皆さんがよく行く店のなかにも「フランチャイズチェーン」が数多くあります。
しかし「フランチャイズって具体的に何?」「フランチャイズとそうでないお店の違いは?」と聞かれると正確に答えられない人も多いのではないでしょうか。
フランチャイズは新しくビジネスを始めようと考えている人にとって大きなメリットがあります。
本記事を読むと、以下の情報についてわかります。
- フランチャイズの基本
- フランチャイズ加盟のメリットとデメリット
- フランチャイズのおすすめジャンル
- 開業の流れと失敗しないポイント
開業初心者の大きな手助けになる可能性がある「フランチャイズ」について知るために、ぜひ本記事をお読みください。
フランチャイズとは
フランチャイズをわかりやすく説明すると、「成功した大手企業のビジネスモデルを利用して、契約を結んだ事業主が個人事業をおこなう」事業の方式です。
加盟したオーナーは企業に対して加盟料やロイヤリティを支払う対価として、企業のブランド、サポート、商品、サービス、および営業ノウハウを活用できます。
フランチャイズ店とは、独立した事業主が成功したビジネスモデルを持つ企業と契約して事業を運営する店を指し、幅広い業種や分野で多くの店舗が展開されています。
フランチャイズの代表的な例が、コンビニエンスストアの代表格である「ファミリーマート」や「セブンイレブン」、飲食店で人気の「コメダ珈琲」や「モスバーガー」などです。
ほかにも教育業界では「公文」のような学習塾、フィットネス業界では「ゴールドジム」などが挙げられます。
フランチャイズは事業を始める人にとって、リスクを抑えつつ独立して事業を展開する方法として適しています。
フランチャイズに加盟するメリット
フランチャイズに加盟するメリットは以下の4つです。
一つ一つ解説します。
未経験でも挑戦しやすい
フランチャイズチェーンには、今までに多くの開業未経験者の開業・運営を支援してきたノウハウが蓄積されています。
未経験者でも開業・運営しやすいビジネスモデルだけでなく、開業までのサポートや研修体制も整っています。
フランチャイズのオーナーになれば開業に必要なリソースや指導が提供されるため、一から手探りで開業までこぎつける必要がありません。
さらに、飲食店ならば食材、教育関係ならば教材など未経験の場合に入手に悩む部分に対して、入手ルートが最初から用意されているのもフランチャイズのメリットです。
本部からさまざまなサポートを受けられるフランチャイズ加盟は、未経験でビジネスを始める人にとって挑戦しやすい点がメリットです。
また開業だけでなく、業界自体が未経験でも加盟を歓迎しているフランチャイズ本部は多くあります。
研修体制が整っているフランチャイズを選べば、稼げるスキルを身につけながらの開業が可能です。
すでに知名度がある
フランチャイズチェーンはすでに一定の知名度を持っており、顧客にとって「信頼できる」「一定のクオリティが保証されていて安心」などのイメージがあり人気です。
有名企業の知名度を活用して開業後すぐに顧客の信頼を獲得できるのは、個人店にはないフランチャイズ店のメリットです。
ブランドの力は集客や売り上げの向上につながり、事業成功への強力なサポートとなります。
本部が広告を出してくれる
多くのフランチャイズ本部はチェーン全体の広告キャンペーンを実施し、フランチャイズ店に利益をもたらすための広告戦略を展開します。
フランチャイズオーナーは独自の広告戦略を考える必要がなくなり、ブランド全体の宣伝活動を通じて新たな顧客が得られる点がメリットです。
また、有名企業のスケールメリットとして、個人では難しいような大がかりな規模でのキャンペーン広告も可能です。
ロイヤリティをはじめとする負担金があっても、大規模な広告により負担を上回る集客効果が期待できます。
店舗運営に集中しやすい
もし開業する業界について元々経験や知識があっても、従業員側と経営者側では必要なスキルやおこなう業務も違います。
日々店舗を運営しながら集客や経営課題と一人で向き合っていくのは難易度が高いのではないでしょうか。
フランチャイズ本部にはすでに完成したビジネスモデルがあり、今までほかのオーナーが悩んできたような問題についてはある程度対策が確立されています。
