個人事業主としてビジネスをおこなうにあたって、クレジットカードは強い味方になってくれます。
クレジットカードを使えば、経費管理が簡単になり、キャッシュフローの改善や節税の効果も期待できます。ポイントやマイルなどの特典を、ビジネスに役立てることもできます。
しかし、一般的な個人用のクレジットカードでは、ビジネスに関する機能やサービスが不十分なこともあります。
そこで注目されているのが、楽天ビジネスカードのような、ビジネス用途に特化したカードです。
楽天ビジネスカードに興味があるものの、「楽天ビジネスカードは個人事業主でも作れるの?」「楽天ビジネスカードの審査は厳しい?」「楽天ビジネスカードのメリットは?」など、疑問や不安を持っている方も多いかもしれません。
本記事では、個人事業主が楽天ビジネスカードを作るメリットやデメリット、審査でチェックされるポイントや通過するコツ、発行する際に必要なものや手順などを詳しく説明します。
本記事を読むことで、楽天ビジネスカードに関する疑問をすべて解決できます。
楽天ビジネスカードは、楽天ポイントがたまるだけでなく、経費管理や節税にも優れたカードです。
ぜひ本記事を最後までお読みいただき、あなたも楽天ビジネスカードを申し込んでみてください。
楽天ビジネスカードとは
楽天ビジネスカードの特徴
楽天ビジネスカードには、以下の特徴があります。
- 楽天プレミアムカードと2枚1セットでの発行となる
- 年会費は、2枚合計で13,200円(税込)
- 利用限度額は、2枚合計で300万円
- 楽天ポイントは1ポイント=1円として、楽天市場や楽天ペイなどで使える
- 楽天市場でのポイント還元率が5倍以上になる
- 利用可能な国際ブランドはVISAのみ
- ETCカードは何枚でも無料で発行できる
- 海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険などの特典が充実している
楽天市場では、通常の楽天カードよりもポイントが貯まりやすくなります。
楽天ビジネスカードは通常の利用でも1%と高いポイント還元率を保証していますが、楽天市場で使うとさらにポイント還元率が加算されます。
楽天ビジネスカード利用特典が+2%、同時に楽天カード利用特典の条件も満たすため+2%で、合計4%の上乗せです。通常利用の還元率1%と合わせた還元率は5%になります。
参考:楽天カード公式サイト
さらに、楽天モバイルの利用と会員ランクの組み合わせで1~3%、利用分の引き落とし口座を楽天銀行にすると1%、それぞれ還元率が加算されます。
例に出した上記の条件をすべてクリアすれば、還元率は7~9%になります。
もちろん、楽天市場で開催されるポイントアップキャンペーンやクーポン、お買い物マラソンやスーパーセールなどのイベント参加なども併用できますので、実質的な還元率はさらに高くなる可能性があります。
楽天ビジネスカードに付帯するETCカードは、何枚でも発行可能です。
高速道路の料金をクレジット払いにすれば、経費管理が簡単になり、楽天ポイントも貯まります。
また、世界中にある1,300以上の空港ラウンジを利用できるサービス、プライオリティ・パスも利用可能です。
出張や旅行の際に、快適な空港ラウンジでくつろげます。
プライオリティ・パスカードの発行には通常、年間469ドル(1ドル110円換算で約51,590円)の会員費がかかりますが、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの会員本人に限り、無料で発行可能です。
このように、さまざまな特典のある楽天ビジネスカードですが、年会費は、楽天ビジネスカードの11,000円(税込)と楽天プレミアムカードの2,200円(税込)で、2枚合わせて13,200円(税込)必要です。
他社のゴールドカードと比べると安い方ですが、それでも高額な年会費なので、特典を十分に活用できるかどうか、よく確認をしてから申し込むようにしましょう。
楽天ビジネスカードは個人事業主でも作れる?
