薬局を開業するのは多くの薬剤師の夢であり、自分の理想を実現できる魅力的な選択肢です。
しかし、同時に多くの準備が必要ですし、リスクも伴います。
薬局の独立開業を検討している方の多くは、以下のような疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。
- 「薬局の独立開業は本当に儲かるの?」
- 「薬局の開業に必要な資金はどのくらいかかるの?」
- 「薬局開業の手順はどうすればいいの?」
本記事では、薬局を開業するメリットやデメリット、平均年収、必要な許認可や資格、資金、開業手順などを徹底解説します。
薬局の独立開業に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
薬局を開業して独立するメリット
薬局を開業して独立すると、以下のようなメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
自分の理想の薬局を実現できる
独立開業をすることで、薬局の規模や設備、サービス内容、営業時間などを自由に決められます。
また、自分の専門分野や地域のニーズに合わせて、理想の薬局を作ることが実現できます。
自分のやりたいことができる
独立開業すると、自分のやりたいことができることが大きなメリットです。
漢方薬などの専門性を高めたり、患者さんとのコミュニケーションを重視したりなど、自分の考えを店舗に反映させられます。
また、自分の薬局を持つことで、地域の医療や健康に貢献できることにやりがいを感じることもできるでしょう。
収入が増える可能性がある
独立開業すると、収入が増える可能性があります。
薬局の経営状況にもよりますが、一般的には、薬局の売上から人件費や経費を差し引いた利益の一部が、経営者である自分の収入となります。
薬局の売上や利益は、自分の経営能力や努力次第で変わります。
自分の時間をコントロールできる
独立開業すると、自分の時間をコントロールできるメリットもあります。
営業時間や休日を自分で決めたり、スタッフに任せて旅行に行ったりと、自分のライフスタイルに合わせて働けます。
また、自分の興味や関心のある分野について、勉強したり、研修に参加したりと、自己啓発の時間を確保できるでしょう。
薬局を開業して独立するデメリット
一方で、薬局を開業して独立すると、以下のようなデメリットもあります。
それぞれ詳しく解説します。
大きな資金が必要になる
独立開業するには、大きな資金が必要になります。
新規で薬局を開業する場合、物件の購入や賃料、内装や設備の費用、薬剤や備品の購入費用、人件費や広告費など、さまざまな初期費用がかかります。
薬局の開業には、物件の取得費や内装工事費など、小規模な店舗の場合でも少なくても500万円以上、店舗の規模によっては1千万円以上が必要資金の相場と言われています。
そのため、独立開業するには、自己資金や借入金などの資金調達が欠かせません。
資金調達には、銀行や信用金庫などの金融機関からの融資や公的な助成金、補助金の活用などがあります。
しかし、融資を受けるには、信用力や返済能力が求められますし、助成金や補助金を受けるには、審査や条件が厳しい場合もあります。
そのため、独立開業するには、資金面での準備や計画が重要です。
経営や管理の責任が重くなる
独立開業すると、経営や管理の責任が重くなります。薬局の経営者として、薬剤師としての業務だけでなく、人事や経理、広報などの管理業務もおこなわなければなりません。
例えば、薬局の売上や利益、経費や資金繰り、スタッフの採用や教育、医療機関や患者さんとの関係構築や、トラブルやクレームへの対応など、さまざまな業務をおこなわなければなりません。
また、薬局の経営は、法律や規則、保険制度などの変更にも対応しなければなりません。
そのため、独立開業するには、経営や管理に関する知識やスキルが必要です。
しかし、薬剤師として働いていると、経営や管理に関する経験や教育を受ける機会が少ない場合もあります。
そのため、独立開業するには、事前に経営や管理に関する勉強や研修をおこなう必要があります。
また、独立開業すると、経営や管理の責任が重くなることで、ストレスやプレッシャーも増える可能性があります。
そのため、独立開業するには、メンタル面での準備やケアも重要です。
自分の時間が減る可能性がある
薬局の経営者として独立開業するデメリットとして、自分の時間が減る可能性があります。
薬局を開業して独立すると、自分の時間をコントロールできるメリットがあると前述しましたが、時間が余っているわけではありません。
自分の時間が減る可能性があります。
