資金0円で飲食店を開業できる?開業費を抑える工夫を解説

資金0円で飲食店を開業できる?開業費を抑える工夫を解説 コラム

「飲食店を始めたい」そう思っていても、店舗経営をするには多額の開業費がかかるため、資金面で難しさを感じて断念してしまう方も多いかもしれません。

一般的に飲食店の開業資金の目安は、1,000万円前後といわれています。

しかし、もし自己資金ゼロで飲食店を開業できる方法があったらどうでしょうか。

夢の店舗を実現するチャンスです。

この記事では、自己資金がなくても飲食店を開業するための方法や開業費を抑えるアイデアについて解説します。

自己資金がないからと自分のお店を持つことをあきらめてしまう前に、ぜひ開業に向けて参考にしてください。

自己資金0円で飲食店を開業できる?

結論からいうと、自己資金がなくても飲食店の開業は可能です。

ただし、「自己資金0円=開業資金不要」ではありません。

飲食店を始めるには、一定の開業資金が必要です。

そのため、融資などを活用して飲食店の開業にあてる資金を準備しましょう。

自己資金0円で飲食店開業を実現する方法

自己資金0円で、飲食店の開業資金を準備する方法は、主に次の5つの方法があります。

1つずつ解説します。

新創業融資制度を活用する

新創業融資制度とは、日本政策金融公庫がおこなっている低金利の融資制度です。

新たに事業を始める場合や、事業開始後に設備資金や運転資金が必要な場合に利用できます。

基本的には、自己資金が創業資金総額の10分の1以上ないと融資対象になりませんが、下記の2つのいずれかに該当すれば、自己資金がなくても融資を受けることが可能です。

  • 勤めた経験がある企業と同じ業種の事業を始める場合
  • 創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて事業を始める場合

最大で3,000万円まで融資を受けることが可能なため、魅力的な資金調達手段です。

申し込みから資金調達まで3週間〜2ヵ月程度かかることもあるので、利用する際は、時間にゆとりをもって申し込みしましょう。

参考:日本政策金融公庫|新創業融資制度

銀行や信用金庫の融資を受ける

日本金融公庫以外にも創業融資をおこなっている銀行や信用金庫から融資を受ける方法もあります。

しかし、この場合の融資対象の基準は高く、成功確率が高いビジネスでなければ融資してもらうのは難しいでしょう。

自己資金がない場合は、さらにそのハードルは高くなります。

しかし、可能性がゼロではないため、成功する可能性が高い事業計画があれば申し込んでみてもいいかもしれません。

融資の申し込み後、資金を受け取るまでの期間は1週間〜2ヵ月が目安になるので、早めに手続きしましょう。

クラウドファンディングを活用する

SNSやブログなどで自己発信をしており、フォロワーの数が多い場合はクラウドファンディングを利用する方法もあります。

クラウドファンディングとは、インターネット上でこれからおこなう新規事業のプランを公開し、資金を集める方法です。

どのような事業でもいいわけではありませんが、フォロワーが応援したいと思うような事業を提案できれば、多くの資金を集めることができるでしょう。

フォロワーが多ければ多いほど、資金を調達できる可能性は高くなります。

もちろんSNSをしていない場合でも、クラウドファンディングの利用は可能です。

多くの人に興味を持ってもらえそうな事業を開業する場合は、ぜひ活用してみましょう。

カードローンや消費者金融で借りる

カードローンや消費者金融でお金を借りることも、1つの方法です。

この方法だと、先に述べた日本金融公庫や銀行、信用金庫などの融資に比べるとかなり借りやすいうえ、資金調達までの日数が短くてすみます。

もちろん融資前の審査はありますが、そのハードルは低いです。

しかし、金利が高いため、あまりおすすめはできません。

その高い金利で、借りたあとに返済で苦しくなる可能性が高く、事業どころではなくなるかもしれません。

自己資金なしで資金を準備できる方法の1つですが、なるべくなら避けた方がいいでしょう。

友人や家族に借りる

どうしても融資や、クラウドファンディングなどで開業資金の準備ができなければ、友人や家族に借りる選択肢もあります。

しかし、冒頭でも述べましたが、一般的な飲食店の開業資金は1,000万円といわれています。

この金額を友人や家族から借りるのは、簡単ではありません。

たくさん声をかけても、断られてしまう可能性が高いでしょう。

また、金銭のやり取りが原因で良好だった関係が悪くなってしまうことも考えられます。

金銭面でみればカードローンや消費者金融で借りるよりはよいですが、もしこの方法で資金を準備する場合は、人間関係にトラブルが起こるかもしれないことを理解しておく必要があります。

