清掃業で個人事業主として独立を考えている方の中には、
「清掃業で独立するメリットを知りたい」
「清掃業で独立する手順を知りたい」
という方もいるでしょう。
今回は、そんな方に向けて、清掃業で個人事業主として開業するメリットや平均年収、成功のポイントについて解説していきます。
この記事を読むと、清掃業で個人事業主として開業する際のポイントを知ることができるでしょう。
清掃業とは
清掃業の仕事は、ハウスクリーニング業、店舗やビルの清掃、特殊清掃業の3つに分かれます。
それぞれ詳しく解説します。
ハウスクリーニング業
ハウスクリーニング業は、個人宅を訪れ、エアコンやお風呂場、キッチン周り、レンジフードなど、クライアントが希望する場所の清掃を行います。
共働き家庭や、一人暮らしの高齢者など、ハウスクリーニングの需要は高まっており、顧客とハウスクリーニング業者をマッチングさせるプラットフォームもいくつかあります。
しかし、ハウスクリーニング業者にはライバルが多いので、他の業者との差別化を図ることが大切です。
ビルや店舗の清掃業
飲食店、美容室、ビルの事務所などで、その施設で必要とされる清掃を行います。
ハウスクリーニング業に比べ、清掃を行う面積は大きくなるので、スタッフを確保する必要があります。
また、店舗やビルのオーナーと良い関係を築いて、安定した取引をする必要があります。
個人で行うよりも大きな利益を得られる可能性がありますが、ハウスクリーニング業同様、ライバルが多いので、価格競争が起こる場合があります。
特殊清掃業
特殊清掃業は、事故や事件などで亡くなった方の家を専門的に清掃します。
亡くなってから死体の発見が遅れた場合、遺体によって床や壁が汚れたり、悪臭や汚染物が残ったりすることもあります。
この場合、大掛かりな壁紙の張り替えやクリーニングが必要です。
近年では高齢者の孤独死などによって特殊清掃業の需要は高まっています。
清掃業で個人事業主として開業するメリット
個人事業主が清掃業で開業するメリットは次の3つです。
初期費用が少ない
個人事業主が清掃業で独立する場合、初期費用はあまりかかりません。
なぜなら、飲食店のように店舗を借りたり、従業員を多く雇ったりする必要がないからです。
清掃で使用する道具や機材の費用は掛かりますが、それ以外の費用は特に掛かりません。
特別な資格が必要ない
個人事業主が清掃業で独立する場合、特別な資格は不要です。
事業にしたい清掃に関する知識や経験を身につけることで、誰でもすぐに始めることができます。
ただし、ビルクリーニングや建築物の清掃を行う際は、ビルクリーニング技能士や清掃作業監督者などの専門資格が必要です。
オフィスや従業員が必要ない
個人事業主が清掃業で独立する場合、自宅を事務所として開業することができます。
また、独立当初は従業員を雇う必要がないので、初期費用や固定費は、必要最低限で事業を運営することができます。
清掃業を開業した場合の平均年収
個人事業主が清掃業を開業した場合、平均年収は約400万円前後と言われています。
また、清掃業でも、ハウスクリーニング業かビルや店舗の清掃業かによって年収は異なります。
さらに、人口が少なく、クリーニングの需要が少ない地域の年収は、平均年収以下の場合もあります。
清掃業で個人事業主として開業する際に必要な手続き
個人事業主としてビルクリーニング以外の清掃業を始めるための手続きは、税務署に開業届を提出するだけです。
開業届は、開業してから1ヶ月以内に税務署に提出することが定められています。
開業届を提出しないと、青色申告による様々な特典も受けることができず、不利益になります。
そのため、開業届と同時に、青色申告承認申請書を提出して、青色申告の用意をしておくことがおすすめです。
（参考：国税庁｜青色申告制度）
また、請負業者販売責任保険の加入をすると安心です。
顧客の清掃を行なった際、家具などの破損により多額な賠償金を請求されるケースもあります。
保険に加入しておけば、リスクを最小限に抑えることができます。
万が一のことを想定し、保険の加入がおすすめです。
清掃業で個人事業主として開業する際にかかる費用
清掃業で個人事業主として独立する際にかかる費用を見ていきます。
移動用車両に掛かる費用
清掃業を行うには、清掃現場へ向かう移動用の車両は必須です。
作業員を運ぶだけではなく、清掃用具や機材を積載する必要があります。
そのため、軽自動車ではなく、軽ワゴンからライトエースくらいの大きさの車両があると便利です。
