個人事業主は協会けんぽに加入できる?選べる4つの健康保険を紹介

コラム

「個人事業主は協会けんぽに加入できるか知りたい」

「個人事業主が協会けんぽに加入する条件や方法を知りたい」

「個人事業主は、どの健康保険に加入すべきかわからない」

「個人事業主が加入できる健康保険を知りたい」

上記のような悩みを持つ方に向けて、今回は個人事業主が協会けんぽに加入する方法とその他の健康保険について解説していきます。

この記事を読むことで、個人事業主になるにあたって、自分に合った健康保険を選んで加入できるようになるでしょう。

協会けんぽとは?

協会けんぽとは、「全国健康保険協会」の略称です。

協会けんぽは、健康保険法を根拠法令として設立された、中小企業の従業員とその家族を対象とする健康保険を運営する公法人です。

協会けんぽの運営は、都道府県ごとの協会支部で行われています。

加入者の健康保持促進を図るとともに、良質で効率的な医療を受けられるようにすることを目的とし、保険給付金に関する業務や保険事業・福祉事業に関する業務といった健康保険事業を行っています。

個人事業主が協会けんぽに加入する方法

協会けんぽは、中小企業の従業員とその家族向けの健康保険なので、基本的に個人事業主が加入することはできません。

しかし、例外的に個人事業主が協会けんぽに加入する方法があります。

個人事業主が協会けんぽに加入する方法は、次の2つです。

なお、会社員であれば、協会けんぽの加入手続きは会社が行うので、自主的な手続きは不要です。

しかし、個人事業主は会社員と違い、自分で健康保険の手続きをする必要があります。

退職後に健康保険を任意継続する

個人事業主が協会けんぽに加入する方法の一つは、勤めていた会社の協会けんぽを継続することです。

退職をした資格喪失日から、20日以内に継続の申請を行うことで、最長2年まで継続することができます。

任意継続が終わる2年後以降は、他の健康保険へ切り替える必要があります。

協会けんぽを任意継続するメリットは、退職後もこれまでの健康保険と同様の給付内容を受けられる点です。

スポーツ・保養所施設や、人間ドックの受診補助などを変わらず利用できます。

ただし、在職中の保険料は会社と折半ですが、退職後は全額自己負担になります。

また、保険料を1日でも滞納した場合、その翌日から継続した保険の資格がなくなるので注意が必要です。

健康保険の被扶養家族に入る

個人事業主が協会けんぽに加入する方法の一つは、協会けんぽに加入している家族の扶養に入ることです。

両親や配偶者が加入している協会けんぽから、扶養対象者として認められた場合に加入することができます。

個人事業主が国民健康保険に加入すると、自分と自分が扶養する家族分の保険料を全て納める必要があります。

しかし、協会けんぽの場合、加入者の扶養家族として認められた家族は、追加保険料を負担することなく加入できます。

扶養家族として認められる条件は以下の通りです。

  • 年収が130万円未満であること(給与収入・事業収入・雇用保険の失業収入・公的年金・健康保険の傷病手当金や出産手当金が該当)
  • 年収が被保険者の年収の2分の1未満であること
  • 被保険者と扶養家族の生計が同一であること(単身赴任や学校のために一人暮らしをする子どもに仕送りをしている場合を含む)

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個人事業主が健康保険に加入するその他の方法


個人事業主が、協会けんぽ以外に加入できる健康保険は、以下の2つです。

  • 国民健康保険
  • 健康保険組合

それぞれ解説していきます。

国民健康保険に加入する

個人事業主は、原則として、国民健康保険に加入する必要があります。

退職前に加入していた協会けんぽなどの健康保険や、配偶者等が加入している健康保険に入らない限り、国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険に加入する際に必要な持ち物

以下を準備し、お住まいの市区町村の役所で手続きを行いましょう。

  • 身分証明証(運転免許書・マイナンバーカードなどの顔と現住所が分かるもの)
  • マイナンバーカード(個人番号が確認できるもの)
  • 健康保険の資格喪失がわかる書類(退職証明書・離職票・退職日が記載された源泉徴収票など)
  • 印鑑

