「独立したいけど、事業のアイデアやノウハウがない」
そんな人は、フランチャイズでの独立を検討してみませんか?
フランチャイズでの起業は、すでに成功している企業ブランドやノウハウを利用できるので、事業未経験でも短期間でスタートしやすく、独立開業より成功確率が高いのが特徴です。
ただし、どのフランチャイズを選んでもよいわけではありません。
成功するには、いくつかの注意点が存在します。
本記事では、フランチャイズ加盟で失敗しないための選び方を解説します。
独立、開業を考えている人はぜひこの基礎知識をおさえ、フランチャイズ選択時の参考にしてください。
失敗しないフランチャイズの選び方9選
どのフランチャイズを選ぶかで、成功の確率は大きく変わります。
失敗しないためにも、フランチャイズを選ぶ際は、以下の9点を確認しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
【選び方①】将来性
1つ目のチェックポイントは、将来性です。
これまで急速に成長していても、今がピークの事例は珍しくありません。
フランチャイズを始めようと考えている事業分野が今後も伸び続けるかは、その本部の業態が強みを持っているかどうかの観点で判断します。
具体的には、下記の5点をチェックしましょう。
1つずつ見ていきます。
今後も市場規模が拡大していく
フランチャイズ検討の際、市場規模が今後も拡大する可能性があるかを見極めることが重要です。
参入する市場が拡大していけば、成功の確率が上がります。
市場の拡大見通しを評価するためには、3年後の市場規模の予測値を参考にしましょう。
市場規模の予測値が1,000億円を超えている場合、市場の拡大が見込まれるため、安心して参入できるでしょう。
しかし、予測値が100億円以下の場合は、詳細確認が必要です。
さまざまな立地で展開できる
どこに店舗を置くかは、事業を成功させるための大切な要素です。
フランチャイズの選択では、さまざまな立地で開業できる事業をおすすめします。
なぜなら、特定の場所に特化するよりも、複数の立地で展開できる方が開業する場所を見つけやすくなるからです。
また、対応可能な立地が多いほど、将来的に複数店舗経営もしやすくなるでしょう。
超繁盛店が複数ある
平均売上高の3倍以上もの売り上げを出している「超繁盛店舗」が複数存在している場合、そのフランチャイズ事業で成功する可能性が上がります。
その理由として、複数の店舗が超繁盛していることは、その事業やビジネスモデルが地域的な需要や一時的なトレンドに関係なく成功していることを示しているからです。
そのため、他の地域や条件でも同様の成功を収める可能性が高いと考えられるでしょう。
総店舗数によって異なりますが、10店舗以上の超繁盛店があるのが望ましいです。
既存店舗の成長率が高い
既存店舗の成長率も、将来性を評価するうえで重要な指標の1つです。
既存店舗が成長している場合、そのフランチャイズが持つビジネスモデルや業態が市場で受け入れられていることを示しています。
過去2年間の既存店の成長率は、年平均105%以上であることが望ましいです。
一方、成長率が80%未満だと、不安が残ります。
成長率が高いほど、そのビジネスが持つ潜在能力や将来性は高いと考えられるでしょう。
店舗の閉鎖率が低い
店舗数が多くても、閉鎖率が高い場合はおすすめしません。
過去2年間の年平均閉鎖率が2%未満であれば、不安は少ないです。
しかし、もし気になるフランチャイズ店舗の閉鎖率が10%以上の場合、なぜその店舗が閉鎖したのか、その背景や経緯を詳しく確認した方がよいでしょう。
【選び方②】収益性
2つ目のチェックポイントは、収益性です。
多くのフランチャイズ加盟希望者にとって、収益性は大きな関心事ではないでしょうか。
費用を抑えつつ効率的に利益を得ることができれば、事業の成功率が高まります。
収益性が高いフランチャイズの特徴として、以下の5点が挙げられます。
1つずつ説明します。
利益率が高い
営業利益率とは、下の図のように売上高から売上原価・販売費・一般管理費を引いた利益のことで、本来の営業活動から得た利益を指します。
引用:Money Forwordクラウド会計|売上高営業利益率とは?計算方法や業種別目安を解説
営業利益率が高い場合、本来の営業活動による収益が増加し、売上高に対する利益が大きくなるため、事業の成功につながります。
業種にもよりますが、営業利益率が20%を超えれば、高い利益率です。
ロイヤリティの割合が低い
