人生で長い時間を費やす仕事を「つまらない」「やる気が出ない」とだらだら続けていませんか?
楽しくない仕事を続けていると、思わぬデメリットがあるかもしれません。
この記事では、仕事が楽しいと思えない理由や具体的な対処法について解説します。
「仕事が楽しくないから辞めたい」と考えている人は、今の職場で改善すべきか、転職すべきかの参考にしてください。
仕事が楽しくないのは当たり前?
「仕事が楽しくないんだよね」と人に相談したとき、「仕事なんだから楽しくないのは当たり前だろう」と言われることもあるのではないでしょうか。
たしかに学生時代などのアルバイトのように、責任も比較的少なく周囲の仕事仲間はほとんど友人に近い状態で働いているときの「楽しさ」を社会人になって得られることは少ないでしょう。
仕事には年数を重ねるほど難しさや責任がともない、単純に「楽しい」とは言い切れない部分が大きくなってきます。
しかし、仕事上の苦労や工夫がうまくいき成果を上げたときや仕事を通じて自分の成長を感じたとき、同僚と協力して繫忙期を乗り越えたときなど、社会人になってからは違った楽しさがあるはずです。
仕事は人生の一部であり、自分の価値観や目標に合い、大変ななかにも楽しみや意義を感じられる仕事を見つけることが理想です。
仕事が楽しくないと感じる理由
漫然と「仕事が楽しくない」と思っているなら、まずはなぜ今の仕事が楽しくないのかについて考えてみましょう。
やりがいを感じない
仕事をする大きな目的はお金のためですが、大富豪でも仕事を続ける人がいるように「意義」や「やりがい」も重要です。
自分の仕事が社会全体や困っている人、商品やサービスを求めている人の喜びや助けになるという意義があれば、達成感やモチベーションにもつながります。
また仕事を通じ自分のスキルや知識、経験を活かして成果を上げられれば、大きな喜びややりがいを感じるのではないでしょうか。
逆にいうと、「この仕事誰かの役に立っているのかな」「この仕事は自分でなくても誰でもできそう」などと思うようなやりがいがない仕事を続けていると、楽しくないと感じるでしょう。
仕事内容が合っていない
「自分の好きなことや商品に関われている」「今の仕事は自分の適性に合っている」と思える仕事は、多少大変なときがあっても頑張れます。
しかし仕事の業種や商品、業務内容が自分の興味や適性と合っていないと楽しさを感じる場面は少ないでしょう。
一度「仕事が合っていない」と感じると、合わないところや不満に目がいきやすくなってしまい、一層「楽しくない」と思うようになります。
人間関係が悪い
会社では、上司や取引先のちょっとした愚痴を言い合ったり、仕事の話題ついでに雑談したりする時間の積み重ねが仕事の息抜きや同僚との連帯感につながるのではないでしょうか。
人間関係が良ければ仕事の連携も取りやすく、お互いに配慮しながら快適に働けます。
しかし「気難しい上司の一挙手一投足を常に伺っている」「不慣れな新人に悪い態度を取る人がいる」などの状況が日常的にあるような、人間関係が悪い職場では仕事が楽しくなくなるのは当然です。
待遇面で不満がある
仕事の大きなモチベーションとなるのは、やはり給料です。
給料が低いだけでなく、休憩の少ない長時間労働や自由に休日を取れないような労働環境が悪い職場では、「給料に対して割に合わない」と意欲の低下につながります。
「自分の働きや苦労に対して待遇が見合っていない」と思えば、日々不満を抱えながら仕事をするため「楽しい」とはなかなか思えないでしょう。
頑張っても評価されない
人がモチベーションを失くす状況としてよくあるのが「努力が報われなかった」と感じたときです。
「いくら頑張っても給料が上がらないし昇格もしない」「何か改善をしようとしても保守的な上司たちに反対される」など、「自分が頑張っても無駄なんだ」と思えば仕事への意欲が出るわけもありません。
