個人事業主の節税対策14選!お金が残る裏ワザ・テクニックを紹介

個人事業主の節税対策14選!お金が残る裏ワザ・テクニックを紹介 コラム

※この記事はPRを含みます

経営者というと「何かと経費で落としていてずるい」というイメージを持たれがちです。

しかし、個人事業主の場合は経費の範囲が限られるため、思っているほど節税できないと感じているのではないでしょうか。

本記事では個人事業主が節税を実現するための裏ワザを14紹介します。

今回の記事を参考に、まだ節税できるところがないか探してみましょう。

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個人事業主が納める税金の種類

まず個人事業主が納める税金について確認しましょう。所得税・消費税・住民税・個人事業税の4種類があります。

所得税

所得税は、個人事業主の所得にかかる税金のことです。

事業で得た収入から事業を行うために支払った費用などの必要経費を差し引いた金額に対して課税されます。

個人事業主は、所得税の納税期限に合わせて確定申告を行う必要があります。

消費税

消費税は、商品やサービスの価格から課税される税金であり、個人事業主も納める場合があります。

ただし、個人事業主が消費税の課税事業者となるのは「基準期間(前々年)、または特定期間(前年の1月1日から6月30日まで)の課税売上高が1,000万円を超えている」場合です。

事業が大きくなるまでは消費税を支払う必要はありません。

住民税

住民税は、居住している自治体に対して納める税金であり、個人事業主にも「個人住民税」として支払い義務があります。

個人住民税は所得に関係なく一定額を支払う「均等割」と所得に応じて支払う「所得割」に分かれています。

個人事業税

個人事業税は地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金ですが、法定業種は70の業種があるためほとんどの事業が該当します。

地方税であり、業種に応じた課税率が設定されています。原則的に8月と11月の年2回納付です。

個人事業主の税金の計算方法

個人事業主の税金4種類の計算方法は以下の表の通りです。

税金の種類 計算式
所得税 (所得金額 – 控除額)× 税率 1 –  所得税額控除額 2
注1 税率 5~45%。税率について詳しくは国税庁の速算表を参考にしてください。
注2 所得税額控除額 所得税を支払う際に差し引くことができる金額
消費税 販売価格 × 消費税率(10%)
住民税 均等割 注3 + 所得割 注4
注3 均等割
市町村民税3,500円 + 道府県民税1,500円 = 5,000円
注4 所得割 所得の10%
個人事業税 (事業所得 – 専従者給与 注5 –  必要経費  –  各種控除 注6)× 税率 注7
注5 専従者とは 専らその事業に従事する事業主と生計を一にする親族
注6 各種控除 繰越控除(損失・被災事業用資産・譲渡損失)と事業主控除(290万円)
注7 税率 3~5%。業種による。対象業種について詳しくは国税庁の法定業種を参考にしてください。

 

個人事業主の節税対策13選

個人事業主の節税対策とは、事業のために支払う費用を経費として計上したり、法人化したりと、法律の範囲内で事業の売上に対して課せられる税金を抑える対策のことです。

ここまで個人事業主が納める主な税金と計算方法について解説しました。が、節税対策をうまく活用してできるだけ利益を残したいですよね。

続いて個人事業主が節税できる13個のポイントについて見ていきましょう。

青色申告を行う

確定申告には白色申告と青色申告がありますが、青色申告を行うと所得税や住民税の元となる所得から55万円、さらに電子申告・電子帳簿保存まで行うと65万円控除されて節税になります。

また、青色申告を行うと赤字の場合に翌年以降繰り越しできるため、黒字化してから起業したての赤字の分と相殺でき節税になるのがメリットです。

確定申告を青色申告することで、期待できる節税効果は3つです。

その効果について解説します。

事業が赤字の場合、最長3年間赤字を繰り越せる

事業の経営が赤字で損失がある場合、赤字を最長3年間繰り越せます。

赤字を繰り越す納税額が翌年以降の事業で発生した利益から、繰り越した分の赤字分を引いた金額に対して課せられるので、通常納める税金額よりも少なくなるのがメリットです。

