焼き鳥屋で開業しよう!独立を成功させるポイントを徹底解説

コラム

焼き鳥屋は広い年齢層に人気があり、未経験でも開業しやすい飲食店です。

開業のハードルが低く、競合店が多いため「開業するのは難しいのでは」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、焼き鳥屋の開業を目指す人にむけて、営業スタイルの違いや、準備しておくべき資金、開業に必要な資格など、くわしく解説します。

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焼き鳥屋で開業するメリット

焼き鳥屋で開業するメリットは、以下の4つです。

初期費用を抑えやすい

焼き鳥屋の初期費用は、立地や店舗の広さで費用は異なりますが、工夫次第で初期費用を抑えることが可能です。

「カウンターのみの小さいスペースで開業する」「賃料が安い店舗を探す」「居抜き物件を利用する」などの方法で、初期費用低めで開業できるでしょう。

材料費が安い

焼き鳥屋で使用する鶏肉は、牛肉や豚肉と比べて材料費が安く、毎月の運営コストを抑えられるメリットがあります。

鶏肉は、仕込みや焼く工程で料理の品質が決まります。その味が悪いとリピートしなくなる可能性が高くなります。

材料費と品質のバランスを取り、「炭火で焼く店」や「他店にないおすすめメニュー」など差別化を図ることが必要です。

メニューがシンプル

焼き鳥屋のメニューは、鶏肉の部位などシンプルです。

シンプルでわかりやすいメニューは、お客さまが悩まずに注文できるため、回転率のアップにつながります。

調理する側も、焼きの工程がメインとなるため、効率よく料理を提供できるメリットがあります。

未経験からでも始めやすい

焼き鳥屋が未経験からでも始めやすい理由は、「特別な資格がいらない」点があげられます。

営業に必要な「食品衛生管理者」の資格は、各都道府県で実施される講習会を受講すれば、確認テストを含め1日で取得が可能です。

また、焼き鳥は調理方法がシンプルなため、未経験からでも始めやすい業種といえます。

焼き鳥屋で開業するデメリット

焼き鳥屋で開業するデメリットは、以下の2つです。

ライバルが多い

焼き鳥屋は、すでに多くのライバル店舗が出店しています。

店舗型以外でも、テイクアウト専門店やキッチンカー販売など、さまざまなスタイルで営業する店舗が増加しています。

このように、ライバルが多い業界で経営を軌道に乗せるためには、綿密な事前準備と市場調査、コンセプトの明確化が重要です。

常にアンテナを張り、他店との差別化を図ることが必要です。

立地の影響が大きい

焼き鳥屋は、店舗の立地によって売り上げが大きく変動します。

コストを重視するあまり、初期費用や賃貸料の安さだけで立地を選ぶと、経営の失敗につながりかねません。

立地を選ぶ際のポイントは、ターゲット層を絞り、集客が可能であるかをよく検討することです。

例えば、サラリーマンをターゲット層にする場合は、「仕事帰りにふらっと立ち寄れる駅前」などの立地がおすすめです。

うまく集客できれば、料理とあわせてアルコールの売り上げも見込めます。

しかし、好条件の立地は賃料が高額になるため、十分な初期費用や運営資金を用意する必要があります。

焼き鳥屋で開業する際の営業スタイル

焼き鳥屋で開業する際の営業スタイルは、以下の3つです。

店舗型

店舗型は、固定の場所で自分の店を持つ、一般的な開業スタイルです。

お店の内装や、厨房機器を自由に選べるメリットはありますが、コンセプトと立地が合っていないと集客はうまくいかず、閉店に追い込まれる可能性があります。

また、物件の保証金や店舗の取得費など、初期費用が高額になりやすいため、開業後に「立地選びに失敗した」と思っても簡単に移転ができません。

店舗型での開業は、コンセプトを決めるまでの綿密な事前準備や、慎重な立地選びが重要です。

移動販売型

焼き鳥屋は、キッチンカーや軽トラなどで商品を販売する「移動販売型」の開業も可能です。