「頑張っても無駄」という考えが職場全体に広がると、楽しいとはいいがたい職場環境となるでしょう。
仕事が楽しくない状況が続くデメリット
「仕事が楽しくないだけで退職を考えるのは甘えなのか?」と悩んでいるかも知れません。
しかし楽しくない仕事を続けていることにはさまざまなデメリットがあります。
成長できない
仕事が楽しいと思えば、「もっと成長したい」「もっと役に立ちたい」と新しいスキルや知識を身につける意欲が自然と湧いてきます。
しかし、楽しいと思えない仕事のために頑張ろうと向上心を持てる人は多くないでしょう。
意欲が湧きにくいような仕事を続けていると成長の機会まで失われてしまい、キャリアアップにもつながりにくくなります。
ストレスが溜まる
毎日毎日会社に行き、何時間も楽しくない仕事をこれから先も続けると考えただけでもストレスが溜まる状況ではないでしょうか。
ストレスが溜まった状態では、ちょっとしたことでもイライラの原因となります。
さらに職場全体にストレスが溜まった人が多いと、ストレスが連鎖して職場の雰囲気が悪くなり一層ストレスが溜まる悪循環にもなります。
自己肯定感が下がる
待遇が悪かったり正当に評価されなかったりするような仕事を続けていると、だんだん「自分は今の状況に甘んじる程度の人間だ」と自己肯定感が下がる危険性もあるでしょう。
自己肯定感が下がり自己評価がマイナス方向に向かうと、自信が出ないため仕事でのチャンスや転職に挑戦する機会も失われてしまいます。
体調やメンタルに悪影響がある
楽しくない職場環境が長期間続いていると、体調やメンタルに悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスや不安が心身の不調を引き起こす可能性だけでなく、仕事のストレスを飲酒や暴食などで晴らすようなことが続くと健康面に悪影響が出る危険性も考えられるでしょう。
仕事が楽しくないと感じた場合の解決策
ひょっとしたら仕事への考え方や取り組み方を変えることで、楽しくない気持ちが改善するかもしれません。
次に、仕事が楽しくない状況を解消する方法について解説します。
将来の目標を明確にする
楽しくない仕事を惰性で続けていると、モチベーションが低下するだけでなくキャリアアップの機会を逃してしまいます。
仕事が楽しくないと感じたら、まずは将来どこでどのような仕事をしていたいか目標をイメージしてみましょう。
転職するにも今の職場でステップアップするにもスキルアップが必要です。
今の仕事を「目的」ではなく「最終目標までの過程の現在地」と考えると具体的な次の目標が見つかり、やる気につながります。
苦手な仕事への対処法を考える
今の会社に入社を決めたからには、最初は興味や楽しさを持って働いていたのではないでしょうか。
仕事内容が楽しくないと感じるなら、仕事の「どの部分」が苦手なのかを考えてみましょう。
仕事で苦手な部分に焦点を当て、アプローチを変えてみたら解決策が見つかる可能性もあります。
また、解決策を探すプロセスが業務の改善につながり、負担が減るかもしれません。
目の前の仕事に集中する
仕事が楽しくないと感じても解決策が見つからない場合には、いったん割り切って目の前の仕事に集中する方法もあります。
楽しくないと思っている仕事でも、効率アップや改善の余地を考えながら集中して取り組んだら、面白さに気づく可能性もあるでしょう。
また、目の前の仕事に集中すると仕事の成果や周囲からの評価がアップする副産物にも期待できます。
仕事が楽しくないときにやってはいけない行動
仕事が楽しくないからといって、ネガティブな行動は禁物です。
楽しくない仕事をしているときについやってしまいがちなNG行動について解説します。
仕事をサボる
仕事が楽しくなくてやる気が出ないとついだらだらと仕事をしてしまいがちです。
特に仕事が楽しくない原因が職場の待遇の悪さの場合には、「真面目に働くのがばからしい」と思い手を抜いてしまうかもしれません。