例えば、薬局の経営や管理に多くの時間を費やしたり、スタッフが不足したり、患者さんとの関係を深めたりと、自分の時間を削ることが多くなる可能性があります。
薬局の開店前や閉店後、休日や深夜にも経営に関する仕事をしなければならないことも多くなります。
つまり、独立開業すると、自分の時間を自分で管理する必要があります。
そのため、独立開業するには、時間管理が求められます。
また、独立開業すると家族や友人との時間や趣味の時間も減る可能性があります。
独立開業するには、プライベートな時間も大切にできるよう心がけておくことが重要です。
薬局を開業した場合の平均年収
薬局を開業した場合の平均年収は、薬局の規模や立地、経営状況などによって大きく異なります。
一概には言えませんが、一般的には以下のような目安があります。
順調に薬局を運営できた場合の年収の目安は、約1000万円〜1500万円と言われています。
薬局経営者の年収についてのデータはWeb上では公表されていませんでしたが、厚生労働省が公開しているデータによると、雇用されている薬剤師の年収は500万円〜600万円が多く、平均は488万円となっています。
参考:厚生労働省「薬剤師の需給動向把握事業における調査結果概要」(40ページ)
日本の平均年収が約400万円であることを踏まえると、比較的高い傾向にあります。
ただし、この数字は、薬局の規模や地域によって大きく異なります。
また、薬剤師のなかでも就職先別に平均年収が異なります。例えば、企業(製薬会社など)では650〜1,000万円、ドラッグストアでは450〜750万円、調剤薬局では450〜700万円、病院(大学病院、国公立病院など)では400〜650万円となっています。
薬剤師のなかでも外資系のMR職は特に年収が高く、30歳で年収1000万円を超えることもありますが、開業に成功した薬剤師にはやや劣っていることがわかります。
このように、薬局の独立開業はリスクがある一方で、平均年収よりもはるかに高い収入を得るチャンスがあります。
また、開業初期は、初期費用や運転資金の返済などで、収入が少なくなることもあります。
そのため、売上だけでなく経費や税金なども考慮しなければなりません。
薬局の開業に必要な許認可
薬局の開業に必要な許認可の申請には、以下があります。
それぞれ詳しく解説します。
薬局開設許可申請
薬局を開業するには、まず、薬局開設許可申請をおこなわなければなりません。
薬局開設許可申請は、薬事法に基づいて、所轄の保健所に提出する必要があります。
薬局開設許可申請には、薬局の設置に関する以下の要件を満たしている必要があります。
設備要件
- 清潔で換気が良好である
- 住居や不衛生な場所とは明らかに区別されている
- 薬局業務を適切におこなえるように、面積はおおむね19.8㎡以上である
- 医薬品を陳列、調剤する場所は60ルクス、調剤台の上は120ルクス以上である
- 冷暗貯蔵の設備がある
- 調剤室は6.6㎡以上である
- 液量器や温度計など、調剤に必要な設備や器具を備える場所がある
など
人的要件
- 申請者が、過去に許可を取消されたことがない、禁錮以上の刑に服したことがない、薬事法や麻薬および向精神薬取締法などに違反したことがない、など
- 1日に取り扱う処方箋の平均数が40枚以下の場合は薬剤師1名、40枚を超える場合は処方箋40枚ごとに1を加えた人数が必要
参考:厚生労働省「薬事法施行規則及び薬局及び一般販売業の薬剤師の員数を定める省令の一部改正について」
提出書類
- 薬局の平面図
- 業務体制概要書
- 薬剤師または登録販売者一覧表
- 事業内容書
- 登記事項証明書
- 役員の業務分掌表
- 管理者の雇用証明書
- 勤務薬剤師
- 販売従事者の雇用証明書
- 薬剤師免許の原本
- 販売従事者登録証の原本
- 水質検査結果原本
平面図については、以下のように記載方法が決められています。
- 調剤室面積や医薬品保管庫、薬局全体の面積を計算して記載する
- 薬局内の配置や調剤室の設備等を概略で記載する
調剤薬局の設計施工に詳しい業者に依頼して、開業の準備を進めるのがよいでしょう。
保険薬局指定申請
薬局開設許可申請が承認されたあと、保険薬局指定申請をおこなわなければなりません。
保険薬局指定申請は、医療保険制度に基づいて、所轄の厚生局に提出する必要があります。
保険薬局指定申請には、以下の書類が必要です。
- 保険薬局指定申請書
- 薬局開設許可証の写し
- 薬局の管理者および薬剤師の氏名および資格証明書の写し
- 薬局の構造および設備に関する図面
- 薬局の開設に関する契約書の写し(賃貸契約書や業務委託契約書など)
- 薬局の開設に関する証明書(登記簿謄本や法人設立証明書など)
