「中小企業診断士の資格が取れたのでまずは副業から始めたい」
週末起業を目指す中小企業診断士の方のために、中小企業診断士の仕事内容や案件の探し方について解説します!
中小企業診断士はサラリーマンの副業としてメリットの多い仕事です。
本記事を参考に、中小企業診断士を副業にして収入を得るためのイメージをつかみましょう。
中小企業診断士に興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。
中小企業診断士の副業内容
中小企業診断協会によると、中小企業診断士とは「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言をおこなう専門家」です。
企業の成長戦略策定やその実行のために、専門的知識を用いたアドバイスをおこなうのが主な業務とされています。
副業であっても、中小企業診断士の業務内容自体は変わりません。
以下で、中小企業診断士の仕事内容について紹介します。
コンサルティング
中小企業診断士のメイン業務となるのが経営コンサルティングです。
中小企業の経営者などからの依頼に応じて、企業の経営診断をおこない、改善方法を提案します。
具体的には以下のようなプロセスでコンサルティングはおこなわれます。
- ヒアリングの実施
- 貸借対照表、損益計算書などの財務諸表による財務分析
- 経営上の問題点の洗い出し
- 実態調査をもとに生産管理や経営に関する課題をまとめる
- 収益性改善やコスト削減など生産性向上の改善案を作成
- 診断報告書にまとめ、提案する
- 必要に応じてフォローアップの支援を実施
従業員との関係性や雇用対策など経営課題は多岐にわたるため、コンサルティングのニーズが高まっているとしています。
補助金や助成金申請のサポート
中小企業診断士は、専門的知識を活用し企業と行政をつなげる役割も果たします。
経営支援をおこなう中小企業診断士も経営者の申請書作成を手伝ったり、国や自治体の中小企業支援策の活用についてアドバイスを与えたりする業務を担います。
厚生労働省の所管である助成金申請の代行は社会保険労務士の独占業務のためできませんが、アドバイスは可能です。
補助金の適用条件や申請書は複雑なため、経営者の方の申請のサポートをするのも中小企業診断士の重要な業務です。
研修・セミナー講師
専門知識を活かした研修やセミナーの講師は、中小企業診断士の副業に適しています。
経営者を対象としたセミナーは一般的に夜間や休日に実施される場合が多く、土日を中心にセミナーを組めば本業に影響を与えずに済みます。
セミナーであれば単発・あるいは数回で完結するという点も、副業向きの業務でしょう。
資格・仕事内容についての記事執筆
中小企業診断士として、ブログや外部メディアへ寄稿する形で記事執筆を副業にできます。
記事執筆ならば在宅でできるため、副業に適しています。
また、自分のブログや執筆者として公開されている記事であれば、営業活動にも使用できるのもメリットです。
資格講座の講師・添削指導
中小企業診断士の資格取得のための予備校や通信講座などで、講師や問題作成、添削をおこなう業務も副業として考えられます。
添削のアルバイトもあり、募集しているところが比較的見つけやすいのではないでしょうか。
一方で、実績がないうちは予備校講師として働くのはハードルが高いでしょう。
その場合は、スキル販売プラットフォームなどで、中小企業診断士を目指す人の相談や勉強サポートをするという方法もあります。
中小企業診断士として副業するメリット
副業で中小企業診断士をするメリットには以下の3つがあります。
一つずつ解説していきます。
人脈が増える
中小企業診断士は多くの企業と関わる仕事です。
仕事を進めていくうちに、ほかの中小企業診断士と協力したり、顧客からほかの経営者を紹介してもらえるかもしれません。
中小企業診断士同士や顧客の経営者など多くの人脈ができれば、有益な情報や知識を得られるだけでなく、将来的に本業として独立する場合にもプラスになるでしょう。
レベルアップにつながる
中小企業診断士として副業で実務経験を重ねれば、診断士としてのレベルアップにつながります。
経験を積んで成長してから本業として独立するのもいいでしょう。
また、財務から経営理論まで多岐にわたる知識と多くの企業経営を診断して培われる課題解決能力は、中小企業診断士の仕事だけでなくビジネスマンとしても活かせるでしょう。
資格更新に必要な実務従事の日数を稼げる
中小企業診断士の資格の有効期限は5年間であり、更新するためには研修の受講のほかに実務従事の要件があります。
実務補習の受講でもクリアできますが、経営に関するコンサルティング業務をおこなえば、副業で働きながら実務従事の要件を満たせます。
中小企業診断士の副業募集はどこで探す?
