「仕事を辞めたい、でも次がないかもしれないから悩む……」
仕事に対する不満や辛さが積み重なり、退職を考えてはいても、決断が難しく悩み続けていませんか?
「仕事を辞めたい」と感じる主な原因がどこにあるのかを考えることで、良い対処法が見つかるかもしれません。
この記事では、仕事を辞めたいと感じるいくつかの原因と対処法のほかに、退職を決断したほうがよいケースについて解説します。
本記事を退職するか仕事を続けるかの判断に役立てて、悩みを解決しましょう。
仕事を辞めたいと感じる原因
給料、労働環境、人間関係など、仕事を辞めたいと感じる原因はさまざまです。
中には、原因がいくつか重なっており、常に悩みが尽きないという人もいるでしょう。
まずは、自分が仕事を辞めたいと感じる主な原因がどこにあるのかについて、考えていきましょう。
仕事内容に魅力を感じない
毎日単調な作業が続いたり、「この仕事、何の役に立つんだろう」と思うような仕事内容だったりすると、仕事のモチベーションが下がってしまいます。
しかし、「楽だけれど成長がない」と感じて辞めたいと思っても、「辛いわけでもないのに仕事を辞めたいだなんて、甘えだろうか」と決心もつかず、もやもやした気持ちを抱えながら働き続けている人も多いのではないでしょうか。
仕事内容に魅力を感じられないという状況では、辞めたい気持ちが続き、ストレスになってしまいます。
給料が低い
給料が低いことも、仕事のモチベーションが大きく下がる原因です。
「これだけ働いてもこの金額か」「税金や保険料を引かれたら給料がほとんど残らない」と、給料日にすら気分が下がり、生活費を稼ぐことで精一杯の毎日にもストレスが溜まってしまいます。
また、給料があまり上がらない先輩や上司を見て「先がない」と思うなど、将来に不安を感じる時も、辞めたい気持ちになるでしょう。
人間関係がつらい
仕事内容に興味がなくても、給料が少しくらい低くても、人間関係が良く上司や同僚も尊敬できる人たちであれば、「辞めたい」とは思わないかもしれません。
しかし、職場の人間関係で疎外感を感じていたり、たった1人でも耐えられないくらい嫌な人がいると、我慢しても良いほどほかの条件が良くない限り、たいていの人は退職が頭によぎります。
ただでさえ職場では、自分で選んだわけではない同僚や上司と毎日何時間も一緒に過ごす必要があるのに、そのなかに人間関係を悪くするような人がいたら、仕事まで嫌になってしまいます。
業務量が多い
業務がどんどん増えているのに人が増えなかったり、辞めた人の肩代わりや後輩・部下のミスのフォローをさせられたり、気がつくと業務量は増える一方……という状況になることも、仕事ではよくあります。
全体的に一人あたりの仕事量が多い職場では、ほかの人も忙しくて自分の仕事を頼むことができません。
仕方なく持ち帰りで仕事をしたり、休日出勤をさせられたり、プライベートにまで影響が出てくると、「辞めるしか解放される手段がない」と思うかもしれません。
しかし、業務量も責任も増えるベテラン世代は特に「自分がいなければみんなが困る」「仕事を辞めたいけれど次がないかもしれない」と感じやすく、こうした理由で退職をためらう人もいるのではないでしょうか。
社風が合わない
「強引に商品を売り込む方針に納得がいかない」「職場の雰囲気が重たく耐えられない」など、職場全体の価値観や雰囲気が自分に合わなければ、日々ストレスが溜まります。
給料のために仕事をしているとはいえ、自分が納得できず、違和感が募るような職場環境であれば、退職を検討したくなるでしょう。
ライフスタイルが大きく変化した
会社自体に不満はなくとも、結婚や出産、家族の介護など、ライフスタイルの変化にともない、仕事に求める価値観が変わるケースもあります。
例えば、好きな仕事でバリバリ働いていたけれど、20代・30代で子どもができ、「子育てに集中したいから仕事を辞めたい」と退職して、パートや在宅の仕事に切り替えたケースを耳にしたことはないでしょうか。
「思うように働けないし自由もない」「何のために子どもを預けっぱなしで働いているのだろう」と日々の生活に疑問を持ち、退職を考えることもあるでしょう。
逆に「子どもが大きくなったので、やりたかった仕事に全力で挑戦してみたい」と前向きに退職を考えるケースもあります。
仕事を辞めたいと感じたらすべきこと
「仕事を辞めたい」と思っても、すべての原因について、その悩みを解消するために退職が必要とは限りません。
適切な対処によって、今の仕事を続けられる可能性もあります。
まずは、仕事を辞めたいと思ったときに考えたいこと、やるべきことについて解説します。
辞めたい理由が自分で解決できる問題か考える
仕事を辞めたいと思っている理由は、本当に退職しないと解決しない問題でしょうか?