給与を支払った際に経費計上できる

事業主と生計を共にしている家族および親族を従業員として雇用し、給与を支払う場合、支払い金額分を経費として申告できます。

事業運営を家族で行っている事業主が、青色申告すれば大きな節税効果が期待できるでしょう。

最大で65万円の控除が受けられる

青色申告は白色申告では受けられない、青色申告特別控除を受けられます。

控除額は条件により異なりますが、特別控除で課税所得を減らせるため節税効果が期待できるでしょう。

事業に関わるものはすべて必要経費にする

個人事業主は、事業に関わるものは必要経費として計上できます。

しかし個人事業主の必要経費がどこまで認められるのかあいまいなため、計上しきれていない支出があるのではないでしょうか。

必要経費を漏れなく計上するのも節税につながるため、経費になるもの・なりそうなものはレシートや領収書などの証拠を保管しておきましょう。

一例として以下のような物があります。

経費の種類 説明
広告宣伝費 商品・サービスの販促活動にかかる費用。チラシやポスター、Web広告などが該当する。
交通費 出張や商談での移動費用。交通機関の利用料金や自家用車の給油代、駐車料金などが該当する
通信費 電話・インターネット・郵便物などにかかる費用。通信機器の購入費用も含まれる
消耗品費 事務用品や工具・原材料・包装材など業務に必要な消耗品にかかる費用
雑費 印紙税・消印料など、その他の細かい経費にかかる費用
旅費交通費 出張や商談での宿泊費や飲食代など、移動中にかかる費用
資料費 取引先へのプレゼン資料、事務所内で使用または業務に関連する知識を得るための書籍・専門雑誌などにかかる費用
講習会費 講習会やセミナー、研修に参加するための参加費用や交通費用、宿泊費用など
オフィス賃料 自社オフィスや事務所・倉庫・駐車場などの賃料にかかる費用
水道光熱費 自社オフィスや事務所などで業務時に使用する水道・ガス・電気代などの光熱費 ※ただし水道代・ガス代は認められても割合は低い
パソコン購入費 事務作業に必要なパソコンの購入費用
ソフトウェア購入費 事務作業や販促活動に必要なソフトウェアの購入費用

控除を見直す

納税額を減らすには、課税所得を減らすことが大切です。

課税所得は年間の所得から控除できる金額を引いて求めるので、控除額が高くなればなるほど課税所得を減らせます。

所得控除には基礎控除をはじめ、生命保険料控除や配偶者控除、医療費控除のように、さまざまな控除があるため、申告漏れがないように見直すことが大切です。

経費を見直す

事業のために支払う費用は、経費にしてOKです。

課税所得は先述した控除に加え、経費を差し引いた金額で求めるので、経費が増えると課税所得が減り、結果的に個人事業税や住民税、所得税を減らせます

大切なのは控除と同じように経費も申告漏れがないように見直すことです。

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家賃や光熱費を按分で経費計上する

自宅を事務所として使用している場合は、家賃や光熱費を按分(使用割合で分ける)して経費計上できます。

按分するためには、事務所の広さ・使用時間・家族分の分担比率(家族も住んでいる場合)を考慮して計算する必要があります。

消費税や個人事業税を経費計上する

提供したサービスや商品に対してかかる消費税や、事業所在地の市区町村に対して納付する個人事業税、そのほかにも固定資産税自動車税といった税金も計上できる経費です。

短期前払費用の特例を活用する

例えば年払いの保険料のような、1年以内に支払うことが確定している費用が短期前払費用です。

短期前払費用には特例があり、一括で費用として計上することができるためその金額が所得金額から控除できます。

少額減価償却資産の特例を活用する

例えばパソコンや設備のような、取得価額が10万円以上30万円未満である減価償却資産に対する特例が少額減価償却資産の特例です。

  • 青色申告をしている
  • 常時使用する従業員が500人以下
  • 資本金の額または出資金の額が1億円以下

上記のような要件に当てはまる場合、平成18年4月1日から令和6年3月31日までの間に減価償却資産を取得などして事業の用に供した場合には、その取得価額に相当する金額を一括で経費として算入できます。

生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する

生命保険介護医療保険個人年金などの保険加入を行うと、生命保険料控除と呼ばれる所得控除を受けられるため節税効果があります。

新契約(2012年以降の契約)の場合、所得税は生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料共に所得税の控除額は最高40,000円/住民税の控除額は最高28,000円(合計は最大7万円)のため、最大所得税で12万円、住民税で7万円計算の元となる所得から控除できます。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済は、事業主が、積立式の退職金制度を設ける制度です。