- 保険薬局の運営に関する規程やマニュアル
参考:関東信越厚生局「保険医療機関・保険薬局の指定申請/関東信越厚生局」
参考:厚生労働省「厚生労働省|厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会第19回資料」
その他申請書類
医師の処方箋がなくても、薬剤師の判断によって調合販売できる薬局製剤を販売する場合には、以下の承認申請が必要です。
- 薬局製剤製造販売業
- 薬局製剤製造業
- 薬局製剤製造販売
また、毒物や劇物が含まれる薬品を販売するためには、毒物劇物販売業の登録が必要です。
調剤薬局開業に際して、多くの書類を申請する必要があります。
開業予定日どおりに開業するために、必要な書類を事前に確認して申請準備を進めましょう。
薬局の開業に必要な資格
薬局を開設するとき、自らが薬剤師の資格がなくても大丈夫です。
薬局のオーナーや経営者になるだけであれば、薬剤師の資格は必要ありません。
ただし、以下の条件があります。
薬局が保険薬局の場合 |
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すでに薬剤師の資格を持っている人は、自分の経験と資格を活かして薬局を開業できます。
薬局を開業する際には、薬剤師の資格を持っていることは大きなメリットになります。
薬局の開業に必要な資金
薬局の開業には、多額の初期費用がかかります。起業や開業をする業種によっては、店舗の費用がかからなかったりなど費用を抑えられることもありますが、薬を調剤し、お客さんに提供する薬局では、さまざまな資金や費用がかかります。
この項では、薬局の開業にかかる費用について、解説します。
初期費用
初期費用とは、薬局を開業するために必要な費用のことです。
主な項目は以下のとおりです。
- 店舗の物件費用
- 内装や外装の工事費用
- 販売する医薬品の購入費用
- 人件費・設備費
- その他
それぞれ詳しく解説します。
店舗の物件費用
薬局の物件を購入する場合や、賃貸する場合には、物件費用がかかります。
物件費用は、薬局の規模や立地、物件の状態などによって異なりますが、一般的には、数千万円程度が目安です。
賃貸の場合は、月々10万円〜30万円の賃貸料が相場です。
また、保証金として賃貸料の2ヵ月〜10ヵ月分、仲介料が賃貸料の1ヵ月分かかります。
少なくともお客さんが待つスペースや、薬を調剤するスペースが必要なため、狭い物件で初期費用を節約するのは難しいでしょう。
また、初期費用を気にしてあまりにも狭い薬局にしてしまうと、お客さんが訪れにくくなり、将来的な収益に影響する可能性があります。
初期費用を抑える視点も持ちつつ、将来的にどのくらいお客さんが来る想定なのかどうかを考えたうえで物件を選ぶことが大切です。
内装や外装の工事費用
店舗の内装や外装の工事にも費用がかかります。
薬局の内装は、清潔感や安全性を重視する必要があります。
また、外装は、お客さんに目立つように看板や照明などを設置する必要があります。
内装や外装の工事費用は、物件の広さや工事の内容によって異なりますが、一般的には、500万円〜1,000万円程度が目安となります。
販売する医薬品の購入費用
薬局を開業するためには、販売する医薬品を購入する必要があります。
医薬品の購入費用は、薬局の規模や取り扱う医薬品の種類や数量によって異なりますが、一般的には200万円〜500万円程度が目安となります。
医薬品の購入費用は、薬局の開業後に回収できる可能性が高い費用ですが、初期費用としては大きな負担になります。
人件費・設備費
薬局を開業するためには、人件費や設備費もかかります。
人件費とは薬剤師や事務員の給与や社会保険料などのことで、設備費とは調剤台やレジやパソコンなどの備品や機器のことです。
人件費や設備費は、薬局の規模やスタッフの人数や資格、設備の内容などによって異なります。
その他
その他にも、薬局の開業には、以下のような費用がかかります。
- 薬局開設許可申請書の手数料
- 保険薬局の指定申請書の手数料
- 薬局の登記費用
- 薬局の看板やロゴのデザイン費用
- 薬局の広告や宣伝の費用
- 薬局の保険や税金の費用
上記の費用は、それぞれの項目によって異なりますが、合計で100万円〜300万円程度が目安となります。
運転資金
運転資金とは、薬局の開業後に必要な経費のことです。
主な項目は以下のとおりです。
- 人件費
- 物件の家賃
- 水道光熱費
- 医薬品の仕入れ費用
- その他
それぞれ詳しく解説します。
人件費
人件費は、薬局の開業後も継続的にかかる費用です。
薬剤師や事務員などの給与や社会保険料などが含まれます。
