「退職代行はやめとけと言われるのはなぜだろう?」
「退職代行を使っても大丈夫なのか不安だ」
「退職代行を使うとどのようなメリットがあるのか知りたい」
退職代行に興味はあっても、上記のような疑問や不安を持っている方も少なくありません。
退職代行とは、自分で会社に退職の意思を伝えられなかったり、上司や同僚に会うのが嫌で会社に行きたくない人の代わりに退職の手続きをしてくれるサービスです。
本記事では、退職代行はやめとけと言われる理由や、退職代行を安全に利用するための方法、退職代行を利用するメリットなどを詳しく丁寧に解説します。
退職代行を利用するか悩んでいるのなら、ぜひ最後まで読んでみてださい。
退職代行はやめとけと言われる理由
インターネット上では退職代行のメリットや成功事例が紹介されていますが、退職代行はやめとけと言われることもあります。
ではなぜ、退職代行はやめとけと言われるのでしょうか。
その理由は、主に以下のようなものがあります。
ひとつずつ詳しく説明します。
費用がかかる
退職代行は無料ではありません。
退職代行業者によって料金は異なりますが、一般的には数万円〜数十万円の費用がかかります。
また、退職代行業者によっては追加料金やキャンセル料などを請求される場合もあります。
そのため、自分で退職する場合と比べて高額な費用がかかってしまうこともあるかもしれません。
退職代行を利用すると、退職後の生活費や再就職のための資金を減らしてしまう可能性もあります。
そのため、経済的にも不利で費用対効果が低い選択となります。
同じ業界に再就職しづらくなる
退職代行を利用して今の会社を退職できても、同じ業界に再就職しづらくなる可能性があります。
退職代行を利用すると、自分の業界や職種での信用を失ったり、評価が下がってしまう可能性があります。
なぜなら、退職代行は、会社に対して非常識で無礼な行為と見なされることが多いためです。
会社は、あなたが退職代行を利用したことに対して、怒りや憤りを感じるかもしれません。
そして、そのことを同じ業界の他の会社に伝えてしまったら、あなたの評価や信用が下がってしまいます。
そのようなことになると同じ業界の他の会社は、退職代行を利用した人の採用に対して消極的になるでしょう。
その結果、同じ業界に再就職しようとした際に、以前の会社からの紹介や推薦が得られなかったり、退職代行の事実がバレてしまったりすると、採用されにくくなるかもしれません。
有給休暇の消化や未払い給料の交渉ができない
退職する際には、有給休暇の消化や未払い給料の交渉など、自分の権利や利益に関わることを会社と話し合う必要があります。
しかし、退職代行を利用すると自分で会社と話す機会がなくなってしまいます。
そのため、有給休暇の消化や未払い給料の請求など、有給休暇の消化や未払い給料の交渉ができません。
退職代行業者ができることは、基本的には退職の意思を伝えることと、退職届の提出をおこなうことだけです。
弁護士が運営していたり、労働組合と提携している退職代行なら会社と交渉をおこなうことは可能ですが、一般の会社が運営する退職代行が交渉をおこなうことは法律違反となります。
損害賠償や懲戒解雇のリスクがある
退職代行を利用して退職すると、損害賠償や懲戒解雇のリスクもあります。
退職する際には、自分の仕事を引き継ぐなど、自分の義務や責任に関わることを会社と話し合う必要があります。
しかし、退職代行を利用すると会社と話す機会がなくなるため、自分の義務や責任を放棄しているとみなされるかもしれません。
また、退職代行を利用する行為自体が、会社の規則や契約に違反する場合もあります。
その場合、会社は退職代行を利用した従業員に対して、損害賠償や懲戒解雇などの法的措置をとれます。
会社から連絡が来る
退職代行を利用したからといって、会社からの連絡を完全に遮断できるわけではありません。
退職代行業者が退職の意思を伝えたあとでも、会社は退職の理由や日程、引き継ぎなどについて直接従業員への確認や説得をしてくることがあります。
その場合、自分で会社に対応する必要があります。
しかし、退職代行を利用したことで、会社と連絡がしづらくなり、コミュニケーションが困難になることがあります。
退職後に「ありえない、くず、無責任」と思われる可能性がある
退職代行を利用すると、会社から「ありえない、くず、無責任」と思われる可能性があります。
退職する際には、会社に対する感謝や自分の反省などを会社に伝えることが礼儀です。
会社は、どのような辞め方をするかであなたの人間性や品格を評価します。
しかし退職代行を利用する行為は、自分では退職の意思を伝えられないことを示しています。
そのため、自分の決断や行動に責任を持てない人間だと判断されてしまうかもしれません。
さらに、退職代行を利用すると、会社や同僚、友人などから非常識で無責任な人間と思われる可能性があります。
特に、仕事やプライベートでの関係が深かった人からは、裏切られたと感じられるかもしれません。
