債務整理手法のなかでも、最も債務を減らす効果が高い手続きとして、自己破産があります。
「自己破産」制度を詳しく知らない方が聞くと、「怖い」「やってはいけないもの」という意見を持つ方も多いですが、あくまでも国が認めた救済制度であり、人生を再スタートするために必要な手段です。
この記事では、自己破産の概要からメリット、自己破産とクレジットカードの関係についても触れながら詳細に解説します。
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自己破産とは?
自己破産とは、借金が返済できない状況を裁判所に認めてもらうことで、自身が所持しているなかで法律内で決められた資産だけを残します。
その後、債権者に所持資産を換価して、弁済を行うのです。
弁済を行った後、裁判所からの免責が決定されたら、残りの債務の支払いが免除されます。
自己破産を行うと、非免責債権(税金など)を除くすべての債務支払いが免除されるため、貸金業者からの取り立ても停止。
多額の借金を抱えていることからくる精神的な疲労からも解放されます。
住宅・土地などの所有資産は手放す必要がありますが、多額の借金返済で心身が疲弊している方を救うためにも必要な制度といえるでしょう。
自己破産のメリット
債務整理手法のなかでも一番効果の高い自己破産を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
すべての借金の支払い義務を免除される
自己破産を行うと、すべての借金の支払い義務が免除されます。
支払い義務が免除されるため、債権者からの督促・取り立てなどもなく、精神的負担のない生活を取り戻すことが可能です。
保証人以外の家族に直接的な影響はない
自己破産を行うことで個人信用情報に事故情報が掲載されるのは、破産者本人のみに限定されるため、家族に対する直接的なデメリットを受けることはありません。
ただ、破産者本人が住宅を有していた場合には、資産として認定され、手放すことになります。
マイホームから別の住居に引っ越す必要性が出てくるため、そのような点での子どもたちへの精神的なケアは求められるでしょう。
仕事を失うことはない
自己破産を行った事実は、政府の機関紙である官報に掲載されます。ただ、官報の破産者情報を普段の生活の中で目にすることは少ないです。
また、自己破産を行ったとしても手続きを行った事実が所属している会社に通知されることもありません。
近年、破産者情報をGoogle Mapに登録した「破産者マップ」というサイトも登場しましたが、即座に取り締まりが行われ、破産者のプライバシー管理は厳重になされています。
生活に必要なものをしっかり保護してもらいながら、人生を再出発できる制度として大きなメリットといえるでしょう。
自己破産後はクレジットカードが使えなくなる!
もし、自己破産手続きを行った場合には、現在契約しているクレジットカードはどうなるのでしょうか。
結論からお伝えすると、クレジットカード利用不可・強制解約となります。
自己破産手続きを弁護士に依頼して行う場合、はじめに行うこととしてすべての消費者金融のキャッシュカード・契約しているクレジットカードを弁護士に渡すことが必要です。
「月額課金設定されているサービス解約」「クレジットカード利用停止申請」などを行わないと、債務整理手続きそのものをスタートできないため気をつけましょう。
クレジットカードが使えない理由
自己破産を行うと、クレジットカードが使えなくなる理由は、信用情報機関に事故情報が掲載されるためです。
多額の債務を背負った状態で自己破産を行うと、債務の支払いを免責されることから債権者からすると大きな損失に繋がります。
債権者側からの報告を受けて、信用情報機関に事故情報が掲載されると「新規でのクレジットカード契約」「新たなローン契約」を行おうとした場合に、審査として「信用情報」が照会されるのです。
信用情報に事故情報が残っていると、ほとんどの確率で審査に落とされてしまうため、新たにクレジットカードを所有したり、使うことができなくなります。
自己破産後のクレジットカードと家族カード
自己破産を行ったことで、クレジットカードは作れないと諦めている方も多いのではないでしょうか?
