車屋はどんな仕事？開業する方法や必要な資金について解説

「車屋の仕事について知りたい」

「車屋を開業するにはどうすればいいのかわからない……」

「車屋に必要な資格って何？」

車屋として開業を考えている方のなかには、車屋の仕事内容や開業する方法などがわからず困っている方もいるでしょう。

そこで今回は、車屋の仕事内容や開業する方法などを具体的に解説します。

最後まで読めば、車屋として開業するために必要なことを理解できるでしょう。

車屋の主な事業内容

一口に「車屋」といっても、取り扱う仕事はたくさんあります。

それぞれの事業内容について、ここから具体的に解説します。

車の仕入れ

車屋として開業するときには、車の仕入れが必要です。

車を仕入れるには、業者向けのオークションに参加する方法が一般的です。

オークションに参加するには、各オークション会社へ登録する必要があります。

先に車を仕入れるのではなく、お客さんの要望を聞いてから車を仕入れる方法もあり、在庫を抱えるリスクを低減できるのが特徴です。

車の販売

車屋の事業内容として代表的なのは、車を販売することです。

車を販売する相手は、個人のみでなく、法人となるケースもあります。

法人をターゲットにして営業し、営業車などを購入してもらえれば、まとまった収入を得やすくなるでしょう。

車を販売するには、車に関する知識はもちろん、お客さんの要望を聞き出して最適な車を提案する力も必要です。

車の整備作業

車屋の仕事には、車の整備作業もあります。

車の整備をすることで、お客さんとの接点を増やすことができます。

一度きりではない、長期的な関係になることも期待できます。

車の整備をするには、事業所の所在地を管轄する運輸局の認証が必要です。

運輸局から認証を受けるためには、以下の条件を満たさなければなりません。

整備主任者になるには自動車整備士2級以上の資格が必要です。

整備を行う場合は、必要な条件を理解して準備をしておきましょう。

車の車検・点検

車屋の仕事として、車の車検や点検などもあげられます。

車の整備作業と同様に、お客さんと長期的な関係を築きやすいのがメリットです。

車の車検をするには、以下のとおり認証工場か指定工場になる必要があります。

車検を実施するには認証工場として認められている場合でも可能ですが、最終検査をするには指定工場となる必要があり、その具体的な条件は以下のとおりです。

指定工場になるデメリットは、検査基準に満たない車を合格とすると営業停止になるリスクがある点や、設備投資に費用がかかりやすい点です。

指定工場を目指す場合、リスクについても理解しておきましょう。

なお、指定工場になるには実績が必要で、開業後すぐには指定工場として認められません。

保険代理業務

車屋の仕事には、自動車保険の代理店として保険の販売をする、保険代理業務もあります。

保険代理業務をするには、研修や試験を受けたり、代理店登録をする必要があります。

仕事を開始するまでに時間や手間がかかるものの、車を買った店で保険手続きもできるということは、お客さんにとっても便利で嬉しいことです。

自動車保険の契約をしてもらえれば、保険会社から手数料を受け取れるので、収入アップにも効果的です。

車屋を開業する方法

車屋を開業する場合は、自分で独立するか、フランチャイズに加盟するかの２パターンが考えられます。

それぞれの方法について、メリットデメリットもあわせて具体的に解説します。

独立

独立するメリットとは、値段や店舗デザイン、営業時間など、経営に関することを自由に決められる点です。

独立するデメリットは、以下のとおりです。

ただし、お客さんからの支持を得られれば、独立して営業する方が儲かる可能性があります。

自分ですべて決めながら営業したいと思う人には、独立しての開業が向いているでしょう。

フランチャイズ

車屋を開業するには、フランチャイズに加盟するのが1つの方法です。

ロイヤリティや加盟金などの費用が発生するものの、車屋の商売ですでに結果を出している本部から情報を得られるのが大きなメリットです

また、知名度があるフランチャイズなら、開業するときに課題となる集客面でも有利です。

ただし、お店の内外装や営業時間、経営方針などは本部の指示に従う必要があり、独立する場合に比べて自由度は低くなります。

また、十分な売上をあげられない場合、毎月支払うロイヤリティが経営を圧迫する恐れがある点はデメリットです。

車屋で働いた経験がない方や、独立することに不安を感じている方は、フランチャイズに加盟して車屋を開業するのが向いているでしょう。

車屋の開業に必要な資金

車屋を開業する際には、どのようなお金が必要となるでしょうか。

ここでは車屋の開業資金について具体的に解説します。

初期費用

車屋を開業するときに必要な初期費用は、以下のとおりです。

特に高額になりやすいのは、物件取得費用や内外装工事費用です。

複数の物件を比較したり相見積もりを取ったりして、慎重に検討するのが望ましいです。

初期費用を抑えるには、中古の備品を購入したり居抜き物件を選んだりするのが効果的です。