その結果、周囲からの信頼を失ったり評価が下がったりする可能性もあります。
退職後に罪悪感が残りやすい
退職代行を利用すると、退職後に罪悪感を感じることがあります。
退職代行は、自分の退職の意思を自分で伝えずに、代わりに専門業者に依頼する方法です。
退職代行の利用は、会社や上司、同僚などに自分の本音や理由を伝えないまま退職する方法です。
そのため、退職代行を利用した人は、退職後に自分の選択が正しかったのかなどの疑問や後悔、会社や同僚に対して申し訳なかったなどの罪悪感が残りやすくなります。
退職後に罪悪感が残ってしまうと、自身の精神的な健康に悪影響を及ぼすことになります。
退職代行は、精神的にも不利な選択となるかもしれません。
悪質な詐欺業者がいる
退職代行業者のなかには、悪質な詐欺業者もいるため注意が必要です。
悪質な退職代行業者を利用してしまうと、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。
例えば、退職代行業者が退職の手続きを適切におこなわなかったり、そのために退職に失敗したり、高額な追加料金を請求されたり、個人情報を悪用される恐れがあります。
このようなトラブルは、自分の財産やプライバシーを損なうだけでなく、退職の意思を伝えることすらできず退職に失敗してしまう最悪の結果になることがあります。
悪質な詐欺業者に引っかかってしまうと、リスクも大きくなります。
やめとけと言われても退職代行を利用するメリット
退職代行には上記のようなデメリットやリスクがありますが、やめとけと言われても退職代行を利用するメリットもあります。
退職代行を利用するメリットは、主に以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
退職の意思を自分で伝える必要がない
退職代行を利用すると、自分で会社に退職の意思を伝える必要がありません。
そのため、退職を伝えることが苦手な人や、会社との関係が悪化している人にとって、心理的な負担を軽減できるメリットがあります。
退職の意思を自分で伝えるのは、精神的にも大変なことです。
上司や同僚に説得されたり、非難されたり、感情的になったりする可能性があります。
また、退職の理由を正直に言えない場合もあります。
例えば、会社のやり方に合わない、人間関係に疲れた、別の仕事に就きたい、などです。
そのようなときに退職代行を利用すれば、退職代行業者があなたの代わりに会社に連絡を取り、退職の意思を伝えてくれます。
そのため、会社との直接的な対話や交渉を避けられます。
退職代行を利用すれば、ストレスやトラブルを避けて退職できます。
退職に必要な手続きを代行してくれる
退職にはさまざまな手続きが必要です。退職時の手続きは時間や労力がかかりますし、ミスやトラブルが起きる可能性もあります。
しかし、退職代行を利用すれば、退職代行業者があなたの代わりに退職届を提出したり、退職金や源泉徴収票などの書類を受け取ったりしてくれます。
そのため、退職に関する煩わしい手続きの作業を省けますし、時間と労力の消費をせずにすみます。
即日退職も可能
退職代行を利用すると、即日退職も可能です。
会社に残ることが耐えられない人や、急な転職や引越しなどの事情がある人にとって、有効な選択肢です。
一般的に、退職するときには会社に退職の意思を伝えてから2週間〜1ヵ月程度の期間をおいて退職となります。
民法627条で、退職する際には2週間前までに申し出なければならないと定められているためです。
しかし、すぐにでも退職したいと思う場合もあります。
例えば、体調や精神状態が悪い、パワハラやセクハラに耐えられない、別の仕事のオファーがある、などです。
そのような場合に、退職代行業者があなたの代わりに会社に連絡を取り、即日退職の意思を伝えてくれます。
会社によっては即日退職に応じない場合もありますが、退職代行業者は有給休暇や欠勤を利用して、翌日から出社せずに済むように、あなたの希望を尊重して交渉してくれます。
退職代行はやめとけと言われる原因を回避する方法
退職代行はやめとけと言われる原因を回避する方法としては、以下の3つがあります。
ひとつずつ詳しく解説します。
弁護士や労働組合が運営しているサービスを選ぶ
退職代行を選ぶ際には、運営者の背景を確認しておくことが重要です。
特に、弁護士や労働組合が運営しているサービスを選ぶことがおすすめです。
弁護士や労働組合は法律や労働問題に詳しく、信頼できる専門家です。
そのため、会社との交渉がスムーズに進む可能性が高く、トラブルを防ぐこともできるでしょう。
また、弁護士や労働組合は一定の資格や基準を満たしているため、サービスの品質や信頼性にも期待できます。
万が一トラブルが発生した場合にも、弁護士や労働組合はあなたの権利や利益を守るために、法的な支援や相談をしてくれます。
退職代行を利用する際には、弁護士や労働組合が運営している信頼できるサービスを選ぶことで、トラブルやリスクを回避し、安心して利用できるでしょう。
利用相場にあったサービスを選ぶ