清掃用具のための費用
清掃業を行うには、清掃用具や機材を準備するための費用が必要です。
必要な道具は、洗剤やブラシ、モップなどの用具から、高圧洗浄機などの機材まで、数多くあります。
広告宣伝費
清掃業として独立する場合、認知度を高め、集客をするために広告宣伝費がかかります。
広告宣伝の方法は、ポスティングやチラシ配り、ネットへの掲載などさまざまです。
ターゲットを定め、費用対効果を考えて宣伝をすることが重要です。
清掃業で個人事業主として開業する際の集客方法
清掃業で個人事業主として開業する場合、集客にはさまざまな方法があります。
ホームページ・SNS
清掃業の集客方法の1つは、ホームページやSNSを利用してネット集客を行う方法です。
現在は、ほとんどの見込み客がインターネットから情報収集をしています。
多数の顧客に即時性のある情報を発信できるので、大きな効果が見込める集客方法です。
チラシ配り・ポスティング
清掃業の集客方法の2つ目は、チラシやポスティングです。
清掃業を利用するのは、事業所周辺の地域に住む人々がメインです。
この方法には、特定の地域にターゲットを絞って集客ができるというメリットがあります。
また、紙のチラシは記憶に残りやすいのが特徴です。
地域雑誌
清掃業の集客方法の3つ目は、地域雑誌への掲載です。
地域のポータルサイトがある場合は、登録して広告を掲載することをおすすめします。
地域のポータルサイトは、その地域に住む方々の目に留まりやすい媒体の1つなので、活用しない手はないでしょう。
口コミ
清掃業の集客方法の4つ目は、口コミ評価による集客です。
地域内での口頭での口コミも重要ですが、インターネットでもさまざまな口コミを簡単に掲載したり、評価したりできるようになりました。
悪い評価も簡単に目にすることができるため、口コミ評価を上げる努力も必要です。
清掃業での開業を成功させるポイント
個人事業主が清掃業での開業を成功させるためのポイントは次の4つです。
丁寧に仕事をする
清掃業で成功するためには、丁寧に仕事をすることが最も重要です。
特に清掃業の場合、雑な作業をしていると顧客の目につきやすく、信頼の低下に繋がります。
口コミで良い評価を得たり、リピート客を増やすには、丁寧で気持ちの良い仕事ぶりが大切です。
資格を取得する
清掃業で成功するためには、資格の取得も必要です。
競合他社がたくさん存在する清掃業では、資格の有無は差別化になります。
清掃業に関する資格を取得することで技術力をアピールすることができ、顧客からの信頼向上や安心にもつながるでしょう。
清掃業に関する資格は、以下のようなものがあります。
- ビルクリーニング技能士
- 清掃作業監督者
- ハウスクリーニング技師
- エアコンクリーニング士
- ハウスクリーニングアドバイザー
資格をアピールすることで、ここに依頼しようと思ってもらいやすくなります。
自主的に技術を磨く
清掃業で成功するためには、セミナーや勉強会を通して自分の技術や知識を高めることが重要です。
清掃業では、清掃に関するさまざまな専門知識が求められます。
常に最新の流行や知識を身につけ、その場に適した対応を行うことで、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
得意分野を作ることができれば、良い口コミやリピートにも効果があります。
事務作業を専門家に任せる
清掃業で成功するためには、独立のための会社設立や税務に関する手続きは専門家に依頼しましょう。
会社設立や、税務の手続きを自分ひとりで調べて行うのは大変です。
また、手続きに誤りがあると余計な手間が掛かります。
自分の苦手なことや経験の浅い分野はプロに任せ、自分の得意な分野を磨きましょう。
その結果、事業の更なる発展に繋がるでしょう。
まとめ
- 清掃業の仕事は、ハウスクリーニング業、ビルや店舗の清掃業、特殊清掃業の3つ
- 清掃業のメリットは、初期費用が掛からない点、資格が必要ない点、オフィスや従業員が不要な点
- 清掃業で個人事業主として開業するには、開業届の提出が必要
- 清掃業でかかる費用は、移動用車両費、清掃用具費、広告宣伝費
- 清掃業で個人事業主として開業する際の集客は、SNSや、ポスティング、地域雑誌の掲載などがある
今回は、「清掃業で個人事業主として開業するメリットや手順」について解説してきました。
上記のポイントを押さえることで、清掃業で個人事業主として開業する際のポイントが理解できるでしょう。
