今勤めている会社を辞め、独立開業したいけど「独立開業で失敗したくない」「独立開業で成功する方法がわからない」と悩んでいませんか?
結論から言うと、独立開業前の事前準備を念入りにおこなえば、失敗するリスクを軽減できます。
本記事では、「独立開業に失敗する人の特徴」や「独立開業で失敗しないための方法」を詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読めば、独立開業前にすべきことを明確にでき、失敗するリスクを最小限に抑えられます。
独立開業に失敗する人の特徴
中小企業庁の「中小企業白書」によると、2022年は6,428件の企業が倒産しています。
同じく中小企業庁の「中小企業白書」によると、2017年の起業失敗確率は18.3%でした。
参考元:中小企業のライフサイクル
新規事業に失敗する人は、どのような特徴があるのでしょうか。
独立開業に失敗する人の特徴は下記のとおりです。
ひとつずつ詳しく解説します。
資金計画が甘い
設備資金や運転資金を想定する資金計画を、綿密に立てられない人は、独立開業に失敗しやすいです。
資金計画は、独立に必要な設備資金と独立後の経営が安定するまでの運転資金を想定し、同時にその資金をどうやって用意するかを計画するものです。
資金計画が甘いと、事業を継続するための資金が払えず、失敗する可能性が高くなります。
資金計画の作成が苦手ない人は、J-NETの「業種別開業ガイド」を参考にして作成してみましょう。
また経営に詳しい知人や専門家、「日本政策金融公庫」がおこなっている創業支援に相談するのもおすすめします。
また不測の事態に備え、十分な自己資金を用意しておきましょう。
初期投資に費用をかけすぎる
初期投資に費用をかけすぎると、独立後の運転資金がなくなり事業に失敗します。
独立時には開業資金にかける費用ばかりを考えがちです。
しかし、当面の運転資金も用意しなければいけないので、初期投資金額は最小限に抑えなければいけません。
初期投資を最小限に抑えるためには、下記の方法がおすすめです。
- 内装や設備にこだわりすぎない
- 大きな店舗、オフィスを選ばない
- 従業員を雇いすぎない
従業員の新規雇用や設備に投資するのは、安定した収益が稼げるようになったあとで検討しましょう。
また副業や週末起業で始め、ある程度収益が見込めるようになったら独立するのもおすすめです。
独立前に自己資金を確保でき、独立後の運転資金を管理しながら事業を継続できます。
独立開業する際は、初期投資を最小限に抑えましょう。
キャッシュフローを把握できていない
キャッシュフローは、現金(キャッシュ)の流れ(フロー)のことです。
キャッシュフローを正確に把握できていない人は、資金が管理できず、独立開業できても失敗します。
キャッシュフローを把握できていないと、黒字経営にも関わらず、支払いや返金にあてる現金が足りず倒産に陥る可能性があります。
失敗を避けるためには、「キャッシュフロー計画書」を作成し、現金の流れを正確に把握しましょう。
キャッシュフロー計画書は、経営上の課題や問題点を抽出し、経営改善に向けた対策を検討できます。
独立開業で失敗しないためにも、キャッシュフローを正確に把握していきましょう。
独立開業すること自体が目的になっている
「会社を辞めて独立したい」「とにかく独立したい」など、目的が明確になっていない場合は、独立開業で失敗しやすいです。
独立開業すること自体が目的の場合、ビジネスモデルが構築できていないため、売上を立てられず、事業の失敗につながります。
また、独立できた事実に満足し、モチベーションを保てず、独立後の事業拡大ができない可能性があります。
独立開業する目的が明確になっていない人は、「なぜ自分は独立開業してこの仕事をしたいのか」「自分がどのような風に社会貢献したいのか」を、もう一度考えてみてください。
独立開業を成功させるためには、独立開業後の目的を明確にしましょう。
人の話を聞かない
人の話を聞かない人は、自分の判断が正しいと思い込む傾向があるため、独立開業しても失敗します。
なぜなら第三者からのアドバイスを聞かずに、自分の考えだけで事業を成功させるのは難しいからです。