フランチャイズに加盟すると、基本的には毎月ロイヤリティを支払う必要があります。
ロイヤリティの支払い方法は、売り上げの一定割合や定額制など、事業ごとに異なりますが、この割合が低ければ費用が抑えられるので収益が高まります。
業種によっても異なりますが、売り上げに対する割合でロイヤリティが決まる場合、5%未満だと低い設定です。
ただし、ロイヤリティが低くても、別途管理手数料などが月々請求される場合があるので、注意が必要です。
オーナーの収入が高い
加盟店のオーナーが高収入であれば、同様に高収入を得る可能性があります。
オーナーの年収は、1,000万円を超えることが理想的です。
300万円以下の収入では、加盟しても目標の収入を得るのは難しいかもしれません。
加盟を検討する際には、オーナーがどのくらいの収入を得ているのかを確認してみましょう。
投資回収期間が短い
投資した金額は、できるだけ早く回収できる方が望ましいです。
理想的な回収期間は1.5ヵ月です。
もし回収期間に10年以上かかるようであれば長すぎるため、他のフランチャイズを検討したほうがいいかもしれません。
労働分配率が適正
労働分配率とは、付加価値に占める人件費の割合を表すもので、適切な人件費かどうかを判断するための指標です。
労働分配率が高いと、人件費へコストをかけすぎている可能性が高く、経営を圧迫する原因になるかもしれません。
しかし、低ければいいわけではありません。
労働分配率が低すぎると、従業員のモチベーションが下がってしまい、サービスの低下につながる可能性があります。
フランチャイズの労働分配率は、25〜35%が理想的です。
【選び方③】開業に必要な資金
3つ目のチェックポイントは、開業に必要な資金です。
フランチャイズに加盟して開業する際には、さまざまな費用がかかります。
初期費用が比較的少額で300万円以下の本部もありますが、飲食業など店舗や設備に費用がかかると1,000万円から数千万円になる場合もあります。
用意できる資金額によって加盟できる本部の選択肢が変わるので、フランチャイズ加盟を検討する際には、事前に必要な資金を十分に確認し、計画的に準備をおこないましょう。
ここでは、加盟する際に必要な初期費用と、開業後の運転資金の2点について説明します。
初期費用
開業にあたって必要な初期費用の種類は、大きく下記の3つに分けられます。
項目 | 内容 |
本部に支払う費用 | フランチャイズ加盟費、研修費、保障金、店舗設計支援費、開校支援費(塾などの場合)など |
店舗等準備費用 | 店舗取得費(物件取得補償金・仲介手数料・前家賃) 改装費(※居抜き物件かスケルトンかで変動あり) 設備費(電話加入権・インターネット回線整備費など) 備品代(椅子・机・パソコン・電話機・什器・小物など) 広告宣伝費(名刺・チラシ・ホームページ作成・求人広告費など)など |
その他費用 | 仕入れ(商材・食材など) 保険料(損害賠償保険・火災保険など)など |
明細ごとの具体的な金額は、各フランチャイズ本部に問い合わせれば回答してもらえます。
その際に、高額な費用だけでなく、細かな少額の費用についても詳細に説明してもらうことが大切です。
そうすれば、加盟に際して必要なすべての費用を把握でき、十分な準備ができるでしょう。
運転資金
初期費用だけでなく、賃料や人件費、仕入れ代など、運営には維持費用がかかります。
フランチャイズでの開業は、一から開業する場合と比べると開店時から顧客がつく可能性はありますが、それでもすぐに軌道に乗れない場合に備えて、半年から1年分の運転資金や生活資金の確保が必要です。
「初期費用は準備できたけど、運転資金がぎりぎり」そんな場合は、融資を受けるのも1つの方法です。
アントレでは無料会員に登録すれば、独立・開業時に役立つ融資制度(一例)のご紹介をしています。
費用で諦めてしまう前に、融資制度を活用して安心してフランチャイズ事業を続けていきましょう。
【選び方④】競合との差別化
4つ目のチェックポイントは、競合との差別化です。
競合との差別化が図れることで、フランチャイズの競争力は高まります。
競争力があるかどうかは、どの程度差別化されたセールスポイントがあるかで判断できます。
差別化を図るために重要な、この5つの点を見ていきましょう。
コンピュータ化が進んでいる
コンピュータ化が進むことによって、より迅速で効率的なサービスの提供や、商品の製造・販売にかかる時間や労力の削減につながります。