過剰な業務量や待遇の悪さが原因なら、退職を決意する前に「ダメ元」で上司や人事などにかけあってみてはどうでしょうか。
配置転換や転勤、業務分担の変更、時短勤務や休職など、退職以外の方法で対応してもらえる可能性があるかもしれません。
また、仕事が覚えられなかったり人間関係に溶け込めなかったりするために退職したいときには、身近な先輩や上司に相談してみるとよいでしょう。
案外自分の思い込みだったり、サポートをしてもらえたりする可能性もあります。
いずれもうまくいかなかった、あるいは対応してもらえるような環境ではないとわかった後で退職を検討しても、遅くはありません。
仕事を辞めるデメリットを把握する
「忙しすぎて仕事が辛いから辞めたい」「給料が低いから辞めたい」という理由で退職を選択して、後悔する可能性はないでしょうか。
希望通りの転職がすぐにできるとは限りません。
特に、有利なスキルや職歴があまりないうちに転職活動をすると、なかなか条件の良い転職先が見つからずに妥協が必要となります。
さらに今度は「仕事もお金もない」「仕事も決まらない、自分はだめな人間だ」と別の悩みに苦しむ可能性も考えられます。
また、転職先でも別の問題が発生する可能性があります。
転職にはリスクがあり、将来のキャリアや収入に影響を及ぼす可能性もあることを考慮しましょう。
リスクを考えたうえでも今の状況が辛くて退職したいなら、転職のリスクを少しでも下げられるように、転職期間の生活費を貯めたり、仕事で得られそうなスキルを身につけたりして、より良い転職の準備をしておきましょう。
仕事だと割り切る
「仕事に期待をしない」と割り切るのも一つの対処法です。
転職のリスクを考えると、すぐには退職を決断できない、ということもあります。
そんな時は、現状の不満に対して「そういうものだ」「不満を溜めても何も変わらない」と冷静になり、淡々と業務をこなすことに集中しましょう。
仕事を辞めたい原因が人間関係のときには、「なんでひどい態度を取るのか」などと悩まず「自分とは違う思考回路の人間だ」と心の距離をとりましょう。
客観的に見られ、有効な対策が見つかる場合もあります。
仕事に対する不満やストレスを抱え込まず、プライベートや趣味を楽しむことで、「この楽しい時間を続けるための仕事」と思うようにすると心のバランスを保てます。
頑張りすぎない
会社のため・お客さんのため・部下や同僚のためなど、信念をもって働くにしても、「自分が頑張らないといけない」と頑張りすぎ、自分が追い詰められてしまっては本末転倒です。
気づかないうちにストレスが蓄積して、気がついたら「仕事を辞めたい」どころではない精神状態になっていることもあります。
もし疲れたと感じたら、ストレス診断をおこなって自分のストレス度を把握したり、必要に応じてカウンセリングを受けたりしましょう。
また、日頃から適度な休息を意識的に取るのも必要です。
趣味やストレッチなど、ちょっとした時間でできて心身ともにリラックスできる方法を探すのもおすすめです。
スキルを磨く
今は「やりがいがない」と感じる仕事でも、スキルや知識が増えれば、上流の工程や別の業務に関わるチャンスが来るかもしれません。
転職をする場合も、有利になるスキルがあれば安心です。
会社で得られそうなスキルや知識があれば積極的に学び、「学べるスキルは学びきってから辞めよう」と考えを切り替えると、モチベーションが上がるきっかけにもなります。
会社以外でも、オンラインで受講できるウェビナーやオンライン講座の受講、通信教育での資格取得など、スキルを得る活動をしてみましょう。
交流会や勉強会などにも参加して人脈を作るのも、転職準備として有効です。
信頼できる人に相談する
仕事に関する悩みや不満を一人で抱え込んでいても、よいことはありません。
信頼できる上司や同僚、友人、家族、SNS上で交流のある同業者などに相談すると、有効なアドバイスやサポートを受けられるかもしれません。
