仕事を辞める理由は何でも自由ですが、本音の理由を会社にそのまま伝えるわけにもいきません。
そうかといってあいまいな理由だと、今度は引き留められるのが心配……。
この記事では引き留められずに確実に退職できる理由を解説しています。
記事を参考に、自分に合った最強の退職理由を作ってすっきり退職を決めましょう!
仕事を辞める主な理由
「こんな理由で退職を考えていいのだろうか?」と思っていませんか?
どのような理由でも、退職は労働者の自由です。仕事を辞めたい理由を見直し、行動のきっかけにつなげましょう。
給与に不満がある
仕事内容に不満はなくても、「同年代の友達はもっと給与をもらっているのに」「頑張って働いているのに給与が全然上がらない」と退職が頭をよぎることはないでしょうか?
給与が十分でないと、生活のすべてに我慢が必要になり、働いている意味がだんだん感じられなくなります。
特に周囲と比べて給与が低いと劣等感も増してきます。
「転職したほうが給与上がるかも」と考えるのは自然です。
人間関係が悪い
1日の大半を過ごす職場での人間関係が悪いと、毎日が暗い気持ちで始まり、そのまま1日が終わっていく日々が続くうちに仕事への意欲も失われてしまいます。
「毎日職場の雰囲気が重くて息が詰まる」「複数の上司同士の仲が悪くて、何をするにも意見が分かれて気を遣うし疲れる」と感じ、退職して今の人間関係から解消されたい人もいるでしょう。
労働環境に不満がある
「職場の労働環境が過酷で、仕事とプライベートのバランスが取りにくい」「一度仕事が始まると長い間休憩もろくに取れないせいで、休みがあっても疲れが取れない」と不満を溜めているケースもあります。
給与が良くても、不規則な勤務や長時間勤務が続くと徐々に健康に影響が出てきて、この先続けられないと感じる人もいます。
年を重ねたり家族を持ったりしたときに、今の仕事を辞めてもっと安定した労働環境の仕事に転職したいと思う人も多いでしょう。
仕事内容に魅力を感じない
興味もなくやりがいもあまり感じない仕事だと時間が過ぎるのが長く感じます。
毎日今の仕事をずっと続けるために会社に行くと考えただけで、気が重くなってしまうかもしれません。
「毎日毎日単純作業の繰り返し」「自分の能力や興味に合わない業務ばかりでモチベーションが上がらない」と感じて仕事を辞めたい人もいるのではないでしょうか。
将来性に不安を感じる
「業界全体が衰退していて、会社は将来大丈夫なのか」と会社への不安を感じたり、「今の仕事ではスキルアップや昇進が見込めない」と自分自身の将来への不安を感じたりして仕事を辞めたいと思う人もいます。
今の仕事に大きな不満はなくても、将来的な不安を感じていたら少しでも若いうちに転職しようと考えてもおかしくありません。
体調不良
「体調をごまかしながらだましだまし仕事を続けてきたけれどもう限界だ」「これ以上今の仕事を続けていたら精神的におかしくなってしまうかもしれない」と、心身の不調が限界に達してやむを得ず仕事を辞める人もいるかもしれません。
特にノルマやクレーム対応がある精神的負荷の大きい仕事や長時間勤務が常態化している職場では、心身の調子を崩し退職する人が次々出る職場もあります。
ライフスタイルの変化
子育てや介護に注力するためなど、ライフスタイルの変化によって退職を決める人もいるでしょう。
特に子育てや介護は人によって大変さも違い、仕事を続けられなくなる可能性は十分にあります。
家族の都合以外にも、最近はフリーランスや起業など「働き方の変化」のために仕事を辞める人も珍しくありません。
円満退社するための退職理由のポイント
円満に退社するためには、周囲が退職を応援せざるを得ない気持ちになるように伝えるのがポイントです。
以下でポイントについて詳しく解説します。
前向きな理由に置き換える
辞める本人はともかく、会社に残る側としてはネガティブな退職理由はできるだけ隠してほしいのが本音ではないでしょうか。
多くの人にとって、ポジティブな退職理由に文句を言うのは難しいでしょう。
退職理由はポジティブな内容だと反対もされにくく、周囲が認めざるを得ない雰囲気を作り出せます。
嘘はつかない
納得されやすいからといって安易に「病気になって療養が必要」「親の介護があって」「引越すことになった」などの嘘をつくと、のちにどこかから嘘がバレてしまったときにとても気まずくなります。
また、退職理由に興味を持った同僚などから詳細を聞かれたときに、嘘の状況についてつじつまを合わせ続けるのは難しいです。
退職したあとならまだしも退職前に「嘘っぽい」と疑われるとお互い後味の悪い退職になるので、仕事を辞めるために嘘の退職理由を言うのはおすすめしません。
