組織で働く50代の中には、これまでのビジネス経験やスキル・人脈を活かし。独立して起業したいと考える人もいるのではないでしょうか。
また、コロナ渦の在宅勤務を経験して、「通勤するのが面倒になった」、「周囲を気にせず自宅で働きたくなった」という人もいるでしょう。
果たして50代でも独立を目指せるのでしょうか。
独立を躊躇している人のために、本記事では、50代からでも独立を目指せる理由や仕事を成功させるコツを解説・紹介します。
50代からでも独立を目指せる理由
会社員として勤め続けるモチベーションが低くなってしまったり、定年までこのままでいいのか、50代の今だからこそ独立を決断すべきではないのかと、考えている人もいるでしょう。
しかし、独立して失敗したらどうしようかと、躊躇してしまう人もいるようです。
50代からでも独立を目指せる理由は何なのでしょうか。
資金面で余裕がある
50代は比較的、資金に余裕が出てくる世代と言えます。
子どもがいる場合でも、子どもの独立によって教育費の負担がなくなっていることが多い世代です。住宅ローンが残っていても、支払いのゴールがみえてくる頃ではないでしょうか。
また、早期退職制度がある会社で働いている人は、利用すれば退職金にプラスの金額が貰えるでしょう。
こういった条件が揃っている人は一部のみかもしれませんが、若い世代と比較すると、資金に余裕があると考えられます。
もし以前よりも資金に余裕があれば、起業を検討しやすい時期になったと考えてもよいでしょう。
これまで培った知識や経験を活かせる
50代が独立におすすめの理由として言えるのは、これまでに培った豊富な知識や経験があり、それを活かせることが挙げられます。
50代は、会社である程度のポジションを任されており、仕事に対して自信も持っている人が多いはずです。
厚生労働省の就労条件総合調査(平成23年)によると、一律定年制度を定めている企業のうち82.2%が定年を60歳までとしています。
脱サラして独立・起業すれば、60歳を超えても、体力次第で知識と経験を活かしながら自分のペースで働けます。
すでに人脈がある
50代の人は、ほとんどの人が社会人経験30年以上ではないでしょうか。
車内の同僚や部下、取引先のように仕事で関わってきた人が、かなりいるという人も多いでしょう。
その人脈を活かして独立・起業するのもよいでしょう。
50代では遅いと諦める人もいるようですが、これまでの経験が武器になるかもしれません。
50代から独立できるおすすめの仕事5選
次に、50代から独立できるおすすめの仕事を紹介します。
人材紹介業
人材紹介業のおすすめポイントは、低リスクで起業できるところです。
とくに広いスペースは必要なく、求職者の情報を保持できれば、特別な設備がなくても仕事を始められます。
これまでに培ってきた人脈を活かせる場合もあり、深い付き合いのある企業が多いほど、求職者に詳しい情報を提供できるでしょう。
リペア業
リペア業は、革やアルミのような素材の補修と修理を行います。
おすすめの理由は必要な物が塗料など、消耗品がほとんどで利益率が高いからです。
加えて在庫をかかえる必要がなく、力仕事が少なくシニアや女性も活躍できます。
1人から起業可能なので、自分のライフスタイルに合わせて働けるのが魅力と言えるでしょう。
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングを起業する方法には、個人とフランチャイズがあります。
個人の場合は、一から開業する方法です。
とくに、定年後も働きたいという、50代から動き出す人が多い仕事です。
自宅教室
自分の経験や資格を活かしながら、自宅で教室を開くのも50代が独立するのにおすすめの方法です。
自宅を開放してもよいですが、オンラインで始められるところも魅力と言えるでしょう。
コンサルタント
コンサルタントは、場所や時間に縛られず、柔軟に働くことができます。
とくにIT業界ではコンサルタントを求める声が大きく、ITの活用方針を策定したり、プロジェクトを円滑にするマネジメントを行ったり、活躍シーンの幅が広い仕事です。
50代が活用できる独立支援制度
次に、50代が活用できる独立支援制度を解説します。
シニアアドバイザーセンター
シニアアドバイザーセンターは、全国の商工会議所などに設けられています。
一線を退いた退職者がシニアアドバイザーとして登録し、これまでに培ってきた知識や経験を地元の中小企業に助言・指導する制度です。
(参考:伊丹市立産業振興センター|伊丹産業振興シニアアドバイザー)
経営革新等支援機関
経営革新等支援機関とは、専門的知識を有しており、税理士や公認会計士、弁護士のように一定の実務経験を持つ支援機関です。国が審査し、認定しています。
経営革新等支援機関からの支援を受けることで、補助金や税制優遇の申請を行うことができます。
都道府県等中小企業支援センター
都道府県等中小企業支援センターとは、中小企業支援法に基づいて指定された法人です。
特徴は、中小企業や規模事業者が抱える、経営上の課題や資金調達のような相談に応じてくれるところです。
よろず支援拠点
独立を考えている人の中には、経営者にアドバイスをお願いしたい人もいるでしょう。
しかし、忙しい人に時間を割いてもらうのは……と躊躇する人もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが、無料でアドバイスを受けられる、よろず支援拠点です。
よろず支援拠点は中小企業や小規模事業者に対して経営相談を行う機関で、全国各地に支援拠点があり、誰でも利用できます。
50代からの独立を成功させるコツ
最後に、50代からの独立を成功させるコツを解説します。
アドバイスを柔軟に取り入れる
いろいろな人達のアドバイスを柔軟に取り入れることが、50代からの独立を成功させるコツのひとつです。
自分の経験にこだわりすぎず、幅広く情報を収集しましょう。
健康管理に気を配る
独立すると定期的な健康診断を受ける機会がなくなってしまう人が多いようです。
忙しいのはもちろん、会社からの働きかけがないため、後回しにしがちなのでしょう。
無理をして体調を崩してしまっては元も子もありません。
意識して健康管理に気を配り、最低でも1年に1度は健康診断に行くようにしましょう。
事業性を確認する
新規事業は、なんとなくで進めていくと失敗しやすいです。
利益がなければ事業を存続する大義はないため、 利益が上がっているかを確認しましょう。
新規事業の立ち上げ後、数年経っても無駄なコストが多過ぎるようでは、そのままその事業を自力で成功させていくのは難しいと考えられます。
こまめに事業性を確認し、改善を繰り返すようにしましょう。
フランチャイズを活用する
フランチャイズに加盟するメリットは、個人で起業するより成功確率が高いことが考えられます。
それは既に成功済みのビジネスモデルを販売しているので、ゼロから試行錯誤する必要がないからです。
人によっては事業がうまく軌道にのらないこともありますが、フランチャイズ本部に相談したり指導を受けたりできるのがメリットと言えるでしょう。
まとめ
- 50代から独立を目指せるのは人脈があって資金面で余裕があるから
- 50代から独立できるおすすめの仕事は人材紹介業やリペア業など
- 50代が活用できる独立支援制度がある
- 50代からの独立を成功させるコツは、健康管理と事業性の確認とフランチャイズの活用
50代からでも独立は可能ですが、成功するポイントを理解して職種を選ぶべきでしょう。