ふとしたときに仕事の重大なミスに気づき、生きた心地がしない経験は誰にでもあるでしょう。
ベテランでも新人でも、ミスが続いてしまうと落ち込みます。
しかし、落ち込んだままだとミスが続いてしまいかねないため、上手に気持ちを切り替える必要があります。
この記事では仕事でミスが続いたときに考えられる原因と予防策、気持ちを切り替える方法について解説するのでお読みください。
仕事でミスが多い人の特徴
仕事でミスが続く原因がわからないときは、周りでミスが多い人を思い返すとヒントが見つかるかもしれません。
まずは仕事でミスが多い人に一般的に見られる特徴について解説します。
自己判断で行動してしまう
自己判断での行動はミスを引き起こす一因です。
特に慣れない仕事は全体像もよくつかめていないため、適切な情報や指示を得ないまま行動すると、間違った判断をしてしまう可能性が高まります。
しかし「まだ仕事を覚えていないのかと思われたくない」「忙しい相手に質問するのが怖い」など、つい質問をためらって自己判断で進めてしまい、あとから怒られるのは誰しも一度は経験しているのではないでしょうか。
他人のせいにする
ミスをしたときに再発を防ぐためには、自分でミスを認めて原因から対策を立てたり気をつけたりする必要があります。
しかし「説明がわかりにくいのが悪い」「忙しくてついうっかり」などとミスを他人や状況のせいにしていると、反省がないためすぐ忘れてしまい、結果的に何度もミスを繰り返すことになります。
メモを取る習慣がない
「ちょっとの間くらい覚えておける」とメモを取らないでいると、途中に違う仕事が入ったり、指示が重なると前の指示ややるべきことを忘れてしまいがちです。
また作業の手順なども「それほど難しくもないし大丈夫」とメモを取らないと、仕事の日が空いたときに忘れたり手順を飛ばしたりして結果的にミスが増えてしまいます。
語尾があいまい
語尾のあいまいさは仕事への自信のなさの表れです。
作業について完全に理解していないまま進めていると、ミスが出やすくなってしまいます。
自信がない人は、ほかの人に聞くのも気後れしてしまうため、わからなくても今更聞けない状態に陥りがちです。
落ち込みやすい
人から言われたことが気になりやすかったり、自信が持てなかったりする性格のため、ミスによって必要以上に落ち込んでしまう人もいます。
必要以上に気持ちが落ち込んでしまうと委縮してしまい、思ったように動けず、余計にミスをしてしまう悪循環になるケースも起こりがちです。
仕事でミスしたときの対処法
仕事でミスをしたら、誰にも見つからないうちに、できるだけ早く自分で何とかしておおごとにしたくないと考えるのではないでしょうか。
しかし、自分だけでうまいことなんとかしようとすると、かえって事態が悪化しがちです。
ここでは仕事でミスしたときの適切な対処法について見てみましょう。
ミスの内容をすぐに報告する
ミスをしたときにやってはいけないのが、報告が怖くて隠すことです。
ミスを隠しているうちにリカバリーの機会を失うだけでなく、ミスが明るみになったときに「なぜ黙っていたのか」と周囲の態度が一層悪化してしまいます。
ミスをしたら「言わないほうが大変なことになる」と思い切って、すぐに先輩や上司に報告しましょう。報告が早ければ問題を解決できる可能性も上がります。
対応方法の指示を受けてから行動する
ミスを自分で何とかしようとしてより事態が悪化してしまうと、ますます言い出せなくなってしまうだけでなく、被害も大きくなってしまいます。
先輩や上司は自分より的確な解決法を持っている可能性が高いです。
ミスをしたら自分で何とかしようとせず、まずは上の立場の人に自分が取るべき対応方法の指示を受けましょう。
迷惑をかけた相手に謝罪する
自分のミスにより、直接フォローにあたってくれた人はもちろん、間接的に迷惑をかけてしまった人もいます。
ミスによって迷惑をかけた相手や、迷惑をかけてしまったかもしれない相手には事態が落ち着き次第、速やかに謝罪しましょう。
同じミスでも、謝罪があるとないとでは周囲の印象はまるで違います。
仕事でのミスを未然に防ぐ方法
ミスを未然に防ぐには、今までなんとなくやっていた作業を見直す必要があるかもしれません。
次に、仕事でのミスを防ぐための方法について解説します。
疑問点は必ず聞く
ミスをフォローする側からしたら、「なんでやる前に聞いてくれなかったのか」と思うでしょう。
仕事でのミスの程度によっては、ちょっとした自己判断での行動がのちに大損害を引き起こす可能性もあります。
「いつもこうだから今回もこうだろう」や、「自分はこうした方がいいと思った」などと自己判断せず、迷ったらほかの人に質問するようにしましょう。
作業を分担する
ミスが起きやすい状況の一つに「忙しさ」があります。
作業を分担して一人あたりの作業量を少なくすれば、落ち着いて作業ができ、その結果ミスが起こりにくくなります。
また一つの作業に複数人が関わることで、お互いのミスに気がつきやすくなり、ミスが未然に防げます。
責任感を持って取り組む
気の持ちようで完全にミスが防げるわけではありません。