正直に言えないような理由なら、「違和感のない程度に脚色する」くらいにとどめておくのが無難です。
感謝の気持ちを付け加える
よっぽどひどい職場環境でもない限り、退職までにはさまざまな人に教えてもらったり助けてもらったりしてきたことでしょう。
そして、退職後も会社の上司や同僚たちには次の人の採用や教育、業務の再配分などで手間をかけることになります。
不満のうえの退職でも、今までの経験やサポートに対する感謝の気持ちは伝えておくと周囲も気持ちよく退職する人を送り出せます。
円満退職は会社に残る人たちのためだけではなく、自分がすっきりとした気持ちで次のステップに進むためにも重要です。
【ケース別】仕事を辞める際に引き留められない退職理由
仕事を辞めたい理由はさまざまですが、引き留められずに円満に退職するためには適切な退職理由が必要です。
次に、仕事を辞めたい理由別に引き留められにくい退職理由を解説します。
給与に不満がある場合
若い人に向いている退職理由は、「この会社で働いているうちに○○の仕事に興味を持つようになり、挑戦してみたくなった」などのキャリアアップを目指すものです。
ただし、どうしても退職したい場合には「うちの会社でもできる」と言われないように、興味を持った仕事は今の会社ではできないものでないといけません。
また、給与以外に大きな不満がないならいっそ正直に「今の給与では生活が立ちゆかない」「今の給与では将来の夢が達成できないため転職したい」などと伝えるのも一つの方法です。
給与を上げてくれればラッキーですし、給与を上げられないなら会社側は諦めるしかありません。
人間関係が悪い場合
人間関係が悪いために退職する場合、周囲は大体理由を察しているでしょう。
しかし「何とかする」などと引き留められずに退職するためには、ほかの理由を伝えるしかありません。
「自分のやりたいことと会社の方向性が合わず仕事に対する意欲が下がってきているため、無理して続けて周りの皆さんに迷惑をかけるより新しい環境で心機一転頑張ってみたい」など、周囲には判断しようもない理由にしておくと無難です。
労働環境に不満がある場合
長時間労働や過酷な労働が退職理由なら、「仕事とプライベートのバランスが崩れていて精神的につらいので、もっと時間に余裕を持って暮らしたい」「体調が悪くなり医者に止められた」などの理由がよいでしょう。
退職したいほどつらい労働環境なら、ある程度心身に影響は出ているのではないでしょうか。
少し脚色するくらいなら、あながち嘘ではないため疑われにくくなります。
仕事内容に不満がある場合
仕事内容に不満があり、今までと違う業界・職種への転職を考えている人におすすめな退職理由が「興味や方向性の変化」です。
年数を重ね、経験を積んだ結果、考えややりたいことが変わることはよくあります。
「今の仕事をしているうちに○○の業界(○○職)に興味を持ち始めまして、○○を目指したいと思っています」などの理由で「現職の仕事の内容の不満」を「新しい仕事への興味」に変換して伝えましょう。
将来性に不安がある場合
会社の将来性に不安がある場合に素直に「会社の先行きが心配で」と言うわけにもいきません。
その場合は、業界全体への不安に置き換えて「最近、業界の動向や将来性について不安を感じるため、ほかの業界への転職を考えています」と伝えるとよいでしょう。
同じ業界内で転職する場合や、自分に成長がない仕事への不安から転職する場合には「この会社で得た自分のスキルや知識を使って、ほかの会社で新しいことを学び成長したい」と自己実現を理由とするのもおすすめです。
また、将来性が不安で退職するなら転職先が決まってからの退職が多いのではないでしょうか。
転職先が決まっているなら退職の意思と合わせて「○月から次の職場が決まっています」と直接伝えたほうが早いでしょう。
転職先と転職時期まで決まっていたら会社は受け入れるしかありません。
体調不良の場合
体調不良が原因で退職したい場合には、正直に状況を伝えたほうが引き留められにくいでしょう。
診断書が提示できるようであれば、会社側も退職を認めるしかありません。
ライフスタイルの変化の場合
退職理由となるライフスタイルの変化が子育てや介護によるものなら、そのまま伝えれば強力な退職理由になります。
仕事が忙しすぎて退職したい場合には「仕事が忙しすぎて家族との関係がうまくいかなくなっているので家族との時間をもっと取りたい」「将来のために副業や起業をしたいと考えているので、両立できるような仕事を探します」などを理由にしてもよいでしょう。
自分で退職理由を伝えるのが怖い場合
引き留められないような退職理由がないか悩んでいるのは、「激しい引き留めにあいそう」「退職を伝えたら何を言われるかわからなくて怖い」と思っているからではないでしょうか?