20歳以上で安定した収入のある個人事業主なら、楽天ビジネスカードを作れます。
ただし、楽天プレミアムカードを持っていない場合は、楽天プレミアムカードとセットで申し込む必要があります。
楽天ビジネスカードは単体での発行ができず、楽天プレミアムカードの子カードとして発行されるためです。
楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードは別々の審査が行われるため、個人信用情報や借入状況などもチェックされます。
審査に通過するかどうかは、個人事業主の収入や事業実績などによって異なります。
個人事業主が楽天ビジネスカードを作るメリット
個人事業主が楽天ビジネスカードを作ることで、以下のメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
確定申告が楽になる
個人事業主は、自分で経理や税務の管理をしなければなりません。
毎年の確定申告は大変な作業ですが、楽天ビジネスカードはビジネス専用のカードなので、個人と事業の支出をしっかりと分けて管理できます。
弥生会計やFreeeなどの会計ソフトとの連携も可能です。カードの利用履歴から自動で仕訳が記帳されるため、確定申告の帳簿作成が格段に楽になります。
また、楽天ビジネスカードは、Webの楽天e-NAVIから明細書をオンラインで確認することができるため、紙の明細書の到着を待ったり、届いた書類を整理する手間が省けます。
Web明細はダウンロードして印刷できますが、必要な方は、紙の明細書を郵送してもらうことも可能です。
紙の明細書を郵送してもらいたい場合は、カードの申し込み時に「Web明細サービスに同意する」にチェックを入れないようにしましょう。
Web明細サービスを利用していて、途中で紙の明細に変更したくなった場合には、後から楽天e-NAVIでWeb明細サービスを解除することもできます。
支払いに余裕ができる
クレジットカードを上手に利用すれば、キャッシュフローに余裕ができます。
例えば「大きな取引が成立すればまとまったお金が入るが、現時点では手持ちが足りない」というケースが、ビジネスではよくあります。
そのようなときに活躍するのがクレジットカードです。
クレジットカードでの支払いは、利用した月の翌月や翌々月になることがほとんどです。
そのため、現時点では銀行口座の残高が足りなくても、引落日までの間、一時的に支払いの猶予ができます。
楽天ビジネスカードの場合は、締め日が月末、引き落とし日が翌月27日です。
例えば、1月1日に決済した場合、締め日は1月末、引き落としは翌月2月27日となるため、最長で57日程度の猶予があります。
楽天ビジネスカードでの支払い方法は1回払いしか選択できませんが、どうしても分割払いを利用したい場合には、楽天プレミアムカードを使うとよいでしょう。
楽天プレミアムカードでは以下の支払い方法を選択できます。
国内利用 | 1回払い、2回払い、分割払い、リボ払い、ボーナス一括払いを選択可能 |
---|---|
海外利用 | 1回払いのみ |
分割払いやリボルビング払いを選ぶことで、支払い時期を分散できます。
そのため、資金繰りに余裕ができたり、大きな買い物をした際の負担を和らげることができます。
ただし、分割払いやリボルビング払いを選ぶ場合は、回数などに応じて利息や手数料が発生するため注意してください。
楽天ポイントが貯まる
楽天ポイントは、楽天グループのサービスで使えるポイント制度です。
楽天ビジネスカードを使うことで、以下のようにポイントが貯まります。
- 楽天グループのサービスで使うと、通常よりも多くのポイントが貯まる
- 楽天グループ以外の加盟店でも、100円(税込)ごとに1ポイントが貯まる
- 楽天ポイントクラブ会員(無料)になると、さらにポイントアップや特典を受けられる
楽天ポイントは1ポイント=1円として、楽天市場や楽天ペイなどで使えるほか、現金や電子マネーに交換できます。
楽天市場でビジネス関連の買い物をした際にも、楽天ビジネスカードでの決済で、獲得できるポイントが5倍になります。
画像引用元・参考:楽天カード公式サイト
事業に使う資金は高額となることも多いため、貯まるポイントも多くなります。
楽天ビジネスカードで貯まったポイントは、個人用の楽天プレミアムカードに加算されます。
楽天ビジネスカードでビジネスの経費を支払うことで、個人としてのポイントを獲得できるのは、大きな魅力です。
ポイントの有効期限は、最後にポイントを付与された月を含めて1年間です。1年間カードの利用がなく、ポイントが付与されなければ消滅してしまいます。
しかし、一度でもカードを利用してポイントが付与されれば、その日からまた1年間、ポイントの有効期限が延長されます。
継続的にカードを利用してポイントが付与され続ける限り、ポイントの有効期限は延長され続けるため実質無期限です。