しかし、業務に対して責任感を持ち、「間違いがないようにしよう」と丁寧に作業をおこなえばミスの発生頻度は下がります。
ダブルチェックをする
人がおこなう作業である以上、ミスを0にするのは不可能です。
可能な限りダブルチェックをおこない、複数人の目で見ればミスの見逃しが防げます。
人員の都合で複数人でチェックできないときは、自分だけでも少し時間をおいて複数回チェックをしたり、画面でチェック+印刷した紙などチェック方法を変えたりする方法もミスの軽減に効果的です。
しっかりと休養をとる
疲れていたり寝不足だったりすると、集中力や判断力が下がりミスが起こりやすくなってしまいます。
仕事でのミスを未然に防ぐためには、十分な睡眠や定期的な休憩が必要です。
休養だけでなく、ストレスを解消する方法を見つけて健康な心身を保つのもミス防止対策のひとつです。
ミスで落ち込んだあとに切り替える方法
ミスをしても反省しないのは論外ですが、いつまでも必要以上に落ち込んでいても無駄なばかりか緊張や不安からまたミスをしてしまう悪循環になってしまいます。
ミスで落ち込んだあとには、以下で紹介する考え方や方法で気持ちを切り替えましょう。
ミスは誰にでもあると考える
人によって多いか少ないかはあっても、ミスをしたことがない人はいないでしょう。
「誰にでもミスはある」と考えると、必要以上に落ち込んだり責めたりしなくて済みます。
また、ミスをするのが当たり前と考えると、ただ落ち込むだけでなく「どうしたらミスが未然に防げるか」と建設的な解決策を考えられるようになります。
信頼できる人に相談する
ミスで落ち込んだときには、信頼できる上司や同僚、友人に相談しましょう。
相談すれば気持ちが楽になるだけでなく、新たな視点や解決策が得られるかもしれません。
有効なアドバイスを受けられれば、「次こそは気をつけよう」「あそこを改善したらいいかもしれない」と次回は同じミスをしないことに気持ちが切り替わります。
リフレッシュする
ミスによって落ち込んだときは気分転換をしましょう。
仕事から離れて趣味に没頭したり、散歩や運動したりして頭のなかをいったん違うことでいっぱいにすると気分転換ができておすすめです。
心身ともにリラックスした状態になれば、次の仕事に向けて前向きな気持ちを取り戻せるでしょう。
まとめ
- 自己判断でミスする人は疑問点を事前に聞こう
- ミスを「〜のせい」と言う癖のある人は、責任感を持って作業してみよう
- ミスを防ぐためには休養や気分転換も必要
- メモ、複数人での分担、ダブルチェックもミス防止に有効
- ミスは誰にでも起きるので、必要以上には落ち込まず気持ちを切り替えよう
ミスが多いと職場での居心地が悪くなるだけでなく、重要な仕事が回ってこなくなり昇格・昇給のチャンスも失われてしまう可能性があります。
「ミスが多い人」のレッテルを周りに貼られてしまう前に、対策を立ててミスをなるべく防ぐようにしましょう。
よくある質問
最後に、ミスが気になる人が疑問に思う点について簡単にまとめました。
仕事でやらかしたときはどうすればいい?
まずはいったん冷静になり、上の立場の人に速やかに報告しましょう。
必要な指示を受けたら対処し、状況が落ち着いたらすぐに迷惑をかけた人たちに謝罪もしておきましょう。
ミスをしたあとは原因を分析して同じミスを繰り返さないための改善策を考えましょう。
「気をつける」などの意識も大事ですが、ミスが起こりにくい・ミスが起こったらすぐ気づくような仕組みを作れないか考えてみるとよいでしょう。
仕事でミスをして怒られたときはどうすべき?
怒りや不満を感じても感情的にならず、なるべく冷静に受け止めて謝罪しましょう。
同時に自分に原因があった部分については事実を受け止め、ミスを再発させないための対策を考えましょう。
相手が怒りに任せて理不尽な部分まで叱責をしてきたような場合には、必要以上に気にしたり落ち込んだりする必要はありません。
あくまで自分がミスを起こした事実と原因だけを客観的に受け止めて、次回以降のミス防止に活かしましょう。
仕事でミスをしたらクビになる?
仕事でミスをしたからといって、一度のミスですぐクビになることは通常ではまず考えられません。
ただし重大なミスや繰り返しのミスなど、業務遂行に大きな影響を与える場合には解雇の対象となる可能性もあるでしょう。
クビにならなくても、あまりに何度もミスを繰り返すようだと周囲の態度が悪くなり、結果的に居づらくなって辞めざるを得なくなる可能性があります。
過剰な心配は不要ですが、ミスを学習し改善していることを示す必要があるでしょう。
ミスが多い人に向いている仕事は?
「処理が単純なもの」「フォロー体制がある仕事」「フリーランス」の3つです。
ミスが起きやすい仕事は処理が複雑なケースが多く、工程がシンプルでイレギュラーの少ない仕事だとミスが起こりにくくなります。
また、別の考え方としてミスが起きてもフォローしてもらいやすい複数で共同作業をするような仕事や、書類をチェックしてくれる人がいる営業職などもおすすめです。
意外なところでは、ミスが起きても自分でリカバリーするしかない代わりに他人に迷惑をかけにくいフリーランスもミスが多い人に比較的向いています。