人件費は、薬局の規模や人員によって異なりますが、一般的には、月に200万円〜300万円程度が目安となります。
物件の家賃
物件の家賃は、薬局の開業後も継続的にかかる費用です。
物件の家賃は、物件の広さや立地によって異なりますが、一般的には、月に50万円〜100万円程度が目安となります。
水道光熱費
水道光熱費は、薬局の開業後も継続的にかかる費用です。
水道や電気やガスなどの使用料が含まれます。
薬局の規模や使用量によって異なりますが、一般的には月に10万円〜20万円程度が目安となります。
医薬品の仕入れ費用
医薬品の仕入れ費用は、薬局の開業後も継続的にかかる費用で、販売する医薬品を仕入れるために必要な費用です。
薬局では、薬品や医療用品などの在庫を常に保有する必要があります。
医薬品の仕入れ費用は薬局の規模や、取り扱う医薬品の種類や数量によって異なりますが、一般的には、月に100万円〜200万円程度が目安となります。
その他
その他にも、薬局の開業後には、以下のような費用がかかります。
- 薬局の保険や税金の費用
- 薬局の広告や宣伝の費用
- 薬局の備品や機器の修理や更新の費用
- 薬局の清掃や消毒の費用
- 薬局の教育や研修の費用
上記の費用はそれぞれの項目によって異なりますが、合計で月に50万円〜100万円程度が目安となります。
以上のことから、薬局の開業に必要な資金は、初期費用として約2000万円〜4000万円、運転資金として月に約400万円〜700万円が必要だといえます。
初期費用などを自己資金で賄うのは難しい場合が多いため、銀行や金融機関からの借入や補助金や助成金の活用などが必要になるでしょう。
薬局の開業には多額の資金が必要となることを念頭に置き、事前にしっかりと資金計画を立てることが大切です。
薬局を開業する手順
薬局を開業する手順は、以下のとおりです。
物件を決める
薬局を開業するにはまず、物件を決める必要があります。
物件選びは、開業の成功に大きく影響する重要な要素です。
物件選びには、以下の点に注意してください。
- 立地条件
薬局の立地は、経営の成功に大きく影響します。交通の便や人通り、競合店の有無、周辺の医療機関や住宅の状況などを考慮して、需要の高いエリアを選びましょう。 - 建物の条件
広さや間取り、設備や駐車場の有無、耐震性や防火性などを確認して、機能的で安全な建物を選びましょう。 - 規模
薬局の規模は、経営の効率や収益に影響します。規模を決める際には、自分の目標や予算、サービス内容などを考慮してください。 - 賃料や契約条件
薬局の物件を購入する場合や、賃貸する場合には契約をする必要があります。契約する際には契約内容や条件、期間などを確認してください。予算や収益予測に合わせて、賃料や敷金・礼金、更新料や解約条件などを交渉して、負担の少ない契約を結びましょう。
物件選びには、不動産会社や開業コンサルタントなどの専門家への相談も有効です。
彼らは、物件の情報や市場の動向、開業のノウハウなどを提供してくれます。
保健所や専門家に相談する
薬局を開業するには、保健所や専門家に相談する必要があります。
保健所や専門家に相談する際には、以下のような点に注意してください。
保健所
保健所は、薬局の開設許可や廃棄物処理などの申請や検査をおこなう機関です。
保健所に相談にのってもらうことで、申請書類や検査基準などの情報を入手できます。
また、開業に関する法令や規則、許可申請の方法や必要書類などを確認できます。
保健所は、開業後も薬局の衛生管理や薬事監査などをおこなう機関なので、良好な関係を築くことが重要です。
専門家
専門家は、薬局の経営や税務や法律などの分野に詳しい人です。
専門家には、税理士や弁護士、会計士や開業コンサルタントなどがあります。
専門家からは、開業に関する財務や法律、経営やマーケティングなどの専門的な知識やアドバイスを得られます。
専門家に相談して話し合うことで、開業の計画や準備をスムーズに進められます。
また、経営計画や節税対策、契約書作成などのサポートを受けられます。
薬局開設許可申請書を提出する
物件探しや専門家との相談が終わったら、薬局開設許可申請書を開業する地域の保健所に提出する必要があります。
薬局解説許可申請書とは、薬局の開業許可を取得する際に必要な書類です。
薬局開設許可申請書には、以下のような内容が必要です。
- 薬局の名称や住所、電話番号などの基本情報
- 薬局の規模や設備、営業時間などの営業条件
- 薬局長や薬剤師の氏名や資格、勤務時間などの人事情報
- 薬局の平面図や立面図、配置図などの図面
- 薬局の設立目的や方針、事業計画などの説明
薬局開設許可申請書の提出には、申請料や印紙代などの費用がかかります。