国民健康保険に加入する際の注意事項

国民健康保険に加入する際は、いくつかの注意事項があるので確認しましょう。

  • 退職日から14日以内に加入する必要がある
  • 保険料は、前年の所得や各自治体によって異なる
  • 保険料は世帯加入者の人数に応じて計算される
  • 控除の対象になるため、確定申告で所得から差し引くことができる

協会けんぽと国民健康保険の違い

国民健康保険は、会社などの健康保険に加入していないすべての人を対象にした健康保険です。

保険事業の運営は住んでいる地域の各自治体が担っています。

この国民健康保険には、扶養という概念がありません。

国民健康保険に加入する個人事業主の扶養家族は全員が被保険者になるので、配偶者や家族にも保険料がそれぞれかかります。

そのため、一人世帯でない場合は、任意継続や家族の扶養に入る方法で協会けんぽを利用したほうが、保険料が安くなるケースがほとんどです。

健康保険組合に加入する

個人事業主の場合、職種によっては健康保険組合に加入することができます

健康保険組合とは、同種の事業・業務の従事者で組織されている団体です。

医師・薬剤師・歯科医師・税理士・建設業界・美容師・弁護士など、さまざまな業種の組合があります。

健康保険組合に加入するメリットは、国民健康保険と異なり、収入に関わらず保険料が一定であることです。

ただし、組合によって保険料の計算の仕方や、保険対象範囲が異なります。

加入組合ごとに年会費もかかるので、保険料の総額を確認して加入するようにしましょう。

下記におすすめの健康保険組合を3つ紹介します。

個人事業主の方は、該当する組合があればチェックしてみてください。

文芸美術国民健康保険組合

国内に住んでいる、文芸、芸術、著作などの芸術活動を行っている組合加盟の各団体の会員とその家族が加入できます。

Webデザイナーやイラストレーター、ライターなどの個人事業主も該当します。

令和5年度の保険料は以下の通りです。

  • 組合員:月額24,800円/1人
  • 組合員の家族:月額14,800円/1人
  • 介護保険料:月額5,700円/1人(満40歳から64歳までの被保険者)

(参考:文芸美術国民健康保険組合|保険料について

関東信越税理士国民健康保険組合

関東信越税理士会会員である税理士、および職員とその家族が加入することができます。

令和5年度の保険料は以下の通りです。

  • 税職員である組合員:月額26,000円/1人(0歳から74歳までの被保険者)
  • 職員である組合員:月額15,000円/1人(0歳から74歳までの被保険者)
  • 組合員の家族:月額8,000円/1人(0歳から74歳までの被保険者)
  • 後期高齢者支援金:月額5,200円/1人(6歳から74歳までの被保険者)
  • 介護保険料:月額6,200円/1人(満40歳から64歳までの被保険者)

(参考:関東信越税理士国民健康保険組合|国民健康保険料

東京美容国民健康組合

東京都内に事業所があり、美容業界に携わる従業員とその家族が加入できる健康保険組合です。

令和5年度の保険料は以下の通りです。

満40歳から64歳での被保険者(後期高齢支援金・介護保険料を含む)
  • 事業主組合員:月額18,800円/1人
  • 従業員組合員:月額13,500円/1人
  • 組合員の家族:月額11,000円/1人
満40歳から64歳以外の被保険者(後期高齢支援金を含む)
  • 事業主組合員:月額15,200円/1人
  • 従業員組合員:月額9,900円/1人
  • 組合員の家族:月額7,400円/1人

(参考:東京美容国民健康組合|保険料について

まとめ

  • 個人事業主は原則、国民健康保険に加入する
  • 個人事業主は任意継続や扶養家族に入ることで協会けんぽに加入することができる
  • 協会けんぽを任意継続する際は、資格喪失20日以内に継続申請すると最長2年まで保険を継続できる
  • 個人事業主が協会けんぽに加入している家族の扶養家族に入る条件は、年収が130万円未満、年収が被保険者の年収の2分の1未満、被保険者と扶養家族の生計が同一であることの3点
  • 個人事業主は職種によっては、健康保険組合に加入することができる

この記事では、個人事業主が協会けんぽに加入する方法とその他の健康保険について解説しました。

上記の5つのポイントを押さえることで、自分に最適な健康保険に加入できるでしょう。

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