確かに、自身の名義でクレジットカードの申込みをすることはできません。
たとえば、夫(妻)が主契約となっているクレジットカードの家族カードを発行することで、クレジットカードを利用することは可能です。
ただ、以下の注意点を押さえておきましょう。
クレジットカード会社にブラックリスト登録されたことがバレる
「家族カード」を使用していたとしても、何かしらの原因でカード会社にブラックリスト登録されたことが判明すると、家族カードの利用が停止される恐れがあります。
自己破産したクレジットカード会社では家族カードも作れない
自己破産者であっても「家族カード」を所有することが可能なことは前述しました。
気をつけるべき点として、過去に自身が債務整理を行ったカード会社で「家族カード」を作成しようとすると認められない可能性があります。
利用する方の名前を社内にあるブラックリストに照会した際に、引っかかる可能性があるからです。
自己破産後のクレジットカード審査は何年で作れるか?
自己破産後にクレジットカード審査が通るまでに必要な年数は、信用情報機関に事故情報が掲載される期間に比例します。
日本における信用情報機関は、以下の3社です。
参照:「CICが保有する信用情報」
株式会社 日本信用情報機構(JICC)
参照:「信用情報の内容と登録期間」
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
参照:「情報の登録期間」
それぞれに登録される事故情報の登録期間は、およそ5〜7年とされています。
また、上記の3つの機関は情報を共有できる体制が整っていることから、基本的には最長期間である7年を経過しないと事故情報は消えないと考えるべきです。
事故情報が登録されている期間中は、クレジットカード作成の審査通過は難しいと考えておきましょう。
自己破産後のクレジットカードの作り方
自己破産を行った方が、クレジットカードを新規作成できるまでに多くの時間を要することを説明してきました。
最後に、自己破産経験のある方がクレジットカード作成を行う上で気をつけるべきことを説明します。
信用情報機関へ開示請求を行う
信用情報機関への開示請求とは、申し出を行うことで信用情報機関に登録されている情報を確認できる制度です。
個人信用情報に事故情報が掲載されている状態で、何度もクレジットカードの審査を申し込むと、イメージは決してよくありません。
そのため開示請求で、自身の事故情報が掲載されていないことを事前に確認しておきましょう。
事故情報の掲載がされていなければ、審査に通る可能性が出てきます。
同時に複数のクレジットカードの申込みをしない
同時に複数のクレジットカードの申込みを行うと、カード会社側から「お金に困っている可能性が高い」と判断されて審査に通りづらくなります。
また、申込みを行った事実も6ヵ月間は情報として保持されるため、無理に複数のクレジットカードに申込まないようにしましょう。
キャッシング枠を0にする
クレジットカードのショッピング枠とは別にキャッシング枠があれば、カード会社側は返済できない場合のリスクをより多く背負うことになります。
そのため、キャッシング枠が付いているだけでクレジットカード契約の審査基準が上がってしまうのです。
キャッシング枠を0にするだけで、審査基準を下げることが可能であることを頭に入れておきましょう。
まとめ
この記事では、自己破産の概要からメリット、クレジットカード利用との関係性までを解説しました。
以下、本記事のまとめです。
- 「自己破産」は換価できる財産を手放した上で、すべての債務支払いを免責する制度である
- 「自己破産」では保証人以外の家族に直接的な影響はないが、家の引っ越しを余儀なくされる場合もある
- 「自己破産」を行うと「クレジットカード利用不可・強制解約」となる
- 「自己破産」後に、信用情報機関に事故情報が登録される期間は約5〜7年である
- 信用情報機関に「開示請求」を行うことで、事故情報の有無を確認できる
自己破産は、自身で解決することが難しい多額の債務返済をすべて免責することができる効果の高い債務整理手法です。
ただし、効果が高い分「住宅・土地・車などの資産を換価する必要がある」「クレジットカードが作れなくなる」などのデメリットもあることを頭に入れておきましょう。
専門家へ相談して、デメリットを深く理解した上で、自身にあった適切な債務整理手法を検討しましょう。
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借金で悩むのは時間のムダです。
借金を減らすことができれば返済の負担が軽くなり、毎日お金で悩むことがなくなります。
まずは無料で相談できるサービスを使い、自分の借金が減らせるか確認してみましょう。