人に話すと考えや悩みが整理されるだけでなく、第三者だからこそ思いがけない一言を得られることもあり、思ってもみなかった解決策が見つかるケースもあります。
周りの人に相談しづらいような状況のときには、ためらわずプロであるカウンセラーに相談しましょう。
我慢せず仕事を辞めた方が良いケース
仕事を辞めたいと悩んでいるケースのなかには、対策を考えるより、退職を検討したほうがよいケースもあります。
退職が、自分の健康や心の安定を取り戻す、新生活への第一歩となるかもしれません。
ここからは、退職を考えたほうがよいケースについて見ていきましょう。
人間関係で悩んでいる
直属の上司や同じ仕事を担当している同僚など、避けようもない立場の人との人間関係がどうにもうまくいかず、改善も見込めないときには、退職を検討したほうがよいでしょう。
毎日相手の一挙手一投足や発言にストレスを溜め続けているうちに、「眠れない」「頭から離れない」など、心身に大きな悪影響が現れる可能性があります。
生活に支障をきたすほど労働時間が長い
「家族とろくに会話もできない」「帰宅して寝たらすぐ出社の時間になる」など、日常生活が破綻するほどの長時間労働は、家族関係や友人関係が悪化するだけでなく健康リスクが高まります。
一時的な繁忙期でもないのに、仕事・睡眠・食事以外の時間がほぼないような生活が続いている場合は、健康のためにも早めに退職するべきでしょう。
成果を出しても評価されない
「頑張れば頑張るほど仕事が増えるばかり」「できない人の分まで仕事を押しつけられ、やって当然と思われる」
このような、頑張りや成果が待遇や評価に反映されない会社では、不満が溜まるうえに仕事も選べず、キャリアアップにもつながりにくくなります。
今までの成果をアピールして転職活動し、成果を正当に待遇として評価してくれる会社を見つけましょう。
会社の経営が不安定
会社の業績が落ちてきたと感じたときも、退職を決心するタイミングです。
経営が不安定な状態が続くと、給料やボーナス、福利厚生の削減から、いずれリストラへと進んでいくものです。
頑張って働いても、それを給料に反映させる経済力が会社にはないため、人が減って大変になっているのにもかかわらず年収が下がっていく、ということもあります。
退職したいと思ったときには人員不足で忙しく、転職活動もままならなくなる可能性もあります。
職場の雰囲気も重たくなり、居心地が悪くなることも考えられます。
自分の望むタイミングで転職できるように、経営が本格的に悪化する前に退職を決断したほうがよいでしょう。
自分に仕事内容があっていない
希望した業界や職種であっても、実際に仕事をしてみるとイメージと違ったり、やってみたらどうにも合わなかったりする場合もあります。
この先、同じ仕事を続ける気がまったくないなら、新しいキャリアの経験を少しでも長く積めるように、早めに退職を決断をしてもよいでしょう。
いじめやパワハラなどを受けている
いじめやパワハラを受けており、解決が見込めない場合にはすぐに退職しましょう。
理不尽な攻撃を受け続けていると、麻痺してしまい、攻撃されるのが当然という状況になってしまう場合があります。
こうした環境では精神的に大きな負担がかかり、最悪のケースでは適応障害やうつ病になり、その先の生活にも大きな被害を受ける可能性があります。
心身を守るために、すぐに退職して今の環境から離れましょう。
いじめやパワハラがまかり通っている会社は、周囲が見て見ぬふりをしていたり、止める力がなかったりするため、ターゲットを次々と変えて同じことが延々と続きます。
自分がターゲットではなくなっても、精神的に消耗する状況が続くため、同じ職場で仕事を続けるのはおすすめしません。
仕事を辞めづらいなら「退職代行」がおすすめ
