人間関係のせいで仕事がつらく、困っている人は少なくありません。
職場の対人関係が原因で業務に支障が出ると、出勤することすらストレスに感じてしまいそうです。
この記事では、職場の人間関係でストレスを感じる原因と対処方法を解説します。
職場の人にストレスを感じている人のデータ
厚生労働省が発表した令和3年労働安全衛生調査によると、職場の人間関係が強いストレスになっている人の割合は25.7%でした。
これは第1位の仕事の量43.2%、仕事の質33.6%に次いで3番目です。
対人関係に悩む割合を雇用形態別に調べると、最も多いのがパートタイム労働者の36.0%でした。
その次に正社員24.8%、派遣労働者20.0%、契約社員18.4%と続き、雇用期間の定めのない就業形態でストレスが高まりやすい傾向が読み取れます。
参考:厚生労働省 令和3年「労働安全衛生調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r03-46-50_gaikyo.pdf
ストレスを感じる要因
職場の人間関係でストレスを感じることには、特有の理由があります。
とくに仕事での対人関係は、相手の態度や物言いから問題が起きがちです。
ここでは、職場の人間関係でストレスを感じる代表的な要因を5つ解説します。
我慢した
自分の本音を我慢せざるを得ず、ストレスを感じてしまうのが理由のひとつです。
職場では仕事を円滑に進めるため、言いたいことを飲み込む場面が少なくありません。
感情を隠して業務を続けても相手には伝わらないままなので、ますます不満が溜まってしまいます。
我慢のしすぎはよくないので、言葉に角が立たないように相手を労いつつ本音を話すべきでしょう。
叱責された
上司などに自分の失敗についてきつく非難されると、ストレスを感じやすいものです。
ミスを必要以上に咎められると、自省よりもみじめな感情の方が大きくなってしまいます。
指摘への反省は大事なことですが、叱り方が適切でないとやる気が削がれる原因になりやすいです。
上司より上の立場の人に相談して指導を仰ぐことも、ストレス解消の手段のひとつといえるでしょう。
説明や指示が曖昧だった
業務の説明が曖昧なときに、ストレスを感じる人も多いようです。
要点の掴めない雑な指示では何をしたらいいかわからず、思うように仕事が進みません。
説明の曖昧さが原因でミスしても確認しなかった自分のせいにされて、ますますストレスを感じがちです。
疑問に感じる部分は、指示を受けた時点で質問するように心がけるとトラブルが減るでしょう。
言葉遣いや態度が悪い
相手の言葉遣いや態度が悪いと、ストレスを感じるケースが多いです。
高圧的な振る舞いやきつい物言いを受けると、攻撃された気分になってしまいます。
精神的につらくなり、最悪の場合メンタルの病気を発症するケースも少なくありません。
相手の出勤日を避けて働いたり、リモートワークに切り替えたり、直接対面しないように心がけることが大切です。
仕事に対してのモチベーションの低さ
相手の仕事に対するモチベーションが低いと、ストレスを感じる人もいるようです。
やる気のない人と働くと、相手の分まで業務をすることになり、負担がのしかかってきます。
とくに相手が上司である場合、自分より高い給料をもらっているのにと、やる気が削がれる人もいるでしょう。
信頼できる上司に相談して、然るべき対応をとってもらうことが有効です。
ストレスが仕事や体に及ぼす影響
ストレスを長期的に受け続けると、心身に悪影響を及ぼしかねません。
体の不調に繋がる前に、トラブルに対処するよう心がけましょう。
ここでは、ストレスが仕事や体に及ぼす影響を解説します。
精神的な影響
精神的な影響としてうつ症状や不安、集中力の低下が挙げられます。
何をしても楽しくなかったり仕事の意欲が湧き出なかったり、心境の変化はメンタル不調のサインです。
精神的な症状があるにもかかわらず働き続けていても、集中力の低下により仕事が思うようにはかどりません。
症状が重くなると日常生活にも支障をきたすので、思いあたる場合は早めにメンタルクリニックを受診しましょう。
身体的な影響
身体的な影響として頭痛や腹痛、不眠、食欲不振などが挙げられます。
ストレスを受けることで体のコントロールの役割を果たす、自律神経が正常に機能しなくなる人もいるようです。
一見重そうに感じられない症状ですが、長期的に続くと朝起きれなかったり、集中力が低下したり、社会人生活に影響を及ぼします。
よくある一時的な体調不良とは異なり、なかなか治らない場合はストレスを疑うことも必要でしょう。
行動の問題
行動の問題として、アルコール・ギャンブル・買い物依存・暴力などが挙げられます。
落ち込んだ気分をどうにか発散しようという気持ちが働き、特定の行動をやめられなくなるようです。
行動の問題は、自分だけでなく他人にも影響が及ぶため、大切な人間関係の破綻にも繋がりかねません。
徐々に自分の意思では止められなくなるので、通院での根気強い治療が必要といえるでしょう。
仕事での人間関係のストレスを改善する方法
仕事での人間関係を乗り切るには、自らが行動を起こすことが得策です。
自分がストレスを感じる理由を理解し、適切な方法を講じるべきでしょう。
ここでは、職場での人間関係ストレスへの対処方法を解説します。
自分の考え方を変える
人間には考え方の癖があり、対人関係でストレスを感じやすいようです。
不満を感じやすい人は、仕事が終わってからも嫌な相手について考えてしまいがちなのでしょう。
基本的に職場での人間関係は限定的で、私生活には関係ないケースがほとんどです。
仕事中に起こったトラブルは割り切り、家に帰ったら好きなことでストレス発散するように心がけると身も心も軽くなります。
自分の行動を変える
ストレスを感じないように、自分の行動を変えるという方法です。
不満の原因である人物とは、自分か相手が退職しない限り継続的に職場で顔を合わせることになります。
自らの働き方を見直し、ストレスを受けないように工夫することが得策です。
なるべく接触しないように仕事をしたり、トラブルが起きる前に先回りしたりという対策が必要でしょう。
環境を変える
職場環境を変えて、ストレッサーから離れるという方法です。
不満のもとを根源から断ち切ることで、あれこれ思い悩む必要がなくなります。
相手から物理的に距離をとることは、最もシンプルかつ確実にストレスを解消できる方法です。
おもに部署異動や転職のどちらかを選ぶことになるので、希望する際は前もって計画を立てましょう。
人とかかわらない働き方
人とかかわらずに働く手段を選び、トラブルを回避するという方法です。
どのような職場でも人間関係でストレスを受けてしまう人には、一人でできる仕事を選ぶことが得策といえます。
リモートワークが可能な職場を選べば、対人関係でのトラブル回避が可能です。
テレワーク出勤のできる会社や、フリーランスとして自宅で稼ぐ方法が考えられます。
まとめ
この記事では、仕事の人間関係でストレスを感じている人向けに以下のようにまとめました。
- 職場の人間関係にストレスを感じる人は2割以上いる
- とくにパートタイム労働者は対人関係の不満を抱えやすい
- 職場特有の、不満になりやすい状況が存在する
- ストレスを受け続けると心身の不調に繋がる
- 人間関係での不満は自ら行動を起こすことで乗り切る
仕事での人間関係に対処するには、相手の心境の変化を期待するのではなく、自らを変えていくことが得策です。
ストレスを受ける理由は人によってさまざまなので、自分がどのようなタイプなのかを捉える必要があります。
問題別の対処法を講じ、今よりも快適に働けるように工夫していきましょう。