また、顧客データや業務データを効果的に収集・分析し、顧客ニーズや市場トレンドを把握ができれば、より的確なマーケティングや商品開発をおこなうことができます。
コンピューター化がまったくされていないと、業務の効率性や競争力が低下する可能性があるため不安です。
双方向オンラインが導入されているとベストでしょう。
有名なオリジナル商品がある
オリジナル商品が高い評判を得ており、多くの人に認知されていれば、同業他社に対して有利です。
顧客は単に商品の価格だけでなく、その商品やサービスを求めてお店やサービスを利用するため、独自の価値や魅力を持つ商品やサービスに対しては、価格を気にせず支払います。
そのため、有名なオリジナル商品があれば、価格競争にも陥りにくいでしょう。
ブランドとしての認知度が高い
ブランドとしての認知度が高いかどうかも、差別化を判断するうえで大切なポイントです。
顧客は認知度の高いブランドに対して信頼を抱きやすく、その結果、継続的に利用する可能性が高まります。
また、新規顧客が商品やサービスを選ぶ際にも、ブランドの知名度は重要な役割を果たします。
このため、高いブランド認知度は市場での競争で有利な位置を築くことができ、事業の成長や拡大につながるでしょう。
業界内では、平均レベル以上のブランド認知度を保つことが望ましいとされています。
競合本部数が少ない
同じ地域で運営する競合本部は、少ないに越したことはありません。
競合が少ないと、顧客の選択肢が限られるため、特定の市場や地域でのシェアを確保しやすくなります。
また、独自性のあるサービスや商品を提供していれば、競合他社との比較で優位に立つことが可能です。
商品の開発頻度が高い
フランチャイズ本部の商品開発の頻度が高ければ、市場のニーズやトレンドに迅速に対応できます。
顧客のニーズや好みは絶えず変化しているので、市場の変化にアンテナを張り、時代の変化にあった商品やサービスをいち早く提供できれば、競合他社との差別化につながります。
また、常に新しい商品やサービスを提供し続けることで、新規顧客の獲得にもなるでしょう。
業種によって異なりますが、1年に複数回商品が開発されるのが理想的です。
【選び方⑤】加盟店へのサポート体制
5つ目のチェックポイントは、加盟店へのサポート体制です。
フランチャイズに加盟する場合、未経験の事業に携わるケースも珍しくありません。
そのため、本部からのサポート体制の充実度が、事業の成功に大きく影響します。
本部のサポート体制は、次の5つで見極めましょう。
それぞれ説明します。
SVの担当店舗数が少ない
SV(スーパーバイザー)が、1人で何店舗担当しているかの確認は必須です。
1人あたりの担当店舗数が少なければ、担当者は個々の加盟店に多くの時間を割くことがことができます。
そのため、加盟店が直面する問題や課題に、適切に対応してもらえるでしょう。
もし、1人で20店舗以上担当している場合は、SVによる細かいサポートが受けられないかもしれません。
質の高いサポートを希望する場合は、SVの担当店舗数が少ない本部を選びましょう。
SVの業務範囲が広い
SVの担当店舗数はもちろんですが、業務範囲の確認も大切です。
加盟する本部によって、経営に対して専門的な支援やアドバイスを提供してくれる場合もあれば、本部との連絡を取るだけで終わる場合もあります。
サポート体制は加盟店の業績や運営に大きな影響を与えるため、事前に細かいサポート体制の確認をし、SVの業務範囲が広い本部を選びましょう。
広告費が多い
広告キャンペーンやプロモーション活動など、広告費に多くの資金を投入し、効果的な広報戦略を取っている本部もよい選択肢です。
紙媒体だけでなく、テレビやイベントでの積極的な広告活動が、ブランドの認知度を向上し、集客力や新規顧客の獲得につながります。
本部の規模により年間広告費に差はありますが、大手の場合、10億円以上あるとよいでしょう。
ただし、広告宣伝費は加盟者から徴収した資金も利用されているため、広告費の多さだけでなく、どのような広告宣伝をおこなっているのかを確認しておくことも重要です。
研修頻度が多い
加盟店への教育体制が充実している本部は、研修の頻度が多い傾向があります。
繰り返しになりますが、フランチャイズでは未経験で事業に携わる人が多いです。
そのため、サポートがしっかりした本部を選ぶと安心でしょう。
開業前の研修のみおこなう本部もありますが、それでは運営品質が低下してしまう恐れがあります。
開業後も定期的な研修をおこなうことで、加盟店の経営スキルやサービス品質も向上し、顧客満足度も上がるでしょう。
マニュアルが整備されている