豊富な知識とノウハウが蓄積しているフランチャイズ本部の支援を受けられるため、ビジネスが軌道に乗るまでの多くの課題やリスクが軽減され、オーナーは店舗運営に集中しやすくなります。
フランチャイズに加盟するデメリット
さまざまなメリットの反面、フランチャイズに加盟するデメリットには以下の4つがあります。
デメリットについても解説していきます。
ロイヤリティの支払いが生じる
フランチャイズ加盟で大きなネックとなるのが、「ロイヤリティ」の支払いです。
ロイヤリティとはフランチャイズ企業のブランドやノウハウに対する「使用料」です。
フランチャイズオーナーは、フランチャイズ本部に対してロイヤリティを支払う必要があります。
多くのフランチャイズ企業では、加盟店の売上額に対してロイヤリティが計算されるため「売上が増えてもロイヤリティも増えてしまい大きく稼ぎにくい」点がフランチャイズのデメリットです。
さらに、売上が少なくてもロイヤリティの支払いは0にはなりません。
十分な売上を保たなければ、ロイヤリティが収益を圧迫してしまい経営が苦しくなる可能性もあります。
しかし、名前も知らない個人店が開業から大手フランチャイズチェーンと同様に稼げるようになるには相当な時間がかかるでしょう。
ロイヤリティを支払っても、最初から大手のブランド力とノウハウを利用できるなら最終的にフランチャイズチェーンのほうが稼ぎやすいのではないでしょうか。
経営の自由度が低い
フランチャイズチェーンには、ブランドイメージのために「安定したサービスの質」と「チェーン全体での均一したサービス内容」を提供する必要があります。
フランチャイズ加盟店は、フランチャイズチェーン全体で統一したサービスを提供できるように、本部から提供されたビジネスモデルや運営ガイドラインに従って事業をおこなわなければいけません。
完成されたノウハウで事業をおこなえてリスクや負担が少ない反面、経営者の自由度は制限されます。
オーナーが独自のアイデアを実行したい、不満点を解消したいと思っても基本的に実現不可能な点がフランチャイズのデメリットです。
完成されたノウハウのもとに少ないリスクで事業をおこないたい人にはフランチャイズが向いています。
しかし「自分のアイデアが通用するか試したい」と考える人は個人で事業を起こすほうが向いているかもしれません。
ブランドイメージに経営が左右されやすい
フランチャイズ店舗の経営は、フランチャイズ企業のブランドイメージに大きく依存しています。
普段は有名企業のブランドイメージが店舗運営にプラスとなりますが、自分の店舗にマイナスの影響を及ぼす場合も起こり得ます。
例えば、近年は広告に対する世間の目が厳しく、本部が広告戦略を誤り「炎上」して顧客に反感を買ってしまい不買運動につながるようなケースも時々見られます。
広告内容だけでなく、イメージキャラクターとなっている芸能人のスキャンダルで提供している商品やサービスまで一気に人気が落ちるような事態も起こりがちです。
広告以外でも、フランチャイズ企業やほかのフランチャイズ店で不祥事が発生した場合、直接関係のない自分の店舗にまで悪いイメージがついてしまいます。
「ブランドイメージ」の影響はプラス面での効果が高い反面、一度マイナスイメージに転じると店舗の売り上げに長期的な影響を及ぼすリスクがあります。
離職すると同業種で起業できなくなる
「フランチャイズのノウハウと集客力は欲しいけれど、高いロイヤリティを払い続けるのは大変だから、ノウハウを身につけたら独立しよう」
オーナーのなかには「いいとこどりをしたい」と考える人も当然出てくるでしょう。
しかしフランチャイズ企業は、自社の利益のためにフランチャイズオーナーたちの開業・運営サポートに資金や人材を投入しています。
フランチャイズオーナーたちが、ノウハウと集客力を手に入れた途端にどんどん独立してしまっては採算が合いません。
したがってフランチャイズオーナーが独立して競合となるのを防ぐために、多くのフランチャイズ契約には「競業禁止条項」が含まれています。
競業禁止事項とは、フランチャイズ契約の終了後に「同業種での独立起業の禁止」「ノウハウの漏洩禁止」が定められている規定です。
フランチャイズ契約には基本的に競業禁止事項が盛り込まれているため、同じ事業で独立はできません。
