本記事は、こんな方におすすめです。
- 職人として独立したい方
- 独立する方法を知りたい方
- 独立開業するときの注意点を知りたい方
- 職人系で独立しやすい仕事を知りたい方
職人と呼ばれる仕事には、大工職人や鳶職人、塗装職人、内装職人などのさまざまな種類があります。
職人として経験を積んだ人の中には、独立して仕事を請け負いたいと考える人もいるでしょう。
職人として独立開業するには技術力が必要なのはもちろん、人脈や独立資金などの準備が必要です。
本記事は、職人系で独立しやすい仕事や独立する方法、独立する際のポイントを詳しく解説しています。
職人系の仕事で独立開業を考えている方はぜひ参考にしてください。
職人として独立する方法
職人として独立をする方法は、大きく分けて下記の2つです。
詳細を順番に解説します。
一人親方(個人事業主)
一人親方とは、個人事業主として従業員を抱えずに仕事を請け負う人のことです。
一人親方の働き方は、案件を受けて現場を回ったり、会社と雇用関係を結ばずに仕事を行ったりなどさまざまです。
組織に縛られることなく、自分の裁量で自由に働ける点が一人親方のメリットと言えるでしょう。
一人親方(個人事業主)として独立する際は、個人事業の開業届を税務署に提出しましょう。
所得税法では、事業を開始してから1か月以内に開業届を提出しなければならないと定めています。
(参考:e-Gov法令検索「所得税法」、国税庁|[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
開業届を提出しなくても特に罰則はありませんが、開業届を提出すると青色申告や助成金の申請ができるメリットがあります。
一人親方として働く際は、開業届を提出しておきましょう。
法人化
職人として独立するために、会社を設立して法人化するという方法もあります。
職人系の仕事における法人化は、まず一人親方としてある程度の売り上げを立てられるようになってから行うのが一般的です。
一人親方が法人化することには、以下のようなメリットが挙げられます。
- 税制面での優遇措置が多い
- 対外的な信用が得られる
- 経費として処理できるものが増える
- 損害賠償の責任範囲が有限となる
一人親方としての年間の所得が1,000万円を超えた場合は、法人化した方が税金の負担が軽くなります。
また、法人化すれば対外的な信用も増し、個人事業主に比べて事業資金の借り入れもしやすくなるでしょう。
ただし、法人化には法人登記や定款の作成、資本金の払い込みといった手間や費用がかかります。
税金申告のための事務処理も増えるため、法人化する際は目安を決めてタイミングを見極めることがおすすめです。
職人が独立開業する際の4つのポイント
職人が独立開業する際のポイントは、下記の通りです。
詳細を順番に解説します。
人脈を広げる
職人が独立する際は、独立前に人脈を築いておくことが重要です。
独立すると自分の裁量で働ける点がメリットではあるものの、自分で仕事を受注する必要があります。
いくら職人としての腕が良くても、仕事がなければお金を稼ぐことはできません。
特に、現在働いている会社での人間関係は大切です。
独立する際、良い関係を築けていれば働いていた会社から仕事を回してもらえることもあるでしょう。
また、仕事で困ったことがあれば協力してもらえる可能性もあります。
独立した後も、人脈を広げるために建設会社のHPを検索して飛び込み営業をする、異業種交流会に参加するといったことが大切です。
独立資金を用意する
独立開業には、ある程度の資金を用意する必要があります。
職人の場合、仕事に必要な工具や移動用の車など、初期の段階でさまざまな費用が発生します。
職種によっては、工具を保管しておくための倉庫を借りるケースもあるでしょう。
また、仕事を受注してから入金されるまでにはある程度の期間があります。
取引先からの入金を待つ間に現金がなくなることがないよう、独立前には運転資金も確保しておきましょう。
独立資金の集め方には、以下のようなものが挙げられます。
- 貯金
- 政策金融公庫からの融資
- 銀行・信用金庫からの融資
