「脱毛サロンを開業したいけど資格はいるの?」
「脱毛サロンの開業は儲かるの?」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
脱毛サロンは資格がなくても開業できるビジネスですが、できれば取っておきたい資格もあります。
本記事では、脱毛サロンの開業について、開業するメリット、開業資金の内訳、脱毛施術者におすすめの資格、開業の手順を解説します。
脱毛サロンとは
脱毛サロンは脱毛の施術をおこなうサロンのことで、おこなえるのは光脱毛(フラッシュ脱毛)による施術です。
光脱毛は、一時的な減毛効果は認められるものの、永久脱毛の効果はありません。
回数を重ねることで自己処理が楽になりますが、定期的に通い続ける必要があります。
しかし、医療脱毛よりも施術時の痛みが少なく、比較的安い料金で利用できます。
脱毛サロンを開業するメリット
脱毛サロンを開業するメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
以下の3つについて解説します。
需要が右肩上がり
2023年2月に実施された、株式会社リクルートの調査研究機関ホットペッパービューティーアカデミーによる調査結果によれば、ここ2年間で男性の脱毛サロンの利用金額は増加しています。
(引用:株式会社リクルート|【美容センサス2023年上期]<<エステサロン[脱毛]編>>)
「ヒゲ剃りによる肌荒れをなくしたい」というヒゲ脱毛の利用増加に加え、「衣服からワキ毛がはみ出さないようにしたい」「ワキの臭いを抑えたい」などワキ脱毛を実施する男性が増えています。
脱毛サロンは女性だけに利用されているわけではなく、肌ケアや身だしなみに関心が高い男性のマーケット拡大も期待されている、右肩上がりのビジネスといえます。
失敗したときのリスクが低い
脱毛サロンは他の業種に比べ、失敗したときのリスクが低いビジネスです。
その理由のひとつは、初期費用や運転資金を抑えやすいためです。
たとえば、脱毛サロンの開業資金のうち、大きな割合を占める業務用脱毛機と店舗費用の目安は以下のとおりです。
開業に必要なもの | 費用の目安 |
脱毛機の購入代 | 150万円~500万円 |
店舗保証金・賃料 | 50万円~100万円 |
この業務用脱毛機の購入を「レンタル利用」に変更すると、毎月約4万円から導入ができます。
また自宅の一室をサロンとして使うことが可能であれば、店舗賃料が不要になり、開業時の経費の大幅な削減ができます。
こうした工夫ができるので、脱毛サロンの開業は、運転資金や初期費用を抑えやすいため失敗のリスクが低く、開業しやすいビジネスといえるのです。
客単価が高い
脱毛は一度の施術で完了することはなく、一定の回数が必要なため、客単価は高くなります。
脱毛施術後は肌が乾燥しやすくなるため、エステサービスやスキンケア商品を求めるニーズがあり、良いサービスを提供できれば客単価をさらにあげられます。
脱毛サロンの開業に必要な資格
脱毛サロンは光脱毛で施術するため、特別な資格はいらず、未経験でも開業が可能です。
しかし、なかには脱毛サロンの施術にたいして「失敗しないだろうか」など不安を感じる方も少なくありません。
顧客に安心して施術を受けてもらうために、専門知識を学んだ証明である資格の取得は望ましいでしょう。
脱毛サロンの開業におすすめの資格は以下のとおりです。
資格名 | 資格の特徴 | 取得要件 |
---|---|---|
脱毛士 | 「3級脱毛士」「2級認定脱毛士」「上級脱毛士」の3段階にわかれ、3級脱毛士は講座を受講すれば取得できる。 |
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JEPA認定美容ライト脱毛エステティシャン | 専門家による教育講習をとおして美容ライト脱毛の基礎的な知識を学ぶ |
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脱毛サロンの開業に必要な資金
脱毛サロンの開業に必要な資金には、以下の2つがあります。
開業資金
開業資金とは、脱毛サロンを開業する際にかかる初期費用のことです。
内訳は以下の表のとおりです。
開業に必要なもの | 費用の目安 |
---|---|
脱毛機の購入代 | 150万円~500万円 |
家具・家電製品の購入代 | 30万円~70万円 |
備品・消耗品の購入代 | 5万円~10万円 |
広告宣伝費 | 3万円~10万円 |
店舗保証金・賃料 | 50万円~100万円 |
合計 | 238万円~690万円 |
脱毛サロンの開業では、合計約240万円~約700万円の開業資金がかかります。
店舗を借りず自宅で開業したり、脱毛機をレンタルで安く導入したりするなど、方法によって開業資金の費用は大きく変わります。
運転資金
運転資金とは、開業後にかかる費用のことです。
脱毛サロンは主に店舗家賃、脱毛機のメンテナンス代、消耗品費などが毎月かかります。
脱毛サロンの運転資金の目安は以下のとおりです。
経費の種類 | 費用の目安(1ヵ月) |
---|---|
