「副業の収入は事業所得になるの?」
「事業所得になることでどのようなメリットがあるの?」
「副業の収入が事業所得になることで得られるメリットは?」
副業をしている方の中にはこのような悩みを抱えてる方も多いのではないでしょうか?
当記事では、副業収入が事業所得になるための条件やメリットなどを詳しく解説いたします。
事業所得とは
まずは事業所得について解説いたします。
事業所得とは卸売業、小売業、農業、サービス業といった事業から生ずる所得のことをいいます。
なお、不動産貸付や山林所得、譲渡所得に該当する所得は除きます。
では、上記に該当する職種で副業をしている場合、事業所得として認められるのでしょうか。
副業の収入が事業所得として認められる条件
結論から言いますと、条件を満たせば副業も事業所得として認められます。
その条件は以下の通りです。
事業所得に該当する条件として
- 継続した安定収入
- 本業と同等の労力、時間をかけている
- 自己判断により、リスクを負って業務を遂行していること
- 社会通念上、職業として認知されていること
があります。
当初は「300万円以下の副収入は雑所得とする」といった通達が国税庁から出されましたが、厳しすぎるとの意見公募が多数あり見直されることとなりました。
それによると、収入金額が300万円以下であっても、記帳、帳簿書類の保存がされていれば、概ね事業所得として認めるというものでした。
しかし、事業所得に該当するには、職業として認知されていなければなりません。
そのため、以下2点に該当する場合は事業所得として認められない場合があります。
- 副業収入が概ね3年間、300万円以下で主たる収入の10%未満である。
- 3年ほど赤字かつ、その赤字を解消する取り組みをせず、活動に営利性が認められない。
以上のような場合は、事業性を認めるかどうか個別に判断されます。
副業の収入を事業所得とするメリット
副業収入を事業所得とすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、さまざまなメリットを紹介していきます。
青色申告特別控除を活用できる
青色申告で確定申告することで得られる最大のメリットといえば、最高65万円の青色申告特別控除を受けられることです。
必要書類は
- 青色申告決算書
- 記帳に基づき作成した貸借対照表および損益計算書
の2つが必要です。
また、最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、従来の要件(複式簿記、損益計算書と賃借対照表の添付及び期限内申告)に加えて、e-Taxを利用した確定申告書の提出、もしくは電子帳簿保存が必要です。
従来の用件で郵送や窓口から提出してしまうと、55万円控除となってしまうので注意しましょう。
青色申告事業専従者を活用できる
青色申告事業専従者を活用すれば、配偶者や親族へ支払った「青色事業専従者給与」を経費として所得から控除できます。
上限金額が決められていないため、事業に携わっている配偶者や親族に妥当性のある報酬を支払うことが可能になります。
純損失の繰越しと繰戻しができる
青色申告をしている個人事業主であれば、事業で出した赤字の損失額を翌年から最長3年間まで繰越し相殺することができる「純損失の繰り越し控除」という制度があります。
また、「繰戻し還付」という前年の所得から繰り戻して控除し、所得税の還付を受けることができる制度もあります。
繰戻し還付の申請には、確定申告書に加え「純損失の繰戻しによる所得税の還付請求書」の提出が必要となります。
この申請書は国税庁Webサイトよりダウンロードが可能です。
損益通算できる
利益と損失を相殺することを損益通算といいます。
副業収入が赤字だった場合に、給与所得などの異なる区分の所得から損失金額を控除することができます。
収入を事業所得にできるおすすめ副業7選
ここまでの説明で、副業を事業所得にできることは理解していただけたと思います。
ここからは事業所得にできるおすすめの副業を紹介します。
安定的に収入を得られることが事業所得への条件でもありますので、本業と両立できる副業を選んでみてください。
webライター
文章を書くライティングの仕事も副業としておすすめです。
Webで情報を発信する媒体で記事を書く「Webライター」は最も始めやすく、需要の多い仕事です。
そのため継続した収入が期待できます。
未経験から始めることができますが、最初の頃は単価が安いのでライティングの勉強を重ねて、経験とともに単価を上げていく必要があります。
動画編集
動画編集というととてもハードルが高く感じるかもしれませんが、近年はYouTubeの編集作業のような比較的簡単な作業から副業として始める人が増えています。
当然、難易度の高い編集作業は存在しますし、そういったお仕事はそれなりに単価も高くなっています。
Webライター同様、経験を積むことで、単価の高い仕事を受注できるでしょう。
データ入力
データ入力とは、紙やPDFファイルなどに記録されているデータや音声記録などを指定されたフォーマットに入力していく作業です。
入力するフォーマットは、Excelやグーグルドキュメント上に作成されていることが多い傾向にあります。
パソコンでの文字入力をある程度こなすことができれば、誰でも始められる低リスクの副業です。
報酬はそれほど高くありませんが、好きな時間に在宅で仕事をすることが可能であり、時間に制約がある方などにはおすすめの副業です。
スキル販売
個人の持つ「スキル・特技」を売るという形の副業も、とても人気が高くなっています。
仕事や趣味で培ったスキルを、商品として販売できます。
スキルを販売するサイトに登録することで、仕事を受注することが可能です。
例えば語学やITスキル、マナーなどさまざまなスキルが副業になるのです。
スキル販売であれば、新しいことを一から勉強しなくても十分に副業として成り立ちますので、なにか得意分野のある方にはおすすめの副業です。
家事代行
依頼先に赴き、食事や掃除などの家事を代行するサービスです。
家事代行は直接依頼先に出向く必要があるため、多少時間に余裕のある人向けです。
しかし、共働き夫婦や高齢者世帯が増加していることもあり、需要は非常に高くなっています。
仕事は、家事代行マッチングサービスに登録することで見つけることができます。
フードデリバリー
副業としてフードデリバリーをしている人が近年多くなっています。
フードデリバリーが選ばれる理由は、いつでも好きな時に働けることです。
アルバイトと違い、事前にシフトを決めなくても当日の都合で稼働するか決めることができるので、本業と調整しながら働くことができます。
また、即金性も魅力です。
週払いが基本ですが、即時振り込みを採用しているところもあります。
アフィリエイト
アフィリエイトとは、自身のブログに広告を貼り、その商品やサービスが購入されると広告主より報酬が支払われるシステムのことです。
最大の魅力は、時折メンテナンスをしておくだけで、放置しておいても報酬が発生する点です。
そのためには、ブログを軌道に乗せる必要があります。
成功すれば大きな収入を得ることもでき、本業として活動する人もいるほどです。
ただし、完全な成果報酬なので、いくらブログに記事を書いてもそこから購入されることがなければ収入にはなりません。
まとめ
収入を事業所得にする方法を解説してきました。
本記事のまとめを、以下に挙げてみました。
- 事業所得とは卸売業、小売業、農業、サービス業などの事業で得た所得のことである
- 安定収入など条件をクリアすれば、副業収入は事業所得として認められる
- 副業収入を、事業所得とすることでさまざまなメリットを受けることができる
- 新しいことだけでなく、今あるスキルも十分に活用できる可能性がある
- 本業と両立しながら事業所得として認められる必要があるため、長期的に続けていける副業を選ぶ
以上のように、せっかく副業をするなら事業所得にすることで、今回ご紹介したメリットを活用することをおすすめします。