拶をする
挨拶もなしに退職すると、取引先や関係者からしたら突然担当者がいなくなりやり取りが突然終わる形になるため困惑してしまいます。
時間に余裕があれば取引先や関係者にも退職のお知らせと後任の紹介をおこなっておくと、突然の担当者交代によって会社への信用を損なうのを避けられます。
対面で挨拶する時間が取れなければ、メールでも電話でも何かしらの形で挨拶をしておきましょう。
返却物・必要書類の確認をする
退職直前になると新生活への準備とあいまってバタバタするため、細かいことを忘れがちです。
退職まで余裕がある時期に、会社に返却するものがないかリストアップしておきましょう。
テレワークがある仕事の場合のパソコンや仕事関係の本、季節外の制服など、自宅に持ち帰っているものがないかの確認が必要です。
名札や名刺など、返しても使えないものもありますが会社の備品なのでそのままにしてはいけません。
退職までにしっかり返却しておきましょう。
円満に仕事を辞めるポイント
次の生活への準備を気持ちよく進め、スムーズにキャリアチェンジするためにも現在の仕事を円満に辞めることは重要です。
以下で円満に仕事を退職するために気をつけたいポイントについて解説します。
自分の気持ちを再確認する
仕事を退職するからには、現在の仕事に何らかの不満があったのではないでしょうか。
しかし「今の仕事が嫌だから去る」という考えでいっぱいになるのではなく、今までお世話になったことや得たものについても振り返り、感謝の気持ちを持つようにしましょう。
そのうえで自分が求める生活やキャリアのために新しい環境に進むと再確認すれば、現在の会社にも配慮を持って退職までの手続きを進めることができるでしょう。
就業規則を確認する
退職に関する手続きや規定は会社ごとに異なり、退職を申し出る時期などが独自に決まっている場合もあります。
退職を決心したら一度就業規則を確認し、退職手続きに必要な書類や期間を把握しましょう。
切り出すタイミングを考慮する
一刻も早く伝えて退職を確定したい人や、なるべく先延ばしして居心地が悪くなるのを避けたい人もいるでしょう。
しかし突然退職を聞かされて、対応を迫られる会社側の気持ちも踏まえて、退職の意思を上司や人事部に伝えるタイミングは慎重に選ぶべきです。
プロジェクトの区切りのいいところや繁忙期が落ち着いたとき、上司や経営陣が比較的忙しくない時期に退職を切り出すようにしましょう。
ポジティブな退職理由を伝える
実際にポジティブな理由で退職する人が多くないのはわかっていても、面と向かって会社への不満を言われると残る側としてよい気持ちはしません。
また、退職を考えたきっかけは現在の会社への不満でも、転職先や次の仕事には希望ややりたいことがあって進むはずです。
ポジティブな面を中心に退職理由を伝えるようにすれば、周囲は応援するしかないため円満に退職しやすくなります。
感謝の意を伝えたうえで自身のキャリアや成長のために新たな挑戦をする方向性での理由を示し、円満な離職を目指しましょう。
仕事を辞める際の伝え方
退職を決めたときに緊張するのが「実際に退職を会社側に伝えるとき」ではないでしょうか。
「いつ言ったらいい?」「どういう風に伝えるべきだろう」と、はらはらして、仕事が手につかない状態になるかもしれません。
言われる側は突然でも、こちら側は十分に心の準備をしてから伝えることができます。
以下の解説を参考に退職を伝える段取りをシミュレーションしておき、相手の出方を想像しつつ、考えられる質問は回答をしっかり用意しておきましょう。
直接伝える場合
直接伝える場合には、始業前や仕事の合間などに周囲に人がいなくうまく話ができそうなタイミングがあったら「今5分ほどお時間よろしいですか?」と声をかけるとよいでしょう。
タイミングがうまくつかめない場合には、「お話があるのでお時間あるときにお声かけください」と声をかけておくか、メールでアポイントを取っておくとスムーズです。
仕事を辞める人には前兆があり、周囲にもなんとなく伝わってしまう場合もあります。
声をかける時点で相手に退職の話だと気づかれるかもしれませんが、あくまで退職の話をするのは時間を取ってもらったときにすべきです。
時間を取ってもらえたら、長々と話さず簡潔に「突然で申し訳ありませんが、○○の理由で○○までに退職させていただきたいと思います」と伝えましょう。
あとから「そんなに早いとは思っていなかった」などと言われないように、退職時期ははっきり伝えておきましょう。
電話・メールなどで伝える場合
テレワークだったり出張がちだったりで上司に伝えるタイミングがうまく取れなくても、直接会話ができる状態で退職を伝えるのがマナーです。
会社側としては引継ぎや確認したいこともあるため、メールやチャットでアポイントを取って対面またはオンライン、それも難しければ電話でもよいので直接退職を伝えましょう。
いくら退職に会社側の同意は不要とはいえ、メールやチャットで一方的に退職を通知するのは失礼であり、円満退職が難しくなるためやってはいけない方法です。
退職の手続きが面倒な場合は「退職代行」がおすすめ
「退職はしたいけれど退職までのやり取りを考えたら気が重い」「業務の負荷が大きすぎて、退職なんて申し出たら何を言われるかわからず会社にいられない」と考える人もいるのではないでしょうか。
スムーズな退職が見込めない場合や事情ですぐ仕事を辞める必要があり会社に言い出せない場合には、辞め方の一つの選択肢として「退職代行」の利用を検討してみてはどうでしょうか。
「退職代行を利用して急に仕事を辞めるなんて逃げるようで気が引ける」と思うかもしれませんが、どうあっても退職を受け入れてもらえないような職場環境は会社の責任でもあり、罪悪感から辞められないことに悩み続ける必要はありません。
退職代行は退職の意思の伝達から退職に必要な連絡業務まで代わりにおこなってくれるサービスです。
有給休暇や未払い賃金・残業代の請求をしたい人は、退職代行を請け負っている弁護士を探すと5万円台〜程度の相場で法的な手続きも代行してもらえます。
特に会社と交渉することがなく退職に関わるやり取りだけなら2〜3万円程度で依頼でき、退職手続きへの手間やストレスがなくなるだけでなくスムーズな退職が可能になります。
退職できるかどうか不安な人は、一度相談してみるのがおすすめです。
まとめ
- 仕事を辞める基本的な流れは「退職の意思を伝える→退職届(願)→引継ぎ→挨拶→返却物や必要書類の用意」
- 退職に関する就業規則を確認のうえ、タイミングを考慮して切り出そう
- 退職を伝える際には、一度アポイントを取って時間を作ってもらったうえで簡潔にポジティブな理由を伝えよう
- メールやチャットで済まさず、何らかの形で直接退職を伝えるのがマナー
- 退職を言い出せない、円満に退職できそうもないような職場での退職に悩んだら退職代行の利用も検討しよう
同じ退職でも、できれば円満に退職できたほうが会社のためだけでなく自分にとっても気分よく新しい道に踏み出せます。
今の会社に不満があっても、最後だと思って会社に配慮した手順を踏んで円満退職を目指しましょう。