ただし、キャンペーンなどで付与される期間限定ポイントの中には、有効期限が延長されず、有効期限が過ぎると消滅してしまうものがあります。
特典が充実している
楽天ビジネスカードは、ビジネスで役立つサービスの割引や優待特典を受けられる「VISAビジネスオファー」が利用できます。
VISAビジネスオファーは、VISAマークのついたビジネスカードを持っていれば、オンライン上の申し込みをするだけで利用できる優待サービスです。
例えば、新規のyahoo!広告申し込みでの広告費用5,000円プレゼント、マネーフォワードクラウド会計の特定プラン契約で利用開始から3ヵ月間の利用料が無料、といった、多彩な優待を受けられます。
その他にも、楽天ビジネスカードには多くの特典があります。
例えば、楽天トラベルでホテルや旅館を予約すると10%割引になり、楽天Koboで電子書籍を購入すると20%ポイント還元になります。
楽天カードを使って決済することで、抽選で豪華賞品が当たったり、楽天ポイントがさらに倍増するキャンペーンもあり、楽天グループならではの特典が充実しています。
ETCカードを何枚でも発行できる
楽天ビジネスカードでは、付帯するETCカードを何枚でも発行できます。
ETCカードを複数枚発行できるのは、楽天の他のカードにはない、楽天ビジネスカードだけのメリットです。
楽天プレミアムカードや楽天カードでは、ETCカードを1枚しか付帯できません。
年会費は、1枚目が無料、2枚目以降は1枚につき550円(税込)です。
もちろん、ETC利用代金に対しても、100円につき1ポイントが貯まります。
画像引用元・参考:楽天カード公式サイト
業務やプライベートで高速道路を利用することが多い個人事業主の方には嬉しいメリットです。
複数の車両を業務で使用する場合には、車両ごとにETCカードを作ることができて便利なうえに、ポイントも貯まることになります。
ETCカードは、楽天ビジネスカード入会時に、同時に9枚まで申し込みが可能です。
10枚目以降を発行したい場合は、楽天ビジネスカードが到着したあとに「楽天e-NAVI」から追加で申し込むことができます。
個人事業主が楽天ビジネスカードを作るデメリット
楽天ビジネスカードにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
楽天ビジネスカードのデメリットについて、以下の3点にまとめました。
ビジネスカードのみの発行はできない
楽天ビジネスカードは、楽天プレミアムカードの子カードとして発行されるカードです。
そのため、楽天ビジネスカードを作るには、楽天プレミアムカードを所有していることが前提条件となります。
楽天プレミアムカードを持っていない場合は、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードを同時に申し込む必要があります。
楽天プレミアムカードの年会費は11,000円(税込)なので、楽天ビジネスカードの年会費2,200円(税込)と合わせて、年間13,200円(税込)の費用がかかります。
安いとはいえない金額ですが、楽天プレミアムカードにはさまざまなサービスや特典が充実しており、活用できれば年会費を回収できてしまうほど、コストパフォーマンスの高いカードです。
まず、楽天プレミアムカードは通常の楽天カードよりも、楽天市場利用時のポイント還元率が高くなっています。
通常の楽天カードでは、楽天市場で利用した場合のポイント還元率は3%ですが、楽天プレミアムカードでは最低でも5%になります。
また、自動付帯保険も充実しています。国内のみならず海外出張が多い個人事業主にとって、国内・海外の旅行傷害保険が自動付帯で最高5,000万円、さらにショッピング保険が利用付帯で最高300万円ついているというのは、とても嬉しい内容です。
通常の楽天カードでは、旅行保険は旅行代金を楽天カードで支払った場合にのみ適用される利用付帯で、補償額は最高2,000万円、ショッピング保険はついていません。
さらに、楽天ビジネスカードでは、世界143ヵ国、500を超える都市の1,200か所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」が利用可能です。
プライオリティ・パスは、Visaブランドのプラチナランクのカードに多く付帯されているサービスです。
プライオリティ・パスには会員ランクがあり、楽天プレミアムカードの会員ランクは最上級グレードのプレステージ会員です。
一般的にプライオリティ・パスのプレステージ会員の年会費は469ドル(2023年9月時点)で、1ドル110円で日本円に換算すると、51,590円です。
会員プラン | 年会費 | 利用料金 | 同伴者料金 |
---|---|---|---|
スタンダード | 99ドル | 35ドル | 35ドル |
スタンダードプラス | 329ドル | 35ドル(10回無料) | 35ドル |