- ビジネスローン
まずは独立するにあたり、初期費用や運転資金がどれだけ必要なのかを把握した上で資金を準備しましょう。
技術力を磨く
職人として独立する場合は、日々技術力を磨くことが重要です。
職人の仕事は、技術力があれば取引先から信頼されるのはもちろん、受注が増えればその分収入もアップします。
また、現場での仕事をスムーズに進めるためにもある程度の経験は必要でしょう。
独立前に人脈や必要資金を準備しても、仕事のスキルや経験が不足していれば仕事をもらうことは難しいと言えます。
独立を考えている場合は、取引先から信頼される技術力と経験を身に付ける努力をしましょう。
また、技術力の高さを証明できる資格を取得することもおすすめです。
事務作業への準備をする
個人事業主や法人化で独立をした後は、事務処理も自分で行わなければなりません。
独立して仕事を行う以上、帳簿付けや確定申告といった事務作業は必ず発生します。
会社に所属していれば経理関係の部署で処理してもらえた経費の精算も、独立すればすべて自分自身で行う必要があります。
独立後は日々の仕事に追われながら事務作業を行うため、会社に所属していた時代と比べて労働時間が増えることは理解しておきましょう。
なお、事務作業が面倒に感じる場合は税理士への依頼や、会計ソフトを導入することも1つの方法です。
事務処理を自分で行わない場合も、経費精算や税金関係などの最低限の知識は身に付けておくことをおすすめします。
独立したい職人必見!職人系で独立しやすい仕事2選
職人の仕事は特別な資格が必要なく、技術を持っていれば独立できます。
職人の仕事の中でも、独立しやすいものは以下の2つです。
詳細を順番に解説します。
大工職人
大工職人とは、設計図をもとに木造の建造物の建築や修復を行う職業です。
一言で大工職人と言っても、家屋大工や宮大工、船大工、建具大工など建造する対象物によってさまざまな種類があります。
大工職人は建築におけるあらゆる工程に携わり、時には現場の職人に指示を出すなど重要な役割を担います。
大工職人になるには特別な資格は必要ありませんが、設計図を読み取り、ミスなく木材を加工する技術が求められます。
そのため、建築設計に関する知識は必須です。
大工職人として独立するには、まずは知識と経験を積み、個人事業主である一人親方となるのが一般的です。
事業が拡大すれば、法人化して工務店を経営する人も多く見られます。
独立する際は、仕事道具や移動用の車両などの費用も確保しておきましょう。
なお、仕事を依頼してもらうために、建築士や建築大工技能士などの建築に必要な資格を持っていると有利です。
塗装職人
塗装職人とは、建築物の内部や外部に塗料を塗る職人のことを指します。
建築物の塗装は単に見た目を美しくするだけではなく、耐火や防腐、防水などの目的もあります。
塗装職人になるには、大工職人と同様に特別な資格は必要ありません。
しかし、建物や仕様書に合わせて塗装を行うため、高度な技術と知識が求められます。
また、塗装に関する資格には「塗装技能士」などの国家資格があります。
塗装職人が独立して仕事をするには、見習いとして知識や経験を積むのが一般的です。
塗装の仕事では美しい仕上がりを求められるので、高い技術力と知識を有していれば高収入が期待できます。
なお、独立する際は仕事道具や移動用の車両の購入が必要です。
まとめ
今回の記事の要点は、以下の通りです。
- 職人は技術力を磨けば比較的独立しやすい仕事である
- 職人として独立するには一人親方(個人事業主)と法人化の2通りがある
- 独立する前には、人脈を広げる、必要資金を用意するなどの事前準備が必要である
- 職人の仕事の中でも、独立しやすいものは「大工職人」と「塗装職人」である
- 大工職人と塗装職人は、どちらも独立前には知識と経験を積むことが大切である
職人が独立する方法には、個人事業主として一人親方をするか、法人化の2通りがあります。
独立後に安定して収入を得るためにも、独立する前に知識とスキルを積み重ねることが重要です。
そのほか、独立してすぐに困らないように人間関係を良好に保ち、必要な資金も十分に蓄えておきましょう。