ランチタイムのビジネス街や、さまざまなイベント会場など、人が集まる場所に合わせて出店できる点がメリットです。

しかし、競合店が多く存在するため、目立つ看板やのぼりなどを使用して視覚的にアピールする必要があります。

また、SNSを活用した「◯時に△△で出店します」などの出店情報を知らせる広報活動も必須です。

フランチャイズ

焼き鳥屋の開業には、フランチャイズに加盟する方法があります。

個人経営が未経験の場合でも、フランチャイズのノウハウやマニュアルをもとに開業が可能です。

フランチャイズに加盟すると、知名度の高さを活用でき、開業当初から集客できるメリットもあります。

一方でフランチャイズは、期間内の契約解除ができない点や、売り上げに応じたロイヤリティの支払いなどがともないます。

加盟を検討する際は、契約内容を事前に確認しましょう。

焼き鳥屋の開業に必要な資金

焼き鳥屋の開業に必要な資金は、以下の2つです。

初期費用

焼き鳥屋で開業する場合、物件の取得費用や内装工事費などの初期費用が必要です。

焼き鳥を調理すると煙が多く発生するため、30坪前後の店舗で開業するのが一般的です。

30坪の店舗で開業する初期費用の目安は、以下のとおりです。

物件取得費 300万円〜1,000万円
内装工事費 20万円〜120万円
設備費 20万円〜50万円
備品購入費 30万円〜50万円
広告宣伝費 30万円〜200万円

物件の取得費用は築年数や立地によって異なりますが、少なくとも約300万円以上を準備する必要があります。

運営資金

焼き鳥屋は、食材の仕入れや家賃などの運営資金が必要です。

1ヵ月の売上が300万円〜350万円と仮定した場合、運営資金の目安は以下のとおりです。

人件費 100万円
賃貸料 30万円〜50万円
原材料費 100万円〜120万円
水道光熱費 20万円〜30万円
広告宣伝費 10万円
合計 260万円〜310万円

店舗の規模が大きくなるほど、人件費がかかります。

正社員ではなくアルバイトやパートを雇ったり、オーナーが業務を負担したりすることでコストが抑えられます。

また、食材の廃棄が増えると原材料コストが無駄になるため、仕入れの量を調整することも重要です。

経営が軌道に乗るまでには時間がかかるため、少なくとも運営資金の2〜3ヵ月分、できれば半年分を用意しておくと安全に経営ができます。

焼き鳥屋の開業に必要な資格・手続き

焼き鳥屋の開業に必要な資格と手続きは、以下の3つです。

食品衛生責任者

食品を取り扱う店を営業する場合、店舗ごとに食品衛生責任者を定めなければいけません。

食品衛生責任者の資格は、各都道府県が実施している講習会を6時間程度受講し、確認テストに合格すれば取得できます。

栄養士や調理師などの資格取得者がいない場合は、必ず受講しましょう。

飲食店営業許可

新しく飲食店を開業する際は、保健所から飲食店営業許可を受ける必要があります。

営業許可を受けるまでの手順は、以下のとおりです。

0.申請手続きの前に 店舗工事の開始前に、設計図面などを保健所窓口に持参し、設備が基準にあっているか相談する
1.申請手続き オープン予定日の2〜3週間前までに、管轄の保健所窓口で、下記書類を添え申請手続きをおこなう
・営業許可申請書
・店舗の構造および設備を示す図面2
・井戸水の使用の場合は水質検査成績書が必要
・食品衛生責任者証
・契約書の写し(事業譲渡の場合)
2.店舗の調査 店舗が基準に合っているか保健所が調査する
3.許可証の交付 保健所の確認後、許可証が交付される
4.許可後の注意事項 許可期限が定められているため、許可満了日を把握し許可満了日ごとに更新手続きをおこなう

防火管理者

飲食店を開業する場合、店舗の収容人数によって防火管理者が必要になります。

防火管理者とは、建物などの火災による被害を防止するため、消防計画を作成・管理する責任者を指します。

防火管理者の配置基準は、以下のとおりです。

収容人数 延床面積 防火管理者の必要性
30人未満 不要
30人以上 ・300平方メートル未満
・300平方メートル以上
・甲種または乙種防火管理者が必要
・甲種防火管理者が必要

