日々の生活のなかで、家事は欠かすことのできないものです。
加速する高齢化や、忙しい現代人にとって家事は大きな負担でもあります。
そんななか、プロによるハウスクリーニングへのニーズは急速なスピードで高まっています。
同時に、ハウスクリーニングで開業を考える人も増えています。
当記事では、どのようなメリット・デメリットがあるのか、費用はどのくらいかかるのか、どのような手順で開業すればよいのか、成功のポイントも含めて、ハウスクリーニングの独立開業について詳しく紹介します。
ハウスクリーニングで独立開業するメリット
ハウスクリーニングで独立開業するメリットにはどんなことがあるのでしょうか?
3つのメリットについて紹介します。
初期費用が安い
ハウスクリーニングは少ない資金で開業が可能です。
例えば飲食店などの開業をする場合は、店舗を構えて内装工事や設備投資に多くの資金を必要とします。
ハウスクリーニングでは、必要な機材などは車に積んでおくことができるため、事務所兼倉庫のような場所が確保できれば開業できます。
自宅を事務所として使用できれば、さらに開業資金を抑えることが可能です。
また、小売店などのように在庫を持たなくてよいので、仕入の必要がありません。
以上のようなことからハウスクリーニングでの独立開業は、他の業種に比べて開業資金を安く抑えられるメリットがあります。
仕事を自分で選べる
仕事を自分で選べることも独立開業の大きな魅力です。
1人で仕事をすれば人件費もかからず、人間関係などの煩わしさもありません。
仕事をする場所も自分でエリアを決めることができ、仕事量も自分で調整できます。
独立開業は「どこで、どのように、仕事をするか」をすべて自分で選択できます。
未経験でも挑戦しやすい
ハウスクリーニングの仕事は特殊な資格や免許が必要ありません。
未経験でも独立開業へのハードルは比較的低くなっています。
しかし、ハウスクリーニングに関する知識や技術は必要となるので、個人で独立開業する場合、独学で身につける必要があります。
フランチャイズで開業する場合は、業務に必要な技術や運営に関するノウハウをマニュアルに沿って教えてもらえるので、未経験でも安心して挑戦できます。
ハウスクリーニングで独立開業するデメリット
ハウスクリーニングでの独立開業にはメリットばかりではありません。
独立する際にはデメリットもしっかりと理解しておきましょう。
ライバルとの差別化が難しい
ハウスクリーニングは基本的に内容に大きな違いがないため、ライバルとの差別化が難しくなります。
そのため、価格、スピード対応、他社がおこなっていないサービス(特殊清掃など)で差別化を図らなければ生き残ることが難しくなります。
集客方法が難しい
独立開業すると、実際の作業だけでなく営業活動も自分でしなければなりません。
ハウスクリーニング業者として知名度がなければ、簡単に依頼は来ません。
そのため、自社を知ってもらえるようなSNSやチラシを使った営業方法や、自社の強みや独自のサービスなどを知ってもらえるように、PRを継続していかなければなりません。
ハウスクリーニングの独立開業に必要な費用
実際に独立開業するために必要な費用について解説します。
初期費用
開業にかかる初期費用の目安は以下のとおりです。
物件取得費 | 120~200万円 |
車両費 | 100万円 |
掃除道具など備品費 | 10~100万円 |
広告費 | 20万円 |
総額 | 250万円~420万円 |
物件取得費や車両費に関してはコストの割合が大きくなっていますが、自宅を事務所にしたり自家用車を仕事用に使用したりすることで抑えることが可能です。
掃除道具などの備品費に関しては、10〜100万円とありますが、開業する事業内容に合った道具の購入費用が多少かかったとしても今後のビジネスを考えて用意しておくべきものです。
広告費に関しても、まずは自社を知ってもらわなければ仕事を受注することができませんので、
初期費用としてあまり抑えすぎない方が良いです。
フランチャイズに加盟した場合、個人での初期費用のほかに加盟金や保証金、研修費などでおよそ200万円かかります。
運営資金
次に運営資金の目安を紹介します。
賃貸料 | 20万円 |
車両関係費用 | 2万円 |
消耗品費用 | 5~10万円 |
広告費 | 5万円 |
総額 | 32万円~37万円 |
賃貸料は自宅を事務所にすればかかりません。