プレステージ | 429ドル | 無料 | 35ドル |
楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの年会費をあわせても13,200円(税込)ですが、その料金で本来なら5万円以上するプレステージ会員が無料となるため、プライオリティ・パスの各種サービスを利用する人にとっては、かなりお得です。
業務上の支払いに使用している楽天ビジネスカードの年会費2,200円(税込)は経費として計上できるため、年会費は経費として割り切って、メリットの多い有料のクレジットカードを発行するのも選択肢のひとつです。
追加カードを発行できない
楽天ビジネスカードは、1人1枚しか発行できません。
複数の法人を経営している人や、個人事業主として複数の事業を登録している人でも、発行できるのは1人1枚だけです。
楽天ビジネスカードは、あくまでも個人向けの楽天プレミアムカードの追加カードに位置するものです。
従業員やパートナーなどに楽天ビジネスカードを持たせたいと思っても、追加カードの発行はできません。
キャッシング機能がない
楽天ビジネスカードには、キャッシング機能がありません。
キャッシング機能とは、クレジットカードの利用枠を使ってATMから現金を引き出せる機能のことです。
キャッシング機能は急な出費や現金払いしかできない場合に便利ですが、楽天ビジネスカードではこの機能を利用できません。
楽天ビジネスカードの利用者には充分な資金があり、キャッシング機能は不要だと思われているためです。
もし現金が必要になった場合は、銀行口座や他のクレジットカードから引き出す必要があります。
楽天ビジネスカードはこんな人におすすめ
楽天ビジネスカードは、ビジネスシーンに最適な機能や特典が満載のクレジットカードです。
楽天ビジネスカードは以下のような方におすすめです。
個人事業主やフリーランスの方
楽天ビジネスカードを使うことで、事業に関する支出の管理がしやすくなります。
毎月の利用明細書をメールで送付してくれるほか、オンラインでいつでも確認できます。
利用明細書には、税務署が認める領収書と同等の効力がある「利用証明書」が付いているため、経費精算や確定申告の際に便利です。
会計ソフトとデータ連携をして、自動的に経費の仕訳データを作成することもできます。
楽天ポイントを効率よく集めたい方
楽天ビジネスカードはポイント還元率が高く、経費の支払いにも楽天ポイントが付くため、楽天ポイントを効率よく集められます。
事業用と個人用に明細を分けたい方
楽天ビジネスカードを事業用カードとして使うのがおすすめです。
個人事業主やフリーランスの方の場合、事業用と個人用の明細を分けることで、経費管理が楽になります。
海外への出張や旅行が多い方
楽天ビジネスカードには、世界1300以上の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティー・パスのプレステージ会員が付帯しています。
空港ラウンジでは、快適な座席やWi-Fi、飲食物などが提供されており、出発前や乗り継ぎ時にリラックスした時間を過ごせます。
また、楽天プレミアムカードには、国内・海外の旅行傷害保険が自動付帯で最高5,000万円補償、さらにショッピング保険が利用付帯で最高300万円ついています。
楽天ビジネスカードの審査でチェックされるポイント
楽天ビジネスカードは、個人事業主や法人の経営者に向けたクレジットカードです。
楽天ビジネスカードを申し込むときには審査があります。
審査ではあなたの信用度や返済能力を判断するために、以下のポイントがチェックされます。
収入
楽天ビジネスカードの審査では、申し込み者の収入が安定しているかどうかを見られます。
収入は審査で重要なポイントです。収入が高いほど審査に通りやすくなります。
収入を証明する必要がある場合は、確定申告書などの書類が必要です。収入が安定していることも、審査に有利です。
逆に、収入があっても不安定な場合は、返済能力が低いと判断されやすく、審査に落ちる可能性があります。
信用情報
楽天ビジネスカードの審査では、申し込み者の信用情報も重視されます。
信用情報とは、過去にクレジットカードやローンなどの借入をした際の返済履歴や延滞状況などの情報のことです。
信用情報は信用情報機関に登録されており、クレジットカードやローンの会社が入力・参照しています。
信用情報が良好であれば審査に有利になります。逆に、悪い情報があれば、審査に不利になります。
楽天ビジネスカードの審査では、以下のような信用情報をチェックします。
- 過去にクレジットカードやローンなどの借入をしたことがあるかどうか
- 借入の総額や残高、返済期間などがいくらか
- 返済を滞納したことや延滞料を支払ったことがあるかどうか
- 個人再生や自己破産などの債務整理をしたことがあるかどうか
- 他のカード会社から審査落ちしたことがあるかどうか