自分で退職を伝えるのが怖い、あるいは退職を言い出すことを考えただけでストレスになるような場合には、退職代行を利用してみてはどうでしょうか。
退職代行サービスは2万円台からあり、利用すれば退職代行サービスの担当者が本人に代わって退職の意思伝達と退職手続きに関するやり取りをおこなってくれます。
本人が退職を申し出たら強く反対して引き留めるかもしれない会社側も、第三者に言っても無駄なためこじれずに退職できる可能性が高くなります。
決意は固まっているのに退職を言い出せずに時間ばかり過ぎてしまうなら、退職代行を利用して新しいスタートを早めに切りましょう。
まとめ
- 仕事を円満退社するポイントは「前向きな理由を伝える」「嘘をつかない」「感謝の気持ちを示す」の3つ
- 給与が退職理由なら「成長したおかげで新しい環境に挑戦したくなった」というスタンスで伝える
- 人間関係や仕事内容が退職理由なら「興味や方向性の変化により今の仕事が合わなくなった」で押し通す
- 労働環境やライフスタイルの変化が退職理由なら「プライベートや家族との関係を充実させたい」にすると納得されやすい
- 将来性への不安が退職理由なら「自己実現」のスタンスか転職先を見つけてからの事後報告がおすすめ
- 給与や体調不良が原因で仕事を辞めたいときは、正直にそのまま伝えるのも効果的
引き留められずに退職するには、体調不良などの「どうしようもない」理由か、「良識的に応援するしかない」ポジティブな理由を伝えるのがおすすめです。
もし正当な理由を伝えても話がこじれたり嫌がらせをされたりするような会社なら、退職代行の利用も検討してみてはどうでしょうか。
よくある質問
最後に、退職を考えているときに疑問に思う点について簡単にまとめました。
仕事を辞める一番の理由は何?
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、自己都合退職をした人のうち「その他の個人的理由」を除いて一番多かった理由は「労働条件(労働時間・休日)が合わない」でした。
ちなみに2番目に多かったのは「人間関係」、3番目が「給与」と続いており、仕事内容ややりがいを理由に挙げた人はあまり多くありませんでした。
ヤメハラとは?
「ヤメハラ」とは、退職する社員に対するハラスメントです。
ヤメハラには無視や悪口、引き継ぎの拒否、仕事の妨害、過剰な仕事の押しつけなどがあります。
正当な業務だけを淡々とおこない、引き継ぎを拒否されたらマニュアルを残して「自分でできることはやった」と示すとよいでしょう。
ヤメハラが続くようなら退職日まで有給休暇を使用するか、退職代行を利用して即日退職も検討しましょう。
転職した方がいいサインは?
「休日も仕事のことが頭から離れず休んだ気がしない」「会社がなくなってしまったらいい」などと思ったら、精神的に悪影響が出ているサインです。
すぐに転職を検討しましょう。
ほかにも「休日も無気力になって何もせずに終わる」「平日は原因不明の体調不良になる」などの心当たりがある人も心身に影響が出ているので退職を考えましょう。