「事業に慣れたらフランチャイズ本部から提供されたノウハウや情報を利用して独立しよう」と考えている人は注意が必要です。
フランチャイズ経営に向いている人の特徴
フランチャイズ経営にはメリット・デメリットがあり、人によって向き不向きもあるでしょう。
以下のような特徴を持つ人は、フランチャイズ経営に向いていると考えられます。
柔軟に適応して能力を発揮できる
フランチャイズ経営は原則として本部の定めた運営ルールに基づきおこなう必要があります。
自分でアイデアを生み出し自由に運営したい人より、本部の方針を理解し共感したうえで方針に沿って運営したいと考える人のほうがフランチャイズに向いているでしょう。
しかし、「本部の方針に従っていれば大丈夫」と人任せにするタイプの人にもフランチャイズは向いていません。
フランチャイズは完成されたビジネスモデルを使用するものの、事業をおこなうのはオーナー本人です。
売上向上のためには、本部が定めた運営スタイルの範囲内で、自分の店舗の地域特性やニーズに合わせた経営を考えておこなう工夫と柔軟性が必要です。
計画に基づき経営努力を継続できる
フランチャイズに限りませんが、オーナーとして事業をおこなうからには、経営計画に基づいた売り上げを達成するためのに経営努力を継続する必要があります。
特にフランチャイズに加盟した場合にはロイヤリティの支払いがあるため、初期費用の回収やロイヤリティをはじめとする各種支払いを踏まえた経営計画が成功には欠かせません。
また、フランチャイズでは自店の問題や悪い評判がほかのフランチャイズ店舗にも影響してしまいます。
フランチャイズのブランドイメージを崩さないために、提供するサービスの質が低下しないよう個人店よりも一層気を配る必要があります。
「経営努力を続けられる覚悟がある」のも、フランチャイズ加盟が適している人の特徴です。
適切なコミュニケーションと信頼関係が構築できる
フランチャイズのオーナーには、フランチャイズ本部と店舗の従業員の両方に対して適切なコミュニケーションを取る能力が必要です。
本部に要望や課題を伝えて協力してもらうためにも、従業員に経営方針に沿ったオペレーションをしてもらうためにも、信頼関係の構築は欠かせません。
信頼関係が構築されていれば、トラブルが発生した際にもこじれずに円滑に対処しやすくなり、協力も得られて売上向上につながります。
「自分の好きなようにやりたい」と考える人よりも、「協力して店舗をよくしていきたい」と考えられる人にはフランチャイズ経営が向いています。
成功しやすいフランチャイズの選び方
フランチャイズにも多数のジャンルや店舗があります。
次に、成功しやすいフランチャイズを選ぶポイントについて解説します。
成長の可能性がある
フランチャイズを選ぶ際、まず考えたいのがフランチャイズ企業のブランドや事業のジャンルが成長する可能性です。
成長が見込まれる市場と縮小していく市場では、成功の可能性や成功するまでの労力がまるで変わってきます。
まず企業の経営状態や主力事業の将来性をチェックしましょう。
経営するフランチャイズ企業の経営の安定性もビジネスの成功に必要です。
事業のジャンルの成長性についても、もちろん考えておくべきです。顧客層は今後増えるのかどうか、新たな市場が見込めるかについてわかる範囲で調べておきましょう。
判断が難しければ「自分が利用者として考えたときに将来にわたって利用したいと思えるか」で考えるか、周囲にターゲット層となる人がいれば意見を聞いてみるのもよいでしょう。
初期投資額が少ない
初期投資額が大きくても顧客単価が高く、回収までにあまり時間のかからないフランチャイズもあります。
しかし、初期投資額が少なければ回収までの期間も短くなりやすく、失敗するリスクも低くなります。
初めて開業するなら、初期投資額が少ないフランチャイズがおすすめです。
100万円以内で開業できる初期投資額の少ないフランチャイズもあり、なかには「はぐくみ弁当plus」のような「0円開業」をうたうフランチャイズもいくつか存在します。
収益を得やすい
初期投資額の大きさも重要ですが、収益を得やすいビジネスモデルかについても検討しましょう。
収益の得やすさの要素として、以下のようなものが挙げられます。
顧客単価が高くても独自性が少なく競争が激しいジャンルは収益の維持が難しくなります。