マニュアルが整備されていると、統一された運営がおこなえます。
この場合、経験が浅い場合でも他の加盟店と同様のサービス提供が可能になるので、顧客はどの加盟店を利用しても同じ品質のサービスを受けることができるでしょう。
また、マニュアルに一般的なトラブルシューティングや問題解決の手順が具体的に記載されていれば、これを参考にして適切な対処をおこなうことができます。
マニュアルが整備されていることで、運営がスムーズにおこなわれるでしょう。
【選び方⑥】本部の誠実度
6つ目のチェックポイントは、本部の誠実度です。
フランチャイズへの加盟は、本部に対する信頼があってこそです。
本部が情報を偽って提供するのはもってのほかですが、金儲け主義に陥ってしまい、誠実ではないケースもあります。
本部がどのように事業を運営しているか、そして社会的意義をどう意識しているかも誠実度を知るうえで重要です。
誠実度を知るために、次の3点を確認しましょう。
それぞれ詳しく説明します。
本部の情報が明記されている
フランチャイズ本部には、加盟希望者に対して「法定開示書面」で契約前にさまざまな情報の開示をするよう中小小売商業振興法(第11条)で義務付けられています。
まずは、この書面で本部の基本的な以下の4点の情報を確認しましょう。
万が一、法定開示書面がない場合は、その本部への加入は辞めておく方が賢明です。
本部の規模・事業内容
本部事業者の氏名および住所、従業員数、本部事業者の資金および主要株主、ほかの事業の種類について確認しましょう。
これらの情報で本部の規模や事業内容を把握できます。
本部の財務状況
本部事業者の財務状況を把握し、成長性や収益性、安全性を確認するために、本部事業者の直近3年事業年度の賃借対照表および損益計算書の内容をチェックしてください。
これらの情報を通じて、本部事業者の資産と負債の状況、収益や利益の動向、および財務安定性などを把握できるでしょう。
出退店数の推移
出退店数の増減は、本部の将来性を判断する参考になります。
成長しているフランチャイズは店舗数が伸びていきますが、問題がある場合は店舗数の減少や停滞などが見られます。
フランチャイズ事業の開始時期や、直近の3事業年度における加盟者の店舗推移を調べておきましょう。
フランチャイズ契約に関する起訴件数
フランチャイズ契約に関する起訴件数は、本部と加盟店の信頼関係がどうなっているかを判断する材料になります。
どのくらい訴訟が起こったか、直近5事業年度におけるフランチャイズ契約に関する訴訟の件数をチェックしておきましょう。
フランチャイズ運営に関する規定が明記されている
フランチャイズ運営に関する規定も、法定開示書面に記載されています。
これらは、フランチャイズに加盟し、実際に運営していくにあたって重要な項目です。
確認項目は、以下の6つです。
それぞれ見ていきましょう。
営業時間・営業日
営業時間や営業日の確認は、自身のライフスタイルに合った経営ができるか知るために大切です。
また、従業員を雇用する場合には、採算が取れるのかの把握もできるでしょう。
テリトリー権の有無
テリトリー権は、本部が加盟店に営業地域を特定する権利で、競合を避けるためのものです。
特定地域の競合店舗の出店を制限することで、加盟店のビジネスを保護します。
テリトリー権の有無を確認し、もしテリトリー権がない場合、出店希望地域での競合店舗の出店計画がどうなっているか確認しましょう。
解約・契約終了後の規定
解約や契約終了後には、加盟者に対するさまざまな制限がかかる可能性があります。
例えば、他のフランチャイズへの加盟禁止や類似事業での就業制限、事業に関する情報の開示の禁止または制限があります。
他にも、営業禁止や制限に関する規定がないかの確認もしておきましょう。
ペナルティを確認してなかったために、契約終了前に解約しようとしたときに、莫大な違約金を求められるケースも発生しているので、注意が必要です。
ロイヤリティ・売上金の送金に関する規定
ロイヤリティなどの定期的な支払いに関する事項については、計算方法や根拠をしっかり確認しましょう。
また、売上金の送金時期や方法についてもチェックし、本部との相殺勘定や会計処理の仕組みの理解も必要です。
これにより、適切な会計管理ができるでしょう。
規約義務違反について
契約違反に対するペナルティについては、十分に理解しておきましょう。
契約違反により違約金が課される場合や、契約解除や法的手続きがおこなわれる場合など、契約違反の種類や重大性に応じて、ペナルティは異なります。