人の話を聞かない人は、物事を主観でしか考えられないため、顧客が求めているものが把握できない可能性があります。
また、第三者のアドバイスに反論ばかりしていると、周りから人が離れていき孤立する恐れがあります。
独立したあと、忠告やアドバイスをしてくれる人は貴重な存在です。
独立開業を成功させるためには、周りからの忠告やアドバイスを積極的に取り入れ、自分がおこなっている事業を客観的な視点で考えることが重要です。
仮にアドバイスがマイナスな意見でも、否定するのではなくポジティブに受け入れることで、自分の成長につながります。
独立開業で失敗しないための方法
独立開業を成功させるためにも、失敗しない対策を知っておきましょう。
ここでは、独立開業で失敗しないための方法を8つ解説します。
独立する目的を明確にする
独立開業で失敗しないためにも、独立する目的は明確にしましょう。
独立する目的が明確にできていないと、独立する前に時間と労力をかけてしまいます。
いざ独立できても成果をあげられず、事業を継続できない恐れもあります。
「独立そのものが目的になっている」「自由を手に入れたいから独立する」「お金が欲しいから独立する」など、独立する目的が明確になっていない人は、もう一度じっくり考えてみてください。
「独立して何がしたいのか」「社会にどのような価値を提供したいのか」など、独立する目的を明確に決め、実現したい目的を言語化しておきましょう。
初期資金を十分に準備する
初期資金以外にも、独立後の運転資金を枯渇させないために、資金は十分に用意しておきましょう。
日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」によると、開業費用は平均で989万円かかることがわかっています。
初期資金にかかる費用は事業内容によって違いますが、目安として1年分の資金は用意してください。
資金を用意できない場合は、「日本政策金融公庫」でおこなっている創業支援制度を活用すれば資金を確保できます。
都道府県や市町村の制度融資の活用も検討してみてください。
十分な資金が用意できるまで、副業や週末起業から始めるのもおすすめです。
独立開業を成功させるためには、独立後の支出を最低限に抑えましょう。
低リスクで始める
独立開業をする際は、低リスクで始めましょう。
低リスクで始める方法は下記のとおりです。
- 自己資金のみで独立する
- 初期費用ランニングコストを減らす
- 知識や経験のある職種で独立する
- 副業から始める
- 週末起業から始める
副業から開始すれば、うまくいかなかった場合でも、本業の収入が得られるため、リスクを軽減できます。
最近は週末起業という形でサラリーマンを続けながら起業する人も増えています。
副業や週末起業から始めると、低リスクで事業をスタートできるのでおすすめです。
市場分析をする
独立開業する前は市場分析をおこない、新規事業にニーズがあるかを調べましょう。
事業計画が固まり、取り扱う商品やサービスが素晴らしいものであっても、市場にニーズがなければビジネスが成立しません。
そのため市場分析は必ずおこなってください。
市場分析する方法は下記のとおりです。
- 顧客ニーズを把握
- 市場規模の調査
- 市場動向・業界動向の調査
- 競合を調査
市場規模の調査方法は「総務省家計消費統計」がおすすめです。
家計消費統計や地域の人口・世帯数などの調査データは、国の統計ポータルサイト「e-Stat」から入手できます。
観光業などの業種は、地域経済分析システム「RESAS」を利用するのも一つの方法です。
これらは国の統計データなので信頼性も高く、無料で使用できるために積極的に活用しましょう。
市場動向や業界動向を調べる際は、J-Net21の「市場調査データ」と「業種別開業ガイド」を参考にしてみてください。
「業種別開業ガイド」は、300以上の業種・職種の開業準備の手引きをまとめており、業種・業態別の市場動向の資料として活用できます。
独立開業する前に市場分析をおこない、失敗するリスクを軽減しましょう。
事業計画を綿密に立てる
独立開業を成功させるためには、事業計画を綿密に立てましょう。