また、リピート率が高くても今後需要の縮小が見込まれるジャンルでは将来にわたって収益を得るのが難しいでしょう。
複数の要素から収益の得やすさを総合的に判断しましょう。
サポート体制が整っている
特に未経験からフランチャイズに加盟して開業する場合、成功するためにはフランチャイズ本部からのサポートが不可欠です。
開業前と開業後のサポート体制についても確認しておきましょう。
フランチャイズチェーンによってさまざまですが、以下のようなサポートを提供する企業もあります。
また、開業前だけでなく開業後のサポート体制についても、わからない点があれば契約前に本部に確認しておきましょう。
信頼性が高い
フランチャイズ企業のブランドイメージを利用して営業をおこなうフランチャイズ店にとって、企業の信頼性は重要です。
信頼性が高いフランチャイズは長年の実績があり、顧客からの信頼も得ているため需要が安定しています。
フランチャイズ企業の信頼性がオーナーが経営する店舗にも信頼性と安定性につながるため、顧客から信頼性を高く評価されているフランチャイズの選定が開業成功の鍵でもあります。
これから開業を目指す人におすすめのフランチャイズ5選
開業を考えている人にとって気になる点が「結局、儲かる人気のフランチャイズは何?」ではないでしょうか。
具体的に、開業におすすめのフランチャイズのジャンルを5つ紹介します。
コンビニエンスストア
ターゲット層の広さ、リピート率の高さから収益の安定性が見込めるおすすめフランチャイズがコンビニエンスストアです。
コンビニエンスストアは、多くの人々に幅広い商品とサービスを提供するビジネスモデルであり、ニーズが多いため安定しています。
コンビニエンスストアを知らない人も必要としない人もほぼ存在せず、「サービスの認知」「集客」の2つの重要な経営課題がない点もメリットです。
また「本部からのサポートが充実しており、店舗運営や商品の仕入れがスムーズ」「マニュアルがしっかり定められているため従業員の教育がしやすい」などの点からもおすすめです。
飲食店
フランチャイズ開業で人気のジャンルの一つが飲食店です。
飲食の需要は常にあり、テレワークが普及したコロナ禍以降はデリバリーやテイクアウトの需要も増加しています。
しかし、顧客側からすると「知らない店に入るのは不安」と感じる人は多いでしょう。
味やサービスに当たり外れのある個人店ではなく、「いつでもどこでも確実においしいものが食べられる」フランチャイズは今後も安定した需要が見込まれます。
飲食店を開業したい人にとって、フランチャイズチェーンへの加盟はすでに成功している飲食店のレシピや店舗オペレーションを活用できる点も大きなメリットです。
ハウスクリーニング
共働きの普及と高齢化の進行によって、今後さらに需要が増えると考えられるおすすめジャンルがハウスクリーニングです。
フランチャイズでハウスクリーニング業を開業するメリットは初期投資額の少なさです。
ハウスクリーニングは依頼先に訪問するスタイルのため、実店舗を持たずに開業できます。
さらに大がかりな設備や機器も不要な点も初期投資額の少なさにつながります。
さらに、ハウスクリーニングがおすすめなもう一つの点が収益の得やすさです。
通常一度クリーニングを頼んで終わりにはならず、顧客から継続的に依頼を受注できます。
初期投資額の少なさに対して、継続して収益を得られるビジネスモデルです。
マッサージ店
フランチャイズのマッサージ店では、主に以下のようなメニューの施術をおこなっています。
個室で1対1で施術を受ける性質上、無名の個人がリラクゼーション系の店舗を開業しても、なかなか集客につなげるのは難しいでしょう。
リラクゼーション系の開業を考えているなら、フランチャイズに加盟して有名チェーンの知名度と信頼性、集客力を利用するのがおすすめです。
マッサージ店では店舗の家賃が大きな支出となりますが、大がかりな機材が必要ないうえにリピーターがつきやすいジャンルなため、収益が出しやすいビジネスです。
買取店
「必要がなくなったら売る」「必要なものは中古で安く手に入れる」などの考えが一般的になり、需要が今後さらに高まると期待できるのが買取店です。