収容人数30人未満であれば、防火管理者の設置は不要です。

30人を超える場合、甲種もしくは乙種の防火管理者の設置が必要になります。

防火管理者は、各自治体で実施されている防火管理講習に申し込み、受講すると資格がとれます。

講習終了後は、管轄の消防署に「防火管理者選任届出書」の提出を忘れずにおこないましょう。

焼き鳥屋の開業を成功させるポイント

焼き鳥屋で開業を成功させるポイントは、4つになります。詳細は以下のとおりです。

競合との差別化を意識する

焼き鳥屋は競合店が多いことから、差別化を意識した明確なコンセプトが必要です。

ターゲット層を意識し、多くのお客さまを呼び込めるようなコンセプトを決めましょう。

コンセプトの例は、以下のとおりです。

  • ブランド鶏を使った高級志向の店
  • 見た目にこだわり、インスタ映えや話題性を狙う
  • 気軽に立ち寄れる立ち飲み屋スタイル
  • ランチタイムに焼き鳥丼や定食を提供する

ターゲット層によって、設定するコンセプトは変わります。

事業計画を立てる際に意識しましょう。

立地にこだわる

開業する店舗のコンセプトが決まれば、次は本格的に物件探しを始めます。

立地によって営業スタイルが変わるため、物件を選ぶ際には注意が必要です。

ビジネス街は、仕事帰りのサラリーマンやランチタイムの営業など、安定した収益を狙えます。

また商店街は、客の年齢層が高くなる傾向があり、すでに大手チェーンなどが出店している場合、価格競争に負けるリスクに注意しましょう。

繁華街は、幅広い層がターゲットになる人気の物件ですが、取得費用や賃貸料が高額になるデメリットがあります。

また、焼き鳥屋はにおいや煙が強い重飲食の業種なので、「重飲食不可」の物件でないかを事前に確認しておきましょう。

コスパのよいメニューを展開する

焼き鳥屋を繁盛させるには、お客さまにとって「コストパフォーマンスの高い店」にする必要があります。

いくら値段が安くても、品質や見た目の悪い料理ではリピーターは作れません。

焼き鳥は、調理する人によって味が大きく変わる料理です。

調理技術を磨いて、お客さまの満足度をあげるよう心がけましょう。

集客方法を確保する

店の認知度を高めるために、開業前から集客方法を確保します。

集客方法の例は、以下のとおりです。

  • ホームページ作成
  • Googleマイビジネスに登録
  • Instagramなど、SNSを発信する
  • チラシや新聞広告など

20〜30代は、Instagramで話題のお店を探します。そのため定期的にSNSで発信する方法は効果的です。

近隣にチラシを配るなどもひとつの宣伝になりますが、現代はWeb集客が一般的です。

ホームページを作成して、店の雰囲気やお得なサービス情報、わかりやすい店舗へのアクセス方法などを掲載するとよいでしょう。

キャッシュレス決済に対応する

キャッシュレス決済の利用者は年々増加しており、焼き鳥屋の開業でも導入は必須です。

特に外国人観光客は、支払いをキャッシュレス決済でおこなう場合が多く、現金のみで営業している店は選ばれない可能性もあります。

キャッシュレス決済を導入する場合、決済機器のコストや登録手続きの作業が必要になります。

しかし、釣り銭の間違いや現金を店舗に置いておく必要がなくなるなど、メリットは多いです。

キャッシュレス決済の入金サイクルは、サービスにより異なります。

どのタイミングで入金されるかしっかり把握しておきましょう。

まとめ

焼き鳥屋の開業を成功させるポイントについて解説しました。

まとめは、以下のとおりです。

  • 焼き鳥屋の開業には、材料費が安いなどのメリットがある
  • 焼き鳥屋を開業する際は、ライバルが多い点に注意が必要
  • 焼き鳥屋の営業スタイルには、店舗型、移動販売型、フランチャイズがある
  • 焼き鳥屋を開業する際は、食品衛生責任者の資格や飲食店営業許可が必要
  • 焼き鳥屋の開業を成功させるポイントは、競合との差別化を意識すること

焼き鳥屋で開業する際は、開業方法の違いや必要な資格の取得、資金準備、集客方法を確保するなど、やるべきことがたくさんあります。

開業を成功させるために、入念なリサーチをおこない競合との差別化を図りましょう。

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