上記のような信用情報は、楽天ビジネスカードだけでなく、他のクレジットカードやローンなどの審査でも重要になります。
信用情報に傷がある場合やブラックリストに載っている場合は、審査に通りにくくなります。
信用情報は一度悪くなると、健全な返済履歴によって修復されるまで、時間がかかります。
借入をする際は、自分の収入や支出を把握し、返済能力を超えない範囲で借りることが大切です。
個人事業主が楽天ビジネスカードの審査を通過するコツ
楽天ビジネスカードの審査は厳しいと言われていますが、個人事業主でも通過できます。
そのためには、以下の3つのコツを参考にしてください。
ひとつずつ順番に解説します。
正しい情報で申し込む
個人事業主が楽天ビジネスカードの審査を通過する1つめのコツは、正しい情報で申し込むことです。
楽天プレミアムカード・ビジネスカードの申し込みでは、以下の情報を入力する必要があります。
- 氏名や住所、電話番号などの個人情報
- 勤務先や屋号、事業内容などの事業情報
- 収入や支出、貯金額などの金融情報
- 申し込むカード種類や口座番号などのカード情報
申し込みフォームには正しい情報を入力してください。虚偽や不正確な情報を入力すると、審査に落ちるだけでなく、悪質だと判断されて信用情報機関に記録されることもあります。
そうなってしまったら、他のカードやローンの会社からも信用を失うことになります。
申し込みフォームには、氏名や住所、電話番号などの基本情報だけでなく、事業内容や年商、経費などの詳細な情報も必要です。
申し込み前に必要な書類を準備しておくと、スムーズに審査が進みます。
現在の借入状況を整理する
個人事業主が楽天ビジネスカードの審査を通過する2つめのコツは、現在の借入状況を整理しておくことです。
現在の借入状況も審査でチェックされるポイントです。信用情報には現在の借入状況も含まれます。現在の借入状況とは以下のものを指します。
- 他のクレジットカードやローンなどの借入があるかどうか
- 借入の総額や残高、返済期間などがいくらか
- 返済を滞納したことや延滞料を支払ったことがあるかどうか
- 現在滞納している借入があるかどうか
収入があっても、他のカード会社や金融機関から多額の借入があると、相殺されて返済能力が低いと判断されてしまいます。
遅延や滞納などの支払い履歴も重要です。滞納中の支払いがあるなど、審査申込時の支払い履歴が悪いと、信用度が下がります。
そのため、楽天ビジネスカードを申し込む前に、現在の借入状況を整理しておくことが大切です。
具体的には、以下のようなことです。
- 他のクレジットカードやローンなどの借入をできるだけ減らす
- 借入の総額や残高、返済期間などを把握する
- 返済を滞納している場合は、早急に支払う
- 延滞料を支払っている場合は、理由や経緯を説明できるようにする
上記のように借入状況を整理することで、楽天ビジネスカードの審査が有利になる可能性が高まります。
楽天ビジネスカードを申し込む前には、現在の借入状況を整理しておきましょう。
携帯電話の利用料金と一緒に本体代金を分割払いしている人は、携帯電話料金の滞納にも注意が必要です。
申し込み前にできるだけ借入を減らし、不要なカードがあればこれを機に解約しておくのがおすすめです。
他のカード会社に同時に申し込まない
個人事業主が楽天ビジネスカードの審査を通過する3つめのコツは、他のカード会社に同時に申し込まないことです。
他のカード会社に同時に申し込むことは、審査に不利になります。
同時に申し込むと、信用情報機関に複数回の照会が記録され、あなたが必要以上にクレジットカードを作ろうとしていると判断されます。
そうなると、あなたの返済能力や信用度に疑問を持たれる可能性があります。
楽天ビジネスカードの審査中に他のカード会社にも申し込むことは避けましょう。
まず、同時期に複数のカード会社から審査を受けると、信用情報に「多重申し込み」の記録が残ります。
この情報は、申し込み者がカードを乱用する可能性が高い印象を与えます。結果として、楽天ビジネスカードだけでなく、他のカード会社の審査にも落ちる可能性が高くなります。
また、信用情報には、他のカード会社で審査落ちしたことも記載されます。同時期に多重申込の記録などが原因で他のカード会社から審査落ちした経歴があると、楽天ビジネスカードの審査でも不利になります。
このように、楽天ビジネスカードを申し込む際は、他のカード会社に同時に申し込まないことが大切です。
- 他社のクレジットカードやローンなどの申し込みを控える
- 他社で審査落ちした場合は、理由や経緯を説明できるようにする
- 他社で審査通過した場合でも、必要以上に利用せず、滞納などの履歴を発生させない
上記の内容を押さえることで、楽天ビジネスカードの審査に有利になる可能性が高まります。
個人事業主が楽天ビジネスカードを発行する際に必要なもの
楽天ビジネスカードを発行する際に必要なものは以下の2つです。
楽天プレミアムカード