退職代行を選ぶ際には、費用をよく比較して利用相場にあったサービスを選ぶことが重要です。
退職代行の料金は、サービスの内容や会社の規模などによって異なりますが、一般的には3万円〜5万円程度が相場と言われています。
弁護士が運営する退職代行の場合の相場は、5万円〜10万円程度と少し高めです。
もし、相場よりも高い料金を請求される場合は、注意が必要です。
高い料金を払っても、サービスの質が向上するとは限りません。
また、退職代行サービスには保証や補償がない場合が多いため、万が一トラブルが発生した場合には自己責任となる可能性があります。
逆に、料金が利用相場よりも低いサービスは、品質や内容が不十分だったり、悪質な業者だったりする可能性があります。
退職代行を利用する際には、費用対効果や満足度を高めるためにも、利用相場にあったサービスを選ぶことを心がけておきましょう。
口コミ評判や実績を確認しておく
退職代行サービスを選ぶ際には、口コミ評判や実績を確認しておくことが重要です。
口コミ評判や実績は、サービスの品質や信頼性を判断するための重要な指標です。
口コミ評判や実績がよいサービスは、利用者のニーズに応えられるサービスの可能性が高くなります。
また、トラブルや問題が発生した場合にも迅速かつ適切に対応できるサービスの可能性が高いでしょう。
このように、口コミ評判や実績はサービスの選択や利用する際の参考になります。
口コミ評判や実績を確認しておくことで、退職代行はやめとけと言われる原因を回避できるでしょう。
まとめ
- 退職代行は、自分で退職の意思を伝えるのが困難な人にとって魅力的なサービス
- 退職代行はやめとけと言われる理由は、費用がかかる・同じ業界に再就職しづらくなる・有給休暇の消化や未払い給料の交渉ができないなどがある
- 退職代行を利用するメリットは、退職の意思を自分で伝える必要がなく、手続きを代行してくれ、即日退職も可能なこと
- 退職代行を安全に利用するには、信頼できる業者を選ぶことが重要
- 信頼できる業者の見分け方は、弁護士や労働組合が運営しているか・利用料金が相場に合っているか・口コミや実績がよいかなどをチェックする
本記事では、退職代行はやめとけと言われる理由を詳しく解説しました。
退職代行の危険性と利便性をしっかりと把握して、あなたにとって最適な退職方法を選択してください。
退職代行に関するよくある質問
では最後に、退職代行に関してよくある質問を詳しく見ていきましょう。
退職代行を利用するのはだめなこと?
退職代行を利用するのは法的には問題ありません。
退職代行とは、自分で会社に退職の意思を伝えるのが困難な場合に、代わりに退職の意思を伝え、退職届を提出してくれるサービスです。
退職は労働者の権利であり、会社に許可を求める必要はありません。
退職代行を利用すると、ストレスやトラブルを回避できる場合があります。
ただし、退職代行を利用すると、会社との関係が悪化したり、退職金や社会保険の手続きが滞ったりする可能性もあります。
そのため、退職代行を利用する前に、自分の状況やリスクをよく考える必要があります。
退職代行を利用すると転職先にバレる?
退職代行を利用したことが転職先にバレることはほとんどないでしょう。
退職代行を利用したことは、通常は履歴書や職務経歴書に記載する必要はありません。
また、退職代行を利用したことを知られるケースは、元の会社からの情報漏洩や、退職代行業者の不正な行為などに限られます。
しかし、このような事態は稀であり、法的にも違反になります。
元の会社や退職代行業者が退職者の個人情報を外部にもらすことは、個人情報保護法第27条(第三者提供の制限)で禁止されています。
参考:e-Gov|個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
したがって、退職代行を利用したことが転職先にバレる心配はほとんどありません。
退職代行を使う人の特徴は?
退職代行を使う人には、自分で退職の意思を伝えられない、パワハラやモラハラなどの職場環境に悩んでいる、何らかの理由で会社に行きたくないなどの特徴があります。
退職代行を使う人のなかには、自分で退職を申し出ると上司や同僚からの嫌がらせや暴言を受けることを恐れている人がいます。
また、自分の意思を伝えるのが苦手な人や、コミュニケーションが苦手な人もいます。
退職代行を使うことで、自分の気持ちを代弁してもらえると感じる人もいます。
退職代行を使う人は、退職時の会社とのやりとりなどのストレスから自分の精神的な健康を守るために、最善の選択をしたいと考えている人が多いことが特徴です。
退職代行を使うとどれくらいで辞められる?
退職代行を使うと、通常は2週間〜1ヵ月程度で辞められます。
民法627条では、退職する際には2週間前までに申し出なければならないと定められています。
ただし、有給休暇が2週間以上残っている場合や、欠勤扱いとして翌日から出社せずに実質的に即日退職と同様の状態に持ち込むことも可能です。