店舗を持たないインターネットショップから始め、軌道に乗ってきた時点で大きな店舗を設けるのも1つの方法です。

運営資金

車屋の運営資金には、具体的には以下のようなものがあります。

開業直後は特に売上が伸びにくいので、開業する前に初期費用とあわせて半年分程度の運営資金を用意しておくと安心できるでしょう。

仕入れ資金

車屋の開業には、当然ながら車の仕入れ資金が必要となります。

開業する店舗の経営方針や顧客ターゲットに合わせて、一台仕入れるのにどれくらいの金額が必要なのか、最初に何台仕入れておくのかを判断しましょう。

車の仕入れには大きな金額がかかるので、どのような車を仕入れるのかは慎重に見極めるべきです。

市場の動向や消費者のニーズ、車のスペックなどさまざまな観点から選びましょう

在庫を抱えるリスクを下げるために、お客さんの要望をきいてから車を探すのも、1つの方法です。

車屋の開業に必要な資格・許可

車屋として開業するには、以下のとおりさまざまな資格や許可を得る必要があります。

ここから具体的に解説します。

古物商許可証

車屋の開業には、古物商許可証が必要です。

古物商許可証とは、中古の商品を売買するときに必要となる許可のことです。

許可を得るには、住所を管轄する警察署へ届け出たうえで1万9,000円支払う必要があります。

無許可で中古の車の売買をすると、具体的に以下の処分を受けるリスクがあります。

車の下取りや中古車の販売をする場合には、必ず古物商許可証を準備しましょう。

自動車リサイクル法引取業登録

自動車リサイクル法引取業登録は、廃車を引き取る場合に必要になります。

地方自治体や保健所などで手続きをすることで、申請することが可能です。

手数料は自治体によって異なりますが、目安として5,000円程度必要です。

許可が下りるまでに日数がかかる場合があるので、早めに申請しておきましょう。

自動車リサイクルシステムへの事業者登録

車屋を開業するときは、自動車リサイクルシステムへの事業者登録をしましょう。

自動車リサイクルシステムに登録しておけば、Web上で取引した廃車を確認したり、電子マニフェストで引き取りや引き渡しなどが可能になります。

自動車リサイクル法引取業登録に登録する場合には、同時に自動リサイクルシステムへも登録するとよいでしょう。

手数料は0円で、郵送で申請できます。

オートオークションへの入会

車屋を開業するときは、オートオークションへ入会しましょう。

オートオークションとは、主に車屋を対象とするオークションの総称で、幅広い車種を扱っています。

会員制を取っているケースが多く、入会するには条件を満たす必要があります。

入会条件を調べ、入会できるオークションがあれば必ず入っておきましょう。

開業届

車屋に限らず、事業を開業するときは、税務署への開業届が必要です。

開業届は開業から1ヵ月以内に提出する書類で、提出すると青色申告制度を利用できるなどさまざまなメリットを得られます。

税務署で必要な書類を入手できますが、「freee」などのアプリで電子申告も可能です。

車屋の開業を成功させるポイント

車屋としての開業を成功させるには、以下のとおり押さえておきたいポイントがあります。

ここから具体的に解説します。

競合との差別化を意識する

車屋の開業を成功させるには、他社との差別化を図るのがポイントです。

その店ならではの特色がない車屋は、お客さんの目に留まりません。

他社と差別化するには、以下のような観点でターゲットや商材を検討し、コンセプトを明確にするとよいでしょう。

面倒かもしれませんが、お店の内外装や広告の打ち出し方なども決めやすくなります。

コンセプトに沿って独自の店舗づくりを進め、競合店との差別化を図りましょう。

集客しやすい立地を選ぶ

車屋を開業して成功するには、集客しやすい土地を選ぶのも大きなポイントです。

基本的には、車が多く通る大通り沿いにすると人目につきやすく、来店してもらえる可能性が高くなるでしょう。

ただし、大通り沿いは家賃費用が高くなりやすく、安易に選択するのは望ましくありません。

こだわりの車を高単価で販売するなど、多くの販売数を必要としない場合は、大通りを避けて出店するのも1つの方法になります。

集客方法を複数確保する

車屋を開業して成功するには、集客の方法をいくつか持っておくことです。

車屋が集客するうえで効果的な方法とは、具体的に以下のとおりです。

最近では車を購入するときにインターネットを利用する事が多いので、SNSやホームページなどは積極的に運用するとよいでしょう。

有益な情報を多く提供すれば、お店のファンになってもらえる可能性があります。

まとめ

ここまで、車屋の仕事内容や開業に必要な資金、資格などを解説してきました。

本記事のまとめは以下のとおりです。

車屋として開業するには、設備を整えたりさまざまな資格を取得したりする必要があります。

未経験から車屋としての開業を考えている方は、フランチャイズに加盟すると多くのサポートを受けられるでしょう。

本記事を参考に、車屋を開業するために必要なことを理解していただければ幸いです。