楽天ビジネスカードは、単体では発行できません。楽天プレミアムカードの子カードに位置づけられているためです。
楽天プレミアムカードを持っていない場合は、まず楽天プレミアムカードを申し込むか、同時に申し込む必要があります。
楽天プレミアムカードは、年会費10,800円(税込)の個人用クレジットカードで、楽天ポイントが5倍貯まるほか、海外旅行保険や空港ラウンジを利用できるなどの特典があります。
本人確認書類
本人確認書類として、以下の何れかが必要です。
- 運転免許証または運転経歴証明書
- パスポート
- 健康保険証と現住所が確認できる補完書類
- マイナンバーカード
- 住民票の写し
- 在留カード
上記の中から1つを選んで、申請フォーム上で情報を入力するか、案内に沿って郵送にてコピーを提出します。
個人事業主が楽天ビジネスカードを発行する手順
個人事業主が楽天ビジネスカードを発行する手順は以下のとおりです。
楽天プレミアムカードと同時申請または追加申請をする
楽天プレミアムカードを持っていない場合は、楽天カードの公式サイトから同時申請をします。
既に楽天プレミアムカードを所持している場合は、マイページから楽天ビジネスカードの追加申請をします。
楽天プレミアムカードが新規申込となる場合には、個人情報や収入情報、運転免許証があればその番号、引落口座の設定にインターネット口座登録手続きを利用するかどうかの選択、利用する場合はその口座情報、などを入力する必要があります。
必要書類を返送する
申し込み後、書類によるやりとりが必要な場合には、5営業日ほどで口座振替依頼書などの必要書面と返信用封筒が届きます。
口座振替依頼書には金融機関の情報を記入して、ある場合には銀行印を捺印し、返信用封筒に入れて郵送してください。
審査結果を待つ
必要書類がクレジットカード会社に到着後、およそ2週間で審査結果が届きます。
審査に通過した場合は、楽天ビジネスカードと楽天プレミアムカード(同時申請の場合)が発送されます。審査に通過しなかった場合は、その旨の通知が届きます。
カードを受け取る
カードが届いたら、封筒に記載された手順にしたがって、カードの有効化をおこなってください。
参考:楽天カード公式「楽天ビジネスカードの申し込みから到着までの流れについて」
楽天カード以外で個人事業主におすすめのクレジットカード3選
個人事業主の方は、自分のニーズや条件に合ったカードを選ぶことが大切です。
以下では、楽天ビジネスカード以外にもおすすめのクレジットカードを3つ紹介します。
それぞれのカードの特徴について解説します。
三井住友カードビジネスオーナーズ
年会費無料で両面ナンバーレスのビジネスカードです。
審査に応じて設定されるショッピング枠は500万円が限度と、他のビジネスカードと比べても高い水準にあるのが特徴です。
三井住友カードビジネスオーナーズには、以下のような特徴があります。
- 年会費は本会員、パートナー会員ともに永年無料
- ETC年会費無料(2年目以降に前年度利用がない場合は550円(税込)の年会費が必要)
- ポイント還元率は1.5%(対処の三井住友カードと2枚持ちした場合)
- VISAかMastercardのいずれかを選択可能
- 利用限度額は500万円(個人カードの利用額と合算)
- 海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険などの特典あり
- 三井住友カード会員限定の割引や優待サービスが利用可能
三井住友カードビジネスオーナーズは、申し込み時に登記簿謄本や決算書が不要のため、個人事業主でも申し込みしやすいクレジットカードです。
ポイントや保険などの充実した特典を年会費無料で受けられる、お得なカードです。
JCB CARD Biz
法人確認書類不要の中小企業・個人事業主向けカードです。
年会費は初年度無料で、2年目以降も一般カードなら1,375円(税込)とリーズナブルです。QUICPayやApple Payなどのキャッシュレス決済も利用できます。
JCB CARD Bizには、以下のような特徴があります。
- ポイント還元率は0.3%〜1.05%(利用店舗と交換方法による)
- 利用可能な国際ブランドはJCBのみ
- 利用限度額は一般カードの場合は10万円〜100万円、ゴールドカードなら50万円〜300万円
- ETC年会費無料
- JCB CARD Biz会員限定の割引や優待サービスが利用可能
- 海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険などの特典あり
JCB CARD Bizは、キャッシュレス決済や海外旅行に便利なサービスを低い年会費で利用できる、コスパの高いカードです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
年会費13,200円(税込)で、接待や出張に使える豊富なビジネス特典が充実した法人カードです。