次に、実際に中小企業診断士の副業はどこで探すのかについて見ていきましょう。
中小企業診断士のコミュニティ
まずは中小企業診断士同士のコミュニティです。先輩診断士の仕事の手伝いや、募集中の案件情報が得られる可能性があります。
そのときすぐに仕事につながらなくても、普段から人脈を構築していれば、人を探している際に思い出してもらえる確率が上がります。
もちろん人脈を作っておけば将来的に自分が協力してほしい際にも役立つため、業界イベントやセミナーには積極的に参加すると副業のチャンスが広がることでしょう。
また、商工会議所などでも経営指導や専門家派遣事業として中小企業診断士を募集している場合があります。
クラウドソーシング
クラウドソーシングにも中小企業診断士を募集している案件があります。
実際に大手クラウドソーシングで検索してみると、以下のような案件がヒットしました。
- 中小企業診断士資格に関する記事の監修(記事の内容に問題がないかのチェックや専門家の観点からの追記)
- 補助金の事業計画書の作成
- 記事執筆
専門資格が募集条件に入っているため、中小企業診断士の副業は一般的な案件と比較して報酬が高いのがメリットです。
ホームページ・ブログ・SNS
自分で営業をかけるのと並行して、ホームページ・ブログ・SNSで実績や専門知識の発信をおこない、依頼が来るのを待つのも有効な手段です。
専門知識を求めている人からのアクセスが増えれば広告収入も入るかもしれませんし、中小企業診断士を探している経営者の目に留まる回数も増えて相談に来る顧客が見込めます。
中小企業診断士として副業する際のポイント
中小企業診断士はクライアント企業において重要な職務を担っており、ちょっと本業の都合でできなくなった、では済みません。
副業と言えど、中小企業診断士として報酬を得るのであればしっかりと責任感をもって業務にあたりましょう。
また、十分な時間が取れない副業だからこそ、気を付けるべきポイントがあります。
以下に、注意点を具体的に解説します。
平日の業務との兼ね合いを考える
中小企業診断士は副業のなかでも業務負担が高いため、特に無理のないスケジュールで業務量を調整する必要があります。
また、両立するためには本業の繁忙期には中小企業診断士としての副業はあまり入れないようにするなどの配慮も必要でしょう。
中小企業診断士には顧客の信頼獲得が欠かせないため、業務スケジュールの予測が付くまではあまり仕事を受けすぎず、本業と副業どちらにも注力できるような体制を整えましょう。
顧客獲得の能力を身につける
スキルがあっても顧客に知られていない中小企業診断士と、経験豊富ではなくても顧客に発信が届いている中小企業診断士では、当然仕事を受注できるのは後者です。
そのため、まずは発信や経営者が集まる場でのコンタクトを増やして自分の存在を知ってもらう必要があります。
また、中小企業診断士を頼って依頼をする経営者たちに、専門用語や難しい表現を用いることなくわかりやすく知識を伝えて信頼を得る技術も必要でしょう。
中小企業診断士として副業する際の注意点
中小企業診断士として副業を始める際には、事前に本業の会社の副業規定と税金について確認しておく必要があります。
会社の副業についての就業規則を確認しておく
原則として、会社は社員の副業を禁止できません。
しかし、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によると、以下の4つの場合は就業規則での副業の制限が許されるとしています。
- 労務提供上の支障がある場合
- 業務上の秘密が漏洩する場合
- 競業により自社の利益が害される場合
- 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
就業規則の副業についての項目を確認し、場合によっては会社と相談して副業に取り組みましょう。
副業の収入が年間20万円を超える場合は確定申告が必要
1月1日から12月31日までの1年間で、副業の所得が20万円を超える場合には、サラリーマンであっても確定申告が必要です。
ただし、収入=所得ではありません。例えば顧客の会社までの交通費や勉強のための書籍代などがかかっていれば、収入から経費として控除できます。
経費を引いた所得が20万円を超えていれば確定申告が必要であり、申告を怠った場合には延滞税などの罰金がかかる可能性があります。
また、予備校などでアルバイトとして講師や添削で働き、本業と合わせて2ヵ所から給料をもらった場合には、20万円以下でも確定申告が必要なため注意しましょう。
まとめ
- 中小企業診断士の主な業務内容は経営コンサルティング。副業として向いているのは、研修・セミナー講師や関連記事の執筆や監修
- 中小企業診断士の副業のメリットは、人脈や幅広い知識が得られ本業にも役立つことや実務従事の日数も稼げること
- 中小企業診断士の副業は、商工会議所や同業のコミュニティ、クラウドソーシングで見つけられる
- 副業で中小企業診断士として働くには、本業とのバランスと顧客獲得能力が重要
- 副業を始める前に会社の就業規則と税金について確認しておこう
サラリーマンの副業としては本格的ですが、その分本業でも大きなメリットがあり独立も期待できるのが中小企業診断士です。
経営者をサポートする意義ある仕事への挑戦で、新たな可能性が広がるかもしれません。