自己資金0円で飲食店の開業に潜むデメリット

自己資金0円でも飲食店を開業できますが、資金が限られているゆえのデメリットもあります。

十分な初期投資ができない

自己資金が0円の状況で金融機関から資金調達できても、望んでいた金額よりも少なくなることは珍しくありません。

このような場合、思ったような初期投資ができず、飲食店の品質や競争力、サービスの充実度などに悪影響を及ぼすリスクが高まります。

例えば、導入する設備や食材の質を下げなければならなかったり、スタッフの雇用やトレーニングが思ったようにできなかったりで、提供する料理やサービスのクオリティに影響が出る可能性が考えられます。

十分な初期投資するほどの資金がなければ、まずは1人でできる小さな店舗やキッチンカーからのスタートもおすすめです。

スモールビジネスから始めれば、初期投資を最小限に抑えることができるでしょう。

お店を継続するのが難しい

以前日本政策金融公庫が発行した「新たな飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引き+」によると、飲食店の約6割が軌道に乗るまで半年以上かかっているということがわかるデータが出ています。

引用:全国飲食業生活衛生同業組合連合会| 日本政策金融公庫「新たな飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引き+」

この図からわかるように、半数を超える企業が半年以上も赤字や赤字に近い状態だったと考えられます。

また最新版の「創業の手引き+」には、創業準備時の必要な資金のチェックポイントとして「事業開始後の運転資金を半年程度は準備」と記載されています。

自己資金が0円だと、開業はできてもすぐに収益が得られなければ、経営の維持が難しいかもしれません。

参考:日本政策金融公庫|新たに飲食業を始めるみなさまへ創業の手引き+(飲食店版)令和4年10月

最小限の資金で飲食店を開業する方法

ここからは、資金をできるだけ抑えて開業を進めるための3つのポイントについて説明します。

店舗の改装を自分でおこなう

開業資金をなるべく抑えたいなら、店舗の改装は業者に依頼せず、自分でおこないましょう。

業者に頼むと、どうしても費用が高くなってしまいます。

時間はかかりますが、自分で改装すると費用を抑えることが可能です。

自宅開業が可能なら、家賃がかからないため、さらに費用の節約につながります。

また、家族や友人と一緒に改装作業をおこなえば、愛着が湧くことでしょう。

インターネットで検索すると、DIYや店舗改装に関するたくさんの情報や動画を見ることができます。

ぜひ参考にして改装に取り組んでみましょう。

中古品を活用する

店舗で使用する物品は、中古品の利用も1つの方法です。

厨房設備やテーブルセット、店舗のインテリアなど、特に新品でなくても問題ないものは中古品を活用しましょう。

新品の設備や機器は高価ですが、中古を利用すれば初期投資の削減につながります。

複数のリサイクルショップを回ることで、品質に満足できる商品を見つけられる可能性が高まるでしょう。

同じセットをいくつも準備したい場合は、アウトレット品で探してみるのもおすすめです。

資金の使い道に優先度を付けておく

飲食店の開業にあたり、必要な出費を整理しましょう。

物品だけでなく、スタッフのトレーニングなどに必要な費用も考慮して、必要な支出をリストアップします。

次に、リストに挙げた項目から、すぐ必要なものとそうでないものを区別し、どれを優先して準備すべきかや、予算を割くべきかを考えます。

これにより、必要なものの優先度が明確になり、開業費を抑えるために重要なものに絞ることができるでしょう。

まとめ

  • 資金0円でも飲食店開業は可能
  • 開業資金がない場合は、融資の活用で資金を用意できる
  • 事業を安定させるために、事業開始後半年間は赤字でも乗り切れる運転資金を確保しよう
  • 資金を節約するためには、中古品の活用や店舗の改装を自ら手がけるなど工夫が必要
  • 開業資金の使い道に優先順位をつけ、重要な項目から順に資金を使っていく

自己資金0円で飲食店を開業する方法について、解説しました。

自己資金がなくても、融資を活用しつつ、開業費を抑える工夫を取り入れることで、飲食店の開業は可能です。

ただし、開業はあくまでも事業のスタートであり、ゴールではありません。

開業後、半数を超える企業が半年以上も赤字となっているデータや、事業運営には途中で予測できないトラブルが生じることも起こりえます。

自己資金不足が原因で、経営継続が難しくなるかもしれません。

自己資金を少しでも確保できるよう努力することで、開業時の財政的な余裕が生まれ、経営の成功率も高まるでしょう。

今回お伝えしたポイントを頭に入れつつ、ぜひ開業に向けて一歩踏み出してみてください。

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