買取店の開業と聞くと心配なのが「査定」の難易度ですが、個人店と違いフランチャイズチェーンには未経験でも問題なく買取をできるシステムが整っています。
具体的には、スマートフォンで品物の写真を撮影して本部にいるプロが査定をしてくれたり、AI査定サービスを使って鑑定ができたりする買取システムが採用されています。
未経験でも安心して店舗を運営できるサポート体制が用意されているのがフランチャイズで買取店を始めるメリットです。
さらに買取店は、1人でも運営できるため自分でおこなえば人件費がかからないところもおすすめな点です。
フランチャイズで開業する流れ
フランチャイズで開業する流れは、以下の3ステップです。
気をつけるべき点と合わせて、一つ一つ見ていきましょう。
情報収集をする
まずは、話を聞くフランチャイズチェーンを決めるために情報収集をしましょう。
フランチャイズにもさまざまなジャンルがあり、知らなかった業種に興味がわくかもしれません。
フランチャイズチェーン比較サイトもあるので、まずはフランチャイズの一覧を見てみるのもおすすめです。
また、同じ業種でもフランチャイズ企業ごとに強みや初期投資額が変わってきます。
比較して、自分に合いそうな企業から資料を取り寄せたり話を聞いてみたりしましょう。
加盟したいフランチャイズ企業がある程度絞れたら、業界の将来性や口コミについても調べておくとよいでしょう。
説明会に参加する
情報収集をしたあと、詳しく知りたいと思ったフランチャイズ企業の説明会に参加しましょう。
申し込みはフランチャイズ比較サイトからでもおこなえます。
説明会ではフランチャイズ本部の社員から直接ビジネスモデル、運営要領、初期投資額、収益モデルなどについて詳しい話を聞ける機会です。
説明だけでなく、実際に使用するシステムやデモを体験できるものもあります。
遠方だったり時間がなかったりで会場に行けない人でも、オンライン開催の説明会も多いので安心です。
気になる点は事前にまとめておき、聞き漏れがないようにしておきましょう。
加盟契約をする
説明会で話を聞いた結果、加盟するフランチャイズ企業や開業を決断したら、加盟契約を締結します。
契約には詳細な取り決め、ロイヤリティの支払い、研修プログラムへの参加などが含まれます。
契約を締結する際には契約内容をよく理解し、質問や懸念点があればフランチャイズ本部にきちんと確認しましょう。
加盟契約が完了すると、開業準備に移ります。
開業に向けての具体的なスケジュールを立てたり、研修があれば参加したりしながら開業手続きを進めていきます。
フランチャイズ開業で失敗しないためのポイント
フランチャイズ開業で失敗して資金を無駄にしないように、以下の3つのポイントについて押さえておきましょう。
理由について解説します。
本部と良好な関係を築く
フランチャイズ開業の成功に欠かせないポイントの一つは、フランチャイズ本部との良好な関係の構築です。
本部はフランチャイズオーナーの成功をサポートするためにさまざまなリソースを提供するだけでなく、今までほかのオーナーが経験した成功・失敗の情報についても蓄積しています。
積極的に本部とコミュニケーションを取り、アドバイスやサポートを素直に受ける姿勢が重要です。
信頼関係と協力関係を築いていれば、問題が発生した際にも本部の力を借りて早期に解決でき、事業を順調に運営できるでしょう。
自己流で経営しない
逆に避けたいのが、自己流での経営です。
フランチャイズは今までの成功事例に基づいたビジネスモデルによる運営を前提としています。
自己判断でチェーンの方針と異なる経営をすると事業が失敗する要因となるだけでなく、ほかの店舗との統一性がなくなりブランドに悪い影響を与えます。
チェーン全体の均一されたサービスもフランチャイズのメリットのため、仮に自己流で変更した部分が好評でも、本部から何らかのペナルティを受ける可能性があります。
さらに一度運営ルールを破ったオーナーに対しては信頼性が失われてしまい、以後の協力が得られなくなるかもしれません。
本部から提供される運営手順やマーケティング戦略、商品供給などのガイダンスを守った運営が、長期的な成功につながりやすくなります。
十分な資金を用意して挑戦する
初期投資額が大きいようなフランチャイズに加盟する場合、初期投資額で手いっぱいになり資金の余裕がないまま始めてしまうケースもあるかもしれません。