契約に違反した場合に生じる金銭の支払いやその他義務の内容など、どのような契約違反に対し、どのようなペナルティが課されるかの把握は重要です。
研修・指導について
研修や指導に関する方法や回数の確認とともに、受講にあたって費用がかかるかも確認してください。
もし、費用が発生する場合は、その内容や金額を把握しておきましょう。
事前に把握すれば、受講の準備をより効果的におこなえます。
本部の体制が整っている
信頼できる組織かを判断する際には、本部の体制が重要です。
フランチャイズが適切に組織化されていると、管理体制がしっかりしているため安心感があります。
また、フランチャイズ事業の責任者として役員以上の専任者が配置されている場合、トップがフランチャイズ事業に積極的に取り組んでいると判断できます。
【選び方⑦】本部の経営状況
7つ目のチェックポイントは、本部の経営状況です。
フランチャイズは原則として永続的な関係を築きますが、本部の経営状況が不安定であれば安心できません。
本部を選ぶ際には、どのような経営状況かも確認しましょう。
チェックするのは、次の4つの項目です。
上記のチェック項目の説明後、本部の経営状況を確かめる方法について紹介します。
チェーン売上や本部売上が好調
チェーン売上や本部売上が好調な場合、フランチャイズ本部の経営が安定していることを示します。
また、好調な売り上げは、さらなる成長やブランド価値の向上にもつながります。
業種によって異なりますが、チェーン(末端)売上が500億円以上、本部売上が300億円以上あるのが理想的です。
店舗数が一定数ある
市場で成功している事業は、一定数以上の店舗があります。
一定数がどのくらいかの具体的な数を決めるのは難しいですが、基本的に10店舗以下の場合は少ないです。
ただし、この店舗数は本部の成長段階がどの程度かでも変わります。
もし興味のあるフランチャイズの店舗数が10店舗以下の場合は、現在の成長ステージも含め詳細を調べたほうがいいでしょう。
知名度が十分にある
知名度が高いと、加盟店の成功率が向上します。
なぜなら、消費者にとって馴染みのあるブランドは、開業後も一定の顧客を確保しやすいからです。
例えば、ハウスクリーニングを依頼する際、知名度の高い店舗の方が信頼されるため、利用される確率は上がるでしょう。
ブランドの認知率は、50%以上あることが望ましいです。
業界地位が高い
フランチャイズを始める際は、業界での地位が高い本部を選ぶことをおすすめします。
業界でのポジションは、ビジネスの収益に大きく関わります。
本部の成長段階にもよりますが、トップ10の本部を選んだ方がいいでしょう。
調べる際は、市場シェアや競合他社との比較、顧客からの支持度など、フランチャイズ本部が提供する情報だけでなく、業界誌なども参考にして評価しましょう。
本部の経営状況を確かめる方法
ここまで本部の経営状況を知るうえで、確認すべき内容について説明しました。
しかし、「どこで情報を調べたらいいの?」や「いろいろあってどれが参考になるかわからない」と迷う人もいるかもしれません。
本部の経営状況を調べる情報源には、雑誌、インターネット、書籍、イベント、パンフレット、新聞・チラシ類、法定開示書面、諸団体・公的機関など、さまざまな媒体があります。
ここでは、それぞれの媒体の比較や説明をしてるので、参考にしてみてください。
正確さ | 信ぴょう性 | 手軽さ | 費用 | |
雑誌 | 〇 | 〇 | △ | △ |
インターネット | △ | △ | 〇 | 〇 |
書籍 | 〇 | 〇 | △ | ✕ |
イベント | 〇 | 〇 | △ | △ |
パンフレット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
新聞・チラシ | △ | △ | △ | △ |
法定開示書面 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
諸団体・公的機関 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
雑誌
専門誌は、各ジャンルのフランチャイズ情報を包括的かつ豊富に提供しているため、業界情報を学ぶのに適しています。
また、専門家による監修がおこなわれているので信頼性が高いです。
代表的なものにアントレなど「独立・開業」のための総合専門誌があります。
インターネット
『アントレのホームページでは、さまざまなフランチャイズ本部の情報や加盟の基礎知識に加えて、成功事例も充実しています。
