開業届の職業欄はどう書けばいい?具体例付きで解説

コラム

個人事業主が開業届を提出する場合、「職業欄の書き方」に悩む方がいらっしゃいます。

ひとくちに職業といっても、「カフェ経営」などの飲食業や最近人気の「ライバー」など、さまざまな業種があるため、どう書けばいいのかとまどってしまうのではないでしょうか。

本記事では、開業届の職業や事業内容の書き方、注意点について解説します。

職業別の記載例や個人事業税がかからない職業についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

開業届の職業欄は事業税に関係している

引用:個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)(PDF/746KB)

開業届の職業欄に関係する「事業税」について、以下の3つを解説します。

事業税とは

事業税(個人事業税)とは、事業所がある各都道府県に課税される地方税です。

事業には課税されるものと非課税のものがあり、地方税法第72条の2に定められている事業ごとに税率が異なります。

事業税の手続きは、所得税の確定申告や住民税を申告すれば必要ありません。

確定申告書のデータをもとに各都道府県が税額を計算して、事業者に納税通知書を送付してくれます。

事業税の税率

事業税の対象となる「法定業種」は70種類あり、税率は業種によって異なります。

70種類の法定業種と事業税率は、以下のとおりです。

区分 税率 事業の種類
第1種事業
(37業種)
5%
  • 物品販売業
  • 保険業
  • 金銭貸付業
  • 不動産貸付業
  • 製造業
  • 電気供給業
  • 土石採取業
  • 電気通信事業
  • 運送業
  • 運送取扱業
  • 船舶定係場業
  • 倉庫業
  • 駐車場業
  • 請負業
  • 印刷業
  • 出版業
  • 写真業
  • 席貸業
  • 旅館業
  • 料理店業
  • 飲食店業
  • 周旋業
  • 代理業
  • 仲立業
  • 問屋業
  • 両替業
  • 公衆浴場業(むし風呂など)
  • 演劇興行業
  • 遊技場業
  • 遊覧所業
  • 商品取引業
  • 不動産売買業
  • 広告業
  • 興信所業
  • 案内業
  • 冠婚葬業
第2種事業
(3業種)
4%
  • 畜産業
  • 水産業
  • 薪炭製造業
第3業種
(30業種)
5%
  • 医業
  • 歯科医業
  • 薬剤師業
  • 獣医業
  • 弁護士業
  • 司法書士業
  • 行政書士業
  • 公証人業
  • 弁理士業
  • 税理士業
  • 公認会計士業
  • 計理士業
  • 社会保険労務士業
  • コンサルタント業
  • 設計監督者業
  • 不動産鑑定業
  • デザイン業
  • 諸芸師匠業
  • 理容業
  • 美容業
  • クリーニング業
  • 公衆浴場業(銭湯)
  • 歯科衛生士業
  • 歯科技工士業
  • 測量士業
  • 土地家屋調査士業
  • 海事代理士業
  • 印刷製版業
3%
  • あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復
  • その他の医業に類する事業
  • 装蹄師業

課税されない職業

事業税が課税されない職業の例は、以下のとおりです。

  • ライター
  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • 漫画家
  • 作家
  • 翻訳家
  • ミュージシャン
  • スポーツ選手
  • 動画編集
  • YouTuber
  • ライバー
  • せどり

上記の職業は基本的に事業税が課税されません。

ただし、業務の内容によっては課税の対象になる可能性があります。

例えば、エンジニアやライターなどは、仕事内容が法定業種にあてはまる「請負業」と判断されると事業税がかかります。

広く解釈すると法定業種に該当し、狭く解釈すると該当しないなど、担当者の判断によって違いがある場合があるため注意が必要です。

納税義務がない業務内容で課税されないよう、事業を担当者にきちんと説明できるようにしておきましょう。

開業届の職業欄の書き方

開業届の職業や事業の概要は、書き方に特別なルールはありません。

具体的な職業と事業内容の記載例を以下に紹介します。

職業 事業の概要
ブログ運営 文筆業、ブロガー Webサイトの記事作成、Webサイトの管理
漫画家 漫画家 漫画を描く活動全般
カフェ 飲食業 カフェの経営
Webデザイナー Webデザイン業 LP記事・Web広告の作成、ホームページのデザイン作成
システム設計 システムエンジニア ソフトウェアのシステム設計、プログラミング
学習塾 学習塾運営 塾の運営
ライバー 映像制作、動画クリエイター ライブ配信
せどり 物品販売業 インターネット販売
Uber Eats 配送業 料理配達を受託する

職業が複数あるときの開業届の書き方

職業が複数ある場合は、開業届をどのように書けばよいのでしょうか。

以下、2つの場合について解説します。

複数の仕事で収入に差がある場合

ブログ収入100万円やWebライター収入300万円など、事業収入に差がある場合は、収入が多い「Webライター」を記載します。

複数の事業をおこなっても開業届を複数提出する必要はありません

ただし、屋号を使い分けたい場合は、複数の開業届を提出しましょう。

どの仕事も収入が同程度の場合

どの仕事も収入が同程度ならば、開業届の職業欄には「ブログ運営、Webライター」のように並べて記入しましょう。

事業税の税率は、確定申告書に記入した業種をもとに決定されます。

課税対象でない事業がある場合は、確定申告の事業税の項目で非課税額を記入しなければいけません。

引用:令和5年分 所得税等の確定申告

記載内容に迷う場合は、確定申告前に都道府県税の担当者や税理士に相談することをおすすめします。

事業内容に変更があった場合は開業届を再提出すべき?

開業届の提出後に、事業の変更があっても再提出は必要ありません。

確定申告書に変更後の職業を記載しましょう。

ただし、もとの事業を廃止して別の事業を新規でおこなう場合は、開業届の提出が必要です。

まとめ

開業届の職業欄の書き方について、具体例をあげて解説しました。

以下、まとめます。

  • 開業届に記入する職業は事業税に間接的に影響するため、確定申告書の職業と合わせる
  • 事業税が課税されない職業は、ライターやシステムエンジニアなど
  • 開業届には一般的な職業の名称を記入する
  • 複数の事業をおこなう場合は、収入の高い職業を記入する
  • 開業届の提出後、廃業以外の事業変更は再提出が不要

開業届の職業は特に記入のルールはなく、一般的な職業名を記入すれば問題ありません。

事業税に直接関係する確定申告書の職業は、記載に十分注意しましょう。

マイチョイス編集部

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