車両関係費用とは移動に使用する車の燃料代や駐車場代などで、こちらは仕事量によって金額は大きく変わることがあります。
広告費も新規顧客獲得のために開業時だけではなく継続的におこなうと良いでしょう。
ハウスクリーニングの独立開業に必要な資格
ハウスクリーニングの独立開業に資格は必要ありませんが、ハウスクリーニングに関する専門知識は必要です。
また、開業に必須ではないものの厚生労働省指定の技能検定でありハウスクリーニング業唯一の国家資格である「ハウスクリーニング技能士」を取得すると仕事を獲得するうえでアピールにつながります。
ハウスクリーニングで独立開業する手順
事業計画から独立開業までの手順を詳しく解説します。
事業計画を立てる
想定している営業エリアの市場調査をおこないましょう。
- ターゲット層をどこにするのか
- どのようなサービスを提供するのか
- 開業資金や経費はどのくらいかかるのか
- 資金調達の方法
- 売上の見込み
などさまざまなシュミレーションをしておく必要があります。
フランチャイズを選ぶ(加盟する場合のみ)
開業の際にフランチャイズに加盟する場合、フランチャイズを選び加盟します。
フランチャイズに加盟すると研修を受けることができ、事業のノウハウだけでなく集客に関するサポートも受けることができます。
集客や技術面、運営方法に不安がある場合にはフランチャイズに加盟することも視野に入れて検討しましょう。
資金調達をする
資金調達が必要な場合、銀行などの金融機関や日本政策金融公庫から融資を受けるのが一般的です。
事業計画書や必要書類を提出して、審査を通過できれば融資を受けることができます。
備品や機材を準備する
自身の事業に必要な機材や備品の調達をおこないます。
また、機材を運ぶための車両の準備も必要になります。
準備をする段階で、漏れがないようにあらかじめリストなどを作成し確認しておきましょう。
集客する
ハウスクリーニングを開業しても、なにもしなければ仕事を獲得できません。
仕事の依頼を受けるために、インターネット広告やSNS、チラシや折り込み広告などを活用して、積極的に集客をおこないましょう。
開業届を提出する
個人事業主として開業する場合には税務署に「開業届」を提出します。
併せて所轄税務署に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。
青色申告ができるようになり節税につながります。
ハウスクリーニングでの独立開業で成功するポイント
ハウスクリーニングで独立開業するうえで抑えておくべき成功のポイントは以下になります。
立地にこだわる
集客が見込める立地での開業にこだわりましょう。
例えば「競合が少ない」「マンションや会社の多いエリア」など営業活動がしやすく自身のターゲットに合った立地を選ぶ必要があります。
ターゲット層を明確にする
ターゲット層を明確にすることも重要です。
個人宅と会社では作業内容も宣伝方法も異なります。
ポスティングやホームページでも、どの層に向けているのかわかりやすく伝えることができなければ、興味を持ってもらうこともできません。
ターゲット層を明確にし、需要に合わせた効果的な宣伝活動をおこない、集客につなげていくことが成功へのポイントとなります。
丁寧な対応を心がける
依頼された仕事には常に丁寧な対応を心がけましょう。
会社の経営を安定させていくためにはリピーターの獲得が欠かせません。
丁寧な対応で「また、お願いしたい」と思ってもらうことが大切です。
いい加減な仕事や失礼な対応をすれば、悪いクチコミが広がることもあります。競合相手も多いことから、次の仕事につながらなくなります。
たとえ受注につながらないような問い合わせでも、丁寧な対応が重要です。
そういった心がけが仕事の依頼につながることを、常に意識しておくことが大切です。
まとめ
ここまでハウスクリーニングの独立開業について紹介しました。
今回のまとめは以下になります。
- 独立開業のメリットは、初期費用の安さ、仕事の自由度、未経験でも挑戦可能
- 独立開業のデメリットは、ライバルとの差別化や集客の難しさ
- 自宅を事務所にすることで、初期費用を大きく抑えることができる
- 集客や技術、運営方法に不安がある場合には、フランチャイズを検討しよう
- 成功のポイントは、立地、ターゲット層、常に丁寧な対応の3点
ハウスクリーニングはこれからさらに需要の高まりが期待できる仕事です。
当記事を参考に、独立開業で成功を目指してみてはいかがでしょうか。