店舗の家賃 | 7万円~15万円(エリアによって変動) |
脱毛機のメンテナンス代 | 1万円~3万円以上 |
光熱費・通信費 | 1万円~2万円 |
人件費 | 40万円(正社員1人につき) |
消耗品の購入代 | 3万円~5万円 |
広告宣伝費 | 3万円~5万円 |
税理士顧問料 | 3万円 |
合計 | 58万円~73万円以上 |
運転資金は、開業してから売上が安定するまでの数ヵ月分を準備しておくと安心です。
脱毛サロンを開業する手順
脱毛サロンを開業する手順は以下のとおりです。
開業資金を確保する
必要になる設備や開業資金の金額が決まれば、続いて資金の調達方法を選定します。
資金の調達方法は以下の4つがあります。
- 貯金を使う
- 親類・知人に借りる
- 融資を受ける
- 開業助成金を申請する
個人で開業する場合は、実績がないと融資が受けられない場合がほとんどです。
できるだけ自己資金で、まかなえるようにしましょう。
コンセプトを決定する
コンセプトとは、顧客にどのような価値を提供したいのかを文章にして、見える化したものです。
コンセプトを決定する際に重要なのは「誰に向かってどのようなサービスを提供したいのか」をはっきりさせることです。
「高性能脱毛機とこだわりの化粧品で美しさを提供する」というコンセプトであれば、費用よりも結果を大切にする美容意識の高い層がターゲットです。
また「手頃な価格で安心して通える」というコンセプトであれば、学生など若い層、ライトな層がターゲットになります。
誰にどんなサービスを提供したいのか、はっきり訴求できるコンセプトを決めましょう。
物件を決める
次はテナント物件を決めます。
テナント物件選びは、初期費用から毎月の費用、集客に大きく影響があり、開業を成功させるうえで最も重要な決断です。
コンセプトに基づいてお店を作っても、ターゲットに沿わない立地や赤字になるような高額物件を選ぶと、成功からかけ離れてしまいます。
- 家賃
- 広さ
- 築年数
- 立地
- ビル設備(エレベーターの有無・トイレなど)
上記のような条件に、優先順位をつけて物件を探してみましょう。
集客方法を考える
脱毛サロンは、若年層の利用ニーズが高まっています。
集客方法も若年層に合わせたものを利用することで、高い集客率を目指せます。
SNSやYouTubeなどを利用して、若年層にサロンを知ってもらう集客方法は有効です。
それ以外の世代でも、今はまずインターネットで検索し、比較する人がほとんどです。
時代に合わせた集客方法を積極的に取り入れてみましょう。
必要なものを揃える
脱毛サロンの開業に必要な備品は、以下のとおりです。
まず、家具・家電類を揃える必要があります。
- 施術用ベッド
- ドレッサー
- シェーバー
- 照明器具
- パソコン
- プリンター
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 掃除機
- その他インテリア用品
その他にも、脱毛サロンでは消耗品が必要です。
- タオル
- 使い捨て下着
- 脱毛ジェル
- ゴーグル
- スキンケア用品
- バスローブ
- 制服
- カミソリ
- 観葉植物
- その他消耗品
サロンによって必要な備品は異なるため、自分の店に何が必要かをリストアップしておきましょう。
また備品によっては届くまでに時間がかかるものもあるため、余裕をもって準備を始めることが大切です。
脱毛機を購入する
脱毛機の購入は、以下の5つのポイントに注意が必要です。
- 効果の高さ
- メンテナンス費用
- 安全性
- 値段
- メーカーサポートの充実度
公式サイトやカタログを見るだけでなく、デモ体験やセミナーに参加して脱毛器のサイズ感や使用感を確かめてから購入しましょう。
販売価格は数十万円から数百万円ですが、レンタルや分割支払いにすると初期費用を抑えられます。
開業手続きをおこなう
脱毛サロンを開業する際は、税務署に開業届を提出します。
提出するときの注意点は以下の3つです。
- 開業から1ヵ月以内に提出する
- 開業届の控えを忘れずにもらう
- 青色申告承認申請書も忘れずに提出する
開業届は「税務署長に提出用」と「自分の控え用」の2枚を作成し、税務署受付印のある控えを忘れずにもらっておきましょう。
青色申告をしたい場合は、「青色申告承認申請書」も同時に提出しておく必要があります。
まとめ
以上、脱毛サロンの始め方や開業資金などについて解説しました。
まとめは以下のとおりです。
- 脱毛サロンとは光脱毛(フラッシュ脱毛)で脱毛施術が受けられるサロンのこと
- 脱毛サロンを開業するメリットは需要が右肩上がりであること、失敗したときのリスクが低いこと
- 脱毛サロンを開業する際に特別な資格は不要、顧客に安心感を与えるための資格の取得も集客方法のひとつ
- 脱毛サロンの開業資金の目安は240万円~700万円
- 脱毛サロンを開業する手順で必要なことは開業資金の確保や、コンセプトの決定など
脱毛サロンは資格がいらず開業しやすいビジネスですが、競合サロンが多いという課題はあります。
個人経営にしかできない柔軟な対応や丁寧なサービスをおこない、他店との差別化を図って成功させましょう。