その他、フランチャイズ比較サイトも参考になります。
比較サイトではジャンル別や地域別、開業資金別などで簡単に検索できるので便利です。
ただし、無料で情報を入手できる反面、同じフランチャイズ事業でもサイトごとに記載内容が異なることがあるので、情報の信憑性を見極める必要があります。
書籍
「ザ・フランチャイズ」(ダイヤモンド社)では、フランチャイズ本部の状況を疑似体験できる構成になっています。
また、フランチャイズで検索すれば、多数の関連書籍が見つかります。
多くの書籍を読むことで、さまざまな視点からの情報を収集できるでしょう。
イベント
日本最大の総合的なフランチャイズ本部の展示会には、年1回開催される「フランチャイズ・ショー」(日本経済新聞社主催、日本フランチャイズチェーン協会特別協力)があります。
また、アントレ アカデミーでは、セミナーやイベントが開催されています。
イベントへの参加で、思いもよらなかった本部が見つかる可能性や、資料ではわからない「自分の場合はどうなのか」などの個別の情報も得られるでしょう。
パンフレット
フランチャイズ募集用パンフレットは本部が発行するため、詳細で豊富な情報が掲載されています。
情報量が多いため、以下の表のポイントをチェックして効率的に確認しましょう。
引用:アントレSTYLE MAGAZINE|情報収集 ~失敗しないための【FC加盟】基礎知識~ 第4回
新聞・チラシ
「日経MJ」などの新聞には、フランチャイズに関する参考記事が掲載されることがあります。
また、折り込みチラシにはさまざまなフランチャイズの広告が載っており、商品やサービスの内容やPRが参考になるでしょう。
法定開示書面
法定開示書面は、本部が加盟希望者に提供する、事業内容や契約内容などを開示する書類です。
法律で加入希望者への開示と説明が義務付けられており、各本部で入手可能です。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会のWebサイトでも閲覧できます。
情報の正確性や信頼性は高いですが、内容が専門的でわかりにくい場合があります。
諸団体・公的機関
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会では、多くの本部が会員となっており、フランチャイズビジネスに関する情報を提供しているため信憑性があります。
また、アントレでは「アントレ提携の相談員がプロの目線で無料アドバイス」をおこなっています。
このサービスは1対1の個別相談になり、相談者に合った解決策を提案・紹介をしているので、適切な情報を得ることができるでしょう。
アントレに登録すれば、無料で利用できるので、気軽に試してみてください。
【選び方⑧】実際に会った印象
8つ目のチェックポイントは、実際に会った印象です。
フランチャイズ本部を最終的に1つに絞り込んでいくためには、実際に会ってみることが大事です。
本部や加盟店への訪問を通じて「自分が本当にやっていけるか」を判断できるでしょう。
ここでは、説明会への参加と、本部や加盟店訪問の際に質問すべき点を説明します。
説明会に参加する
フランチャイズ本部の多くは、事業説明会を開催しています。
参加費は無料なので、気軽に参加してみましょう。
説明会では、経営理念や事業内容、将来の展望、既存店の状況などが具体的に説明されます。
特に既存店の説明では、自分がやっていけるかどうかチェックしましょう。
また、説明会では直接本部社員に質問できるので、気になることは事前にメモしておくことをおすすめします。
ただし、説明会で業績や成功確率を過大に宣伝する場合や、加盟契約を強要するような本部には注意してください。
相性を感じたら、本部や加盟店を訪問して、実際の状況を確認しましょう。
参考フランチャイズの説明会に関する詳しい情報はこちら
本部へ質問する
本部に直接確認しておいた方がいいことを、ピックアップしました。
確認すべき理由についても説明するので、質問する際の参考にしてください。
経営理念を加盟店に浸透させるためにしていること
経営理念は企業の信念そのものです。理念が浸透していなければ、オーナーごとのレベル差が出て、顧客満足度が下がるでしょう。
契約期間途中の解約件数と、解約になった背景
業績不振での解約の場合、オーナーの自覚が足りなかったのか、本部の立地調査が甘かったなどの理由を知ることで本部の対応状況がわかります。
何をもとに収益シミュレーションを算出しているのか