仕事を辞める決心がついても、いろいろ考えてしまい、なかなか辞めづらいのではないでしょうか。
仕事を引き継いでくれる人がおらず退職まで時間がかかりそうな場合や、職場の人間関係が悪く退職を言い出しづらかったりする場合におすすめなのが、「退職代行」です。
退職代行では、プロが本人に代わって、退職の意思伝達や会社とのやり取りをおこなってくれます。
退職代行を請け負っている弁護士もいます。
弁護士に依頼をすると、退職の代行だけでなく、未払い賃金や残業代の請求、パワハラによる損害賠償など、法的な措置にも対応してもらえます。
ただし追加料金は発生しますので、サポート内容と金額を事前によく確認しましょう。
特にトラブルがなく退職手続きを代わりにやってもらうだけなら、民間業者の退職代行サービスが2万円程度の費用から利用可能です。
会社との退職手続きのやり取りでのストレスや手間を考えれば、大変助かるサービスではないでしょうか。
退職代行サービスのなかには、他の業者と提携して転職サポートや引越しサポートをおこなっているところもあり、退職後にも役立ちます。
多くの退職代行サービスが無料相談に対応しています。
利用を検討するなら一度相談してみましょう。
まとめ
- 仕事を辞めたい原因には「仕事内容」「給料」「人間関係」「業務量」「社風」「ライフスタイルの変化」などがある
- 仕事を辞める前に「解決や相談できないか」「仕事と割り切れるか」を考え、スキルも磨いておこう
- いじめやパワハラがあるなど人間関係に問題があるときは心身を守るために早めに退職しよう
- 労働時間が長すぎたり、会社の経営が不安定だったりと長く続けられなさそうなときも退職を検討すべき
- 仕事を辞めたいけれどスムーズに辞められなさそうなときは退職代行の利用もおすすめ
仕事を辞めたいと悩んだときには、このまま時間が経ったときに問題が解決できる可能性がありそうか、逆に状況が悪化しそうかを考えたうえで判断するとよいでしょう。
転職にはリスクがありますが、状況によっては会社に留まることもリスクとなります。
退職も含め、自分にとって最適な解決方法を見つけましょう。
よくある質問
最後に、退職を迷うときや決断したときに疑問に思う点について簡単にまとめました。
仕事を辞めたほうがいいサインは?
「休日も会社のことが頭から離れず楽しめない」「無気力になることが増えた」と感じたら辞めたほうがよいでしょう。
いずれも高いストレス状態にあるサインであり、いずれ心身の不調をきたす可能性があるため、退職を早めに検討しましょう。
退職時にやってはいけないことは?
決断を急ぎ、衝動的に退職を決めるのは避けるべきでしょう。
また、退職する会社に対して配慮がなく辞めるのも避けましょう。
自分のために退職を決断するにしても、今までお世話になった会社であり、会社の人と今後どこかで関わる可能性もあります。
特に同じ業界や地域内で転職するときには、どこで誰がつながっているかわからないため、反感を買われないように退職時期や引継ぎに関してなるべく配慮する姿勢を示しましょう。
退職はいつ頃言うべき?
会社側には後任の採用や人員補充の必要もあるため、退職の意思が固まったら、早めに上司に伝えるべきです。
少なくとも1ヵ月以上の余裕をもって伝えましょう。
大きなプロジェクトや繁忙期が終わりそうなときなど、ほかの人に後任の採用や教育の余力があるタイミングがベストです。
退職する一番いい時期はいつ?
会社によって異なりますが、転職が多い時期にすると自分の転職も会社側の後任探しもスムーズです。
業界によっても変わってきますが、一般的には1〜3月、9月〜10月など、年度や半期の切り替わりのタイミングに合わせて少し前に退職するとよいでしょう。
1〜3月、9月〜10月の退職・転職を目指すと、正月休みや夏期休暇を利用して、転職のリサーチや自己分析などの時間を作りやすい点もメリットです。