しかし、初期投資額の回収期間はあくまで「見込み」であり、さまざまな事情で回収が遅れる可能性もあります。
予算不足で運営を始めると、実際の収支が予想より悪かった場合にはすぐに経営困難になる可能性が高まります。
結果的に、継続していれば収益が上がったのに安定するまで維持できず失敗して廃業する事態にもなりかねません。
余裕をもった資金計画を立て、多少予定が狂っても経営が悪化しないように十分な資金を用意してからフランチャイズで開業するようにしましょう。
まとめ
- フランチャイズとは、成功した大手企業のビジネスモデルを利用して、契約を結んだ事業主が事業をおこなう方式
- フランチャイズに加盟するメリットは「ノウハウ」「知名度」「集客力」が利用でき、未経験者でも運営しやすいところ
- フランチャイズに加盟するデメリットは「ロイヤリティの支払い」「自由度の低さ」「ブランドイメージのマイナス影響を受ける可能性」があるところ
- フランチャイズを選ぶポイントは「成長性」「初期投資額」「収益の得やすさ」「サポート体制」「信頼性」の5つ
- 開業におすすめのフランチャイズは「コンビニエンスストア」「飲食店」「ハウスクリーニング」「マッサージ店」「買取店」の5つ
- フランチャイズ開業で失敗しないためには「本部との良好な関係を築く」「自己流で経営しない」「余裕のある資金を準備する」の3つがポイント
開業を考えた際に、自分で一から「成功するシステムの構築」「業務スキルの習得」「集客」をおこなうのは難しいのではないでしょうか。
フランチャイズへの加盟にはロイヤリティや加盟料がかかりますが、対価としての知名度やノウハウ、集客力の効果は十分に価値があります。
自分が投資できる資金と興味、業種の将来性を考えたうえで気になったフランチャイズの情報を集めて開業に向けて動き出しましょう。
フランチャイズに関するよくある質問
最後に、フランチャイズに関する質問について簡単にまとめました。
フランチャイズと直営店の違いは?
企業が直接運営をおこなっているのが直営店で、企業とフランチャイズ契約を締結したオーナーが店舗運営をおこなっているのがフランチャイズ店です。
直営店を運営する店長はチェーン店運営企業が直接雇用する社員です。
一方、フランチャイズ店舗のオーナーは企業とフランチャイズ契約を締結した事業主であり、企業に直接雇用されている訳ではありません。
フランチャイズにはどのような業種がある?
フランチャイズの業種は大きく分けると以下の3つです。
引用:アントレ|業種から探す
また同じ飲食でも、以下の一例のように業種はさまざまです。
今まで知らなかったようなフランチャイズも多くあるので、一度実際に検索してみるのをおすすめします。
フランチャイズが人気な理由は?
フランチャイズ本部で確立されているブランドや、すでに多くの成功者が出ているビジネスモデルを利用できる点が人気の理由です。
「自分で事業を起こしたいけれど、開業は未経験なので心配」と考える人にとって、本部のサポートを受けながら自分で事業を経営できるフランチャイズは魅力的です。
また、個人ではできないような規模の広告活動や集客力で収益を得やすい点もフランチャイズの人気の理由でしょう。
フランチャイズは危険?
危険なのはフランチャイズのシステム自体ではなく、実態とかけ離れた高い収益性をうたったり、初期費用だけ回収してサポートが不十分だったりする悪質なフランチャイズ企業が存在する点です。
高すぎる収益性や低すぎるコストをアピールするフランチャイズには注意し、ほかにかかる費用などについてもしっかり確認してから契約しましょう。
フランチャイズのロイヤリティは何%?
業種やフランチャイズチェーンによってさまざまですが、ロイヤリティの相場は以下のようになっています。
コンビニエンスストア | 30~60% |
カフェ | 3~10% |
学習塾 | 授業料の10~30%、入会金の30~50% |
エステ・マッサージ | 5%前後 |
ハウスクリーニング | 50%前後 |
また、フランチャイズの多くは売上額に応じたロイヤリティを支払う「売上歩合方式」ですが、売り上げに関わらず一定額を支払う「定額方式」や粗利を本部と加盟店で分ける「粗利分配方式」もあります。