しかし、仕事をサボっていると周囲からの評価が下がり、居心地の悪さからストレスがさらに溜まる悪循環になる可能性があります。
それだけでなく、スキルアップにつながらなかったり、転職の際にアピールポイントに欠けたりするデメリットも生まれます。
周囲に愚痴を言う
楽しくない仕事について、周囲に愚痴を言うのも避けましょう。
愚痴を言うと周囲の人の感情もマイナスに引き込むうえに、自信のネガティブな感情を強化してしまいます。
愚痴を言うより、今の状況の解消に向けて前向きな行動を取るようにしましょう。
どうしても仕事が楽しくないときは働く環境を変えよう
仕事は人生の一部であり、自分の価値観や目標に合い、大変ななかにも楽しみや意義を感じられるような仕事を見つけることが理想です。
もし、さまざまな対処法を試してもどうしても仕事が楽しいと思えなかったり、どうにかしようとする意欲さえ失っているなら、転職で働く環境を変えてみてはどうでしょうか。
転職は「楽しい」と思えるような仕事に出会うための効果的な手段です。
しかし人間関係が悪い職場だと退職を言い出すのも気が重く、先延ばしにしているうちにチャンスを逃してしまうかもしれません。
もし、今の会社をスムーズに辞めるのが難しいと思っているなら、「退職代行」の利用がおすすめです。
退職代行は退職の意思伝達や退職手続きのやり取りを本人に代わっておこなってくれるため、2万円〜3万円程度の料金でストレスから解放されます。
退職代行を活用して、新たなスタートに向けて一歩を踏み出しましょう。
まとめ
- 自分の価値観や目標に合い、大変ななかにも楽しみや意義を感じられるような仕事が理想
- 「やりがい」「仕事内容」「人間関係」「待遇」「評価」が満たされていないと仕事を楽しいと感じられなくなる
- 楽しくない仕事を続けていると、心身に悪影響があるだけでなく成長の機会も失われる
- 仕事が楽しくないと感じたら「将来の目標」「苦手な仕事への対処法」を考え、目の前の仕事に集中しよう
- 仕事が楽しくなくても、サボったり周囲に愚痴を言ったりするのは避けよう
- どうしても仕事が楽しく思えないなら、退職代行を利用してストレスなく新しい環境に移るのもアリ
仕事が楽しくないときは、自分の目標ややりがいを再確認し、苦手な部分に向き合い前向きに取り組んでみましょう。
解決策を試してみても仕事が楽しめない場合には、新たな環境へのチャレンジも考えてみてはどうでしょうか。
よくある質問
最後tに、仕事が楽しくないと感じるときに気になる疑問について簡単にまとめました。
仕事が楽しくない人は何割?
程度にもよりますが仕事が「楽しくない」と感じる人がおおむね3〜4割程度いると考えられます。
25〜54歳の就労者を対象とした野村総研の調査によると、約25%の人が「今の仕事に満足していない」と答えています。
そのうち、「まったく満足していない」と回答した人が9.1%、「満足していない」と答えた人が15.6%です。
「どちらともいえない」と答えた人も32%にのぼっており、2人に1人以上はなんらかの不満があると考えられるでしょう。
仕事が楽しくなるのは何年目から?
仕事が楽しくなるタイミングは個人によって異なるため決まった年数や期間はありませんが、3年目になると楽しくなるといわれています。
その理由は、入社3年目に入ると一通りの仕事を覚えて一人立ちできるからといわれます。
仕事に自信もつき始め、上司や後輩など上下の関係が安定するのも理由のひとつでしょう。
仕事が楽しいと感じる理由は?
やりがいや充実感、自分に合った仕事内容、人間関係の良さが揃っていると仕事が楽しいと感じられるでしょう。
野村総研の同調査内では、性別や雇用形態に関わらず「仕事に満足している人ほどふだんの生活で高い幸福を感じている」とまとめています。
「プライベートが充実していれば仕事は楽しくなくてもいい」とは限らず、全体的な幸せのためには仕事も重要な要素となると考えられます。