また、申請書の内容に不備や不足があると、許可が下りないか、遅れる可能性があります。
そのため、申請書の作成や提出には、十分な注意と確認が必要です。
保健所の検査を受ける
薬局開設許可申請書を提出したあと、保健所から検査を受ける必要があります。
検査は、薬局の設備や衛生状態、薬剤師の資格や勤務状況などを確認する目的でおこなわれます。
検査の際には、以下のような点に注意してください。
- 検査の日程や時間は事前に連絡してくれます。検査当日は薬局長や薬剤師がその場にいる必要があります。
- 検査では、薬局の各部屋や設備、備品、薬品などを詳細にチェックします。検査員には、必要な資料や説明の提供が必要です。
- 検査は、薬局の運営に関する法令や規則、指針などを厳しく適用します。検査員には、遵守していることを示す必要があります。
検査の結果が不合格になると、許可が下りないか、遅れる可能性があります。
そのため、検査には十分な準備と対応が必要です。
保険薬局指定申請書を提出する
保健所の検査に合格して薬局開設許可証が届いたら、地域の厚生局に保険薬局指定申請書を提出します。
保険薬局指定申請書には、以下のような内容が必要です。
- 薬局の名称や住所、電話番号などの基本情報
- 薬局の規模や設備、営業時間などの営業条件
- 薬局長や薬剤師の氏名や資格、勤務時間などの人事情報
- 薬局の設立目的や方針、事業計画などの説明
- 薬局開設許可証の写しや薬局の写真などの添付資料
保険薬局指定申請書の保険薬局指定申請書の提出には、申請料や印紙代などの費用がかかります。
また、申請書の内容に不備や不足があると、指定が下りないか、遅れる可能性があります。
そのため、申請書の作成や提出には十分な注意と確認が必要です。
参考:関東信越厚生労働局「保険医療機関・保険薬局の指定等に関する申請・届出」
厚生局の審査を受ける
保険薬局指定申請書を提出したあと、厚生局から審査を受ける必要があります。
審査では薬局の経営やサービス、品質管理などを評価されます。審査には、以下のような点に注意してください。
- 審査の日程や時間は事前に連絡してくれます。審査当日は、薬局長や薬剤師がその場にいる必要があります。
- 審査では、薬局の業務や記録、薬品や備品などを詳細にチェックします。審査員には、必要な資料や説明を提供する必要があります。
- 審査は、薬局の運営に関する法令や規則、基準や指針などを厳しく適用します。審査員には、遵守していることを示すことが必要です。
審査の結果が不合格になると、指定が下りないか、遅れる可能性があります。
そのため、審査には、十分な準備と対応が必要です。
薬局を開業する
厚生局の審査に合格したら、薬局を開業できます。
開業するには、以下のことをおこなう必要があります。
- 薬局の看板やロゴ、ポスターなどの宣伝物を作成して、目立つように掲示する
- 薬局の電話やインターネット、ファックスなどの通信設備を整備して、連絡がスムーズにできるようにする
- 薬局のレジやパソコン、プリンターなどの機器を設置して、業務が効率的にできるようにする
- 薬局の薬品や備品、消耗品などの在庫を管理して、必要な量と品質を確保する
- 薬局のスタッフや協力医などの関係者との連携を強化して、信頼関係を築く
- 薬局のサービスや特色、キャンペーンなどの情報を発信して、顧客の獲得や満足度の向上を図る
以上が、薬局を開業する手順です。
開業には、多くの努力や時間がかかりますが、自分の夢を実現できる素晴らしいチャンスです。
開業に向けて、頑張ってください。
まとめ
- 薬局の独立開業をすると、自分の理想の薬局を実現や収入の増加、自分の時間をコントロールできるメリットがある
- 薬局の独立開業をすると、大きな資金が必要、経営や管理責任が重い、自分の時間が減るなどのデメリットもある
- 薬局の開業に必要な許認可には、薬局開設許可申請と保険薬局指定申請がある
- 薬局のオーナーや経営者となるだけなら、薬剤師免許がなくても開業できる
- 薬局の開業に必要な資金には、初期費用と運転資金がある
薬局の独立開業は、自分の薬局を作る夢の実現への第一歩です。
開業すれば、自分の考えや信念に基づいて、患者さんに最適なサービスを提供できる理想の薬局を作り出せます。
しかし、薬局を開業するには薬剤師の資格だけでは足りません。
薬局開設許可や医療機関との関係構築、開業資金の準備などの課題があります。
さらに、開業後も経営や人事、法律の改正などに適応する能力が求められます。
この記事を参考にして、薬局の独立開業のメリットとデメリット、必要な条件と手順、開業後の収入などを把握してください。
あなたの薬局の独立開業の成功を応援しています。