アメックスのプロパーカードのなかでも年会費が安く、会社の収益がない開業直後でも入手しやすくなっています。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カードには以下のような特徴があります。
- ポイント還元率は0.3%(メンバーシップ・リワード・プラスの登録で1%にアップ)
- 利用可能な国際ブランドはアメリカン・エキスプレスブランドのみ
- 利用限度額は、申し込み者による
- ETC年会費550円(税込)
- 提携航空会社が多く、さまざまな航空会社のマイルに交換可能
- アメリカン・エキスプレス会員限定の割引や優待サービスが利用可能
- 海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険などの特典あり
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カードは、空港ラウンジサービスや手荷物無料宅配など、出張が多い個人事業主にとって便利な特典が付いているクレジットカードです。
その他おすすめのクレジットカード
楽天ビジネスカードや上記で紹介したもの以外にも、個人事業主におすすめのクレジットカードがあります。
例えば、以下のクレジットカードなどです。
- セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- NTTファイナンス Bizカードfor owners
- freee MasterCard
上記のクレジットカードにも、それぞれにメリットやデメリットがあります。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
個人事業主におすすめのクレジットカード15選!メリットや選び方
まとめ
- 楽天ビジネスカードは個人事業主でも発行できる
- 楽天プレミアムカードを所持しているか、同時申し込みをする必要がある
- 楽天ポイントがたまりやすく、経費管理がしやすいなどのメリットがある
- 追加カードを発行できない、キャッシング機能がないなどのデメリットもある
- カード発行の審査が厳しい、必要書類が多いなど若干ハードルが高い
個人事業主にとってクレジットカードは便利なツールですが、どのカードを選ぶかは慎重に考えるべきです。
楽天ビジネスカードは個人事業主でも発行できるクレジットカードで、楽天ポイントがたまりやすく、経費管理がしやすいなどのメリットがあります。
本記事を読んで、楽天ビジネスカードのメリットや発行方法を理解し、あなたに合ったクレジットカードを選ぶためのお役に立てていただければ幸いです。
個人事業主の楽天ビジネスカードに関するよくある質問
以下に、楽天ビジネスカードに関するよくある質問をまとめました。参考にしてください。
勤務先の欄には何を入力する?
勤務先の欄には、自分の事業の屋号や事業内容を入力します。
例えば、フリーランスのデザイナーなら、「山田太郎デザイン事務所」や「グラフィックデザイン業」と入力できます。
もし、屋号がない場合は、「個人事業主」と入力しても構いません。
屋号なしでも申し込みできる?
楽天ビジネスカードは、屋号なしでも申し込みできます。
屋号がない場合は、勤務先の欄には「個人事業主」と入力しましょう。
固定電話がなくても申し込みできる?
固定電話がなくても申し込みできます。固定電話がない場合は携帯電話番号を入力してください。
ただし、連絡先とする電話番号の契約者名は、本人確認書類と同じ名義でなければなりません。
他人名義の携帯電話番号は、審査に不利になる可能性があります。
口座を事業用とプライベート用で分けた方がいい?
個人の判断によりますが、できれば口座を事業用とプライベート用で分けた方がよいでしょう。
楽天ビジネスカードの支払い口座は、親カードである楽天プレミアムカードとは別の口座を選択できます。
事業用とプライベート用でクレジットカードだけではなく引落口座も分けることで、経費管理や確定申告がしやすくなります。
限度額はどれくらい?
楽天ビジネスカードの限度額は300万円です。
限度額は楽天プレミアムカードと共用のため、楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの合計で300万円までしか利用できません。
例えば、楽天プレミアムカードで200万円分の決済をした場合、楽天ビジネスカードは残り100万円分までしか利用できません。
限度額は、審査の結果や利用実績によって変わります。
利用実績が高く、支払いに遅れがなければ、自動的に限度額が引き上げられることもあります。
また、限度額を引き上げたい場合には、楽天e-NAVIから「増額」や「一時的な増額」の申し込みができます。
ただし、申し込みに審査があるため、希望する限度額にならない場合もあります。