共済への掛金は全額経費になるため節税効果があります。

ただし、事業を副業として行っている場合は共済への加入ができないので注意が必要です。

経営セーフティ共済に加入する

経営セーフティ共済は、主要取引先の倒産による売掛金の回収不能など不測の経営危機に備えて当面の事業資金を借り入れられる共済です。

支払った保険料が経費になるため、節税効果があります。

iDeCoを活用する

iDeCoは、60歳まで引き出すことができない個人型確定拠出年金制度の一つで、個人が老後資金を形成する目的で利用する制度です。

個人事業主の場合最大68,000円のiDeCoへの掛け金が所得から控除されるため節税になります。

節税効果の観点以外にも、厚生年金に入れない個人事業主にとって老後まで資金を守れるiDeCoへの加入は検討するべきでしょう。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税は、日本全国の自治体に対して行った寄付の金額が寄付金控除として所得税や住民税から控除されるため、節税効果があります。控除額は次の通りです。

所得税からの控除
(ふるさと納税額 – 2,000円)×所得税の税率

住民税からの控除(基本分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)×10%

住民税からの控除(特例分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)×(100% – 10%(基本分) – 所得税の税率)

※ふるさと納税額の上限は総所得金額等の40%(詳しくは総務省のページをご覧ください)

また、自治体によっては、寄付額に応じて地域特産品などの返礼品が贈られるため、二重にお得になるのもメリットです。

14つ目のより深い節税対策: 法人化の検討

個人事業主よりも法人になった方が節税できる場合があります。

その理由としては、法人の場合には、法人税法人事業税などにおいて特別な税制が適用されるためです。

法人税も個人の所得税と同様に所得金額に対して課税されますが、個人の所得税が累進課税であるのに対し、法人税は以下の表のように一定の範囲内であれば所得金額にかかわらず一定の税率で課税されるため、所得が大きくなると比較的低い税率で済む場合があります。

課税対象金額 税率(資本金1億以下の普通法人)
0円〜800万円以下 15%
800万円超 23.2%

法人は個人事業主より経費の範囲が広く、役員報酬や福利厚生費なども経費にでき節税の余地が増える可能性があります。

また、法人と比較して個人事業主の場合には、減価償却費を計上できる資産の種類が限られる場合があります。

例えば自宅を事業用に利用している場合には自宅の一部を事業用資産として取り扱いできますが、個人事業主が自宅を購入した場合には、土地の減価償却費は計上できません。

ただし、法人化には設立費用や、会計や税務の専門家への相談費用などがかかるため、法人になったからといって必ずしも費用を抑えられるとは限りません。

また、法人化によって事業の拡大や信頼性の向上などのメリットがある場合は、節税だけを目的に法人化するよりも、より総合的な観点で判断することが大切です。

2023年提出(令和4年分)の確定申告変更情報

<2023年(令和4年)の変更点一覧>

確定申告書Aは使用されなくなり、すべて確定申告書Bのフォーマットに統一されます。 (正式タイトル:令和 年度の所得税および復興特別所得税申告書) サイドビジネスの利益を「事業所得」として報告する際、帳簿や請求書の保管が基本的に求められます。(情報提供元: 国税庁) 住宅ローンの税額控除の期間が4年伸ばされ、2025年の終わりまでに新居への移住者が該当します。

引用:令和4年分 確定申告特集

まとめ

  1. 個人事業主が納める税金は所得税・消費税・住民税・個人事業税の4種類
  2. 節税対策はできるだけ経費を計上すること
  3. 青色申告を行うと節税効果が上がる場合がある
  4. 保険・共済・idecoなどの掛け金も経費にできるので加入を検討するべき
  5. 所得額が大きくなったら節税のためにも法人化を検討しよう

個人事業主の節税対策には色々あります。

しかし費用をできるだけ計上するのと同時に、特に保険などで不要な出費をして本末転倒にならないように気を付ける必要があるでしょう。

また、事業が大きくなった場合の法人化のタイミングの見極めも重要です。

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