理想値だけを収益シミュレーションとして伝えるケースや、既存店の実際のデータではないケースもあるため、しっかりしたデータをもとに算出しているのか確認が必要です。
ロイヤリティは何に対して払うお金か
ロイヤリティと称し、加盟店が支払う必要のない費用まで徴収したり、サポートができない理由で安いこともあります。
複数店舗オーナーの割合
1店目が軌道に乗れば、2店舗、3店舗と複数店舗経営を考えるのが自然です。
複数店舗経営者の存在は、オーナーが満足しているかを測る指標になります。
加盟店へ質問する
加盟店訪問したときに、質問しておいた方がいいことをピックアップしています。
本部には聞けないマイナス情報も聞き出し、加盟店の実情も確認しておきましょう。
開業して困ったことはあるか
本部への不満がある場合は、具体的なエピソードや不満の理由を聞くことで、本部とのずれなど、真因がわかるかもしれません。
スーパーバイザー巡回時以外で、相談が可能か
開業後には不安や心配、問題も生じます。
そんなときはスーパーバイザーの訪問を待つ余裕はないはずです。
すぐ相談できるかで、早い解決につながります。
加盟店の裁量権はどこまで認められているか
許容範囲が狭ければ売り上げ不振のときの、対策が難しくなるでしょう。
また、自由度を重視したい場合は、ある程度裁量が認められているフランチャイズブランドの選択をおすすめします。
オーナーが倒れたり、人手が足りないときに、本部のサポートがあるか
オーナーが急病で経営ができなくなれば、事業存続の危機ですし、従業員などの人手不足に悩む場合もあるでしょう。
そんな時に、本部からのサポートがあれば安心です。
マニュアルは全業務をカバーし、理解しやすいか
マニュアルは店舗経営の必需品です。
経験が浅い人でも、理解しやすいマニュアルになっているのかは重要です。
【選び方⑨】業種への興味関心
9つ目のチェックポイントは、業種への興味関心です。
フランチャイズを選ぶ際には、自身の業種への興味関心が重要です。
以下のポイントを考慮して、自分に合った業種を見つけましょう。
自分が好きな分野・得意な分野である
フランチャイズには多岐にわたる業種がありますが、始めるのなら、自分が好きな分野や得意な分野を選びましょう。
自分が好きな分野の場合、未経験でも熱意を持って取り組むことができますし、得意とする分野であれば、業務の遂行や問題解決がスムーズにおこなえるでしょう。
自分が楽しんで取り組める業種は、モチベーションを維持しやすくなり、業績の向上につながります。
すでに取得しているスキルや資格を活かせる
自分のスキルや資格を活かせるフランチャイズだと、なおよいでしょう。
スキルや資格を活かすことで、業務の効率化や品質向上が図れますし、過去の経験が活かされることでトラブルが起こった際にも適切な対応ができます。
さらに、専門性を磨くことで競合との差別化を図ることも可能です。
もし、自分の興味や関心がわからない場合は、アントレの無料診断の利用がおすすめです。
アントレでは、「あなたの性格にピッタリな独立した働き方がわかる無料診断」を無料会員に登録した方に向けておこなっています。
この診断では、23万人のアンケート調査や3000項目以上のデータベースをもとに、あなたの性格や傾向に合った業種を客観的にフィードバックしてくれます。
自分に合った業種を見つけたい方は、ぜひアントレを利用してみてください。
まとめ
- 未経験の事業を始める場合は特に、本部がどれだけサポートしてくれるか確認しておく必要がある。
- 将来性があり、信頼できる本部を選択する。
- フランチャイズ本部の情報収集にはさまざまな媒体を利用し、いろいろな角度から調べてみる。
- 情報収集だけでなく、実際に本部や加盟店へ足を運び、生の声を聞いたうえで、自分ができそうか判断する。
- 長期的に続けていくためには、自分の興味や関心のある業種を選ぶことが大切。
正しくフランチャイズ本部を選択できれば、事業の成功確率は上がります。
しかし、どの本部を選ぶか決定するには、多くのチェック項目を確認する必要があるため、1人でおこなうのは難しい人もいるでしょう。
失敗を避けるためにも、専門家を頼るのも一つの方法です。
アントレでは、独立・開業を考える人に向けて、フランチャイズ関連の動画や融資制度の紹介、働き方の無料診断など、さまざまな役立つツールやコンテンツを提供しています。
これらのコンテンツはすべて無料で利用できるので、ぜひ会員登録して、フランチャイズ開業に役立ててください。