事業計画を綿密に立てておけば、事業の進捗状況を確認でき、必要に応じて的確な軌道修正ができます。
事業計画は、下記の項目を意識しながら作成してみましょう。
- 事業の概要
- 事業内容やコンセプト
- 創業者のプロフィール
- 事業の強みと弱み
- 競合や市場規模、ニーズ
- サービスや商品の概要
- 販売戦略
- 財務計画
事業計画を立てる際に意識して欲しいポイントは、「一貫性、整合性を維持する」「具体的に書く(6W2Hの視点を意識する)」「わかりやすく書く」の3つです。
また、書いて終わりではなく、専門家や独立した先輩などのアドバイスをもらうと完成度が高まります。
知識やスキルを学び続ける
独立開業後も、常に知識やスキルを学び続けていけば、失敗するリスクを軽減できます。
現状に満足し学ぶ姿勢がなくなると、事業が行き詰まり継続できない可能性が高くなってしまいます。
新しい知識やスキルを身につければ、業務を効率的に進められ、より多くの仕事を受注できます。
知識やスキルを学び続けるには、下記の方法がおすすめです。
- 資格を取得する
- スクールに入会する
- セミナーや勉強会に参加する
独立開業を成功させるためにも、常に新しい知識やスキルを身につけていきましょう。
フランチャイズを活用する
フランチャイズを活用すれば独立開業で失敗するリスクを軽減できます。
フランチャイズは、本部の有する商標や販売・経営ノウハウなどを加盟店に与えるかわりに、ロイヤリティを対価として、加盟店が本部に支払うシステムです。
参考元:フランチャイズの特徴とその仕組みを教えてください。 | ビジネスQ&A
フランチャイズに加盟した場合、ロイヤリティをフランチャイズ本部に支払う必要がありますが、本部から経営支援やチェーン店のブランド力をそのまま利用できるメリットがあります。
フランチャイズに加盟する際は、事業内容や契約内容について、十分理解し納得できるまで説明を受けましょう。
フランチャイズ契約は、本部と独立した加盟店間の契約です。
本部と加盟店間の取り引きで不公正な取引方法が用いられた場合は、独占禁止法上問題となるので注意が必要です。
フランチャイズの情報は、フランチャイズ本部や、「日本フランチャイズチェーン協会」などで入手できます。
家族の理解や協力を得る
「会社を辞めて、独立開業したい」と考えている場合、事前に家族の理解や協力を得なければいけません。
家族は「不確実な未来」を不安に思うので、独立に対しては基本的に反対します。
会社を辞めて独立すれば、今まで安定していた収入がなくなるので、不安に思うのは当たり前です。
反対する家族を説得するには、下記のような事前準備が大切です。
- いずれ会社辞めを独立すると、事前に伝えておく
- 副業や週末起業から始め、実績を作る
- 独立開業に必要な知識やスキルを身につける
家族を説得するには、副業や週末起業から始め、念入りな準備をしておきましょう。
また、綿密な事業計画を作成し、金銭面の不安を取り除きましょう。
まとめ
この記事では、独立開業で失敗する人の特徴や、失敗しない方法を紹介しました。
独立開業についてまとめると下記のとおりになります。
- 資金・事業計画を綿密に立てないと独立開業は失敗する
- 独立開業する際は、目的を明確にしてから始める
- 独立開業する際は、初期資金を十分に用意し、初期費用を最小限に抑える
- 新規事業を成功させるには、市場分析が重要
- 資金を確保できない人は、副業や週末起業から始め、自己資金を確保する
- 事業経験がない方人は、比較的容易に独立できるフランチャイズがおすすめ
独立開業を成功させることは簡単ではありません。
もし独立に失敗した場合、再就職が困難になる可能性や家族に迷惑をかけてしまうことがあります。
しかし、本記事で紹介した内容を踏まえ、念入りに準備していけば、失敗するリスクを軽減できます。
資金を確保できない人は、副業や週末起業から始め、自己資金をある程度確保できてから独立するのがおすすめです。
また、フランチャイズは、事業経験がない人でも本部からサポートが受けられるため、比較的容易に独立ができます。
まずは独立開業する目的を明確にし、自分にピッタリのビジネスモデルを見つけていきましょう。