結婚相談所を独立開業したいと思ったとき、「どうすれば開業できるのか」「資格は必要なのか」「どのくらい儲かるのか」などの疑問を感じているのではないでしょうか?
この記事では、結婚相談所の仕事内容から独立開業するメリット・デメリット、必要な資格・費用、開業資金を調達する方法、独立開業を成功させるポイントについて解説します。
結婚相談所の仕事内容とは
結婚相談所は、会員同士をマッチングさせ、成婚に向けてサポートする仕事です。
会員からいただく入会費や利用料金、お見合い費、成婚費などが、主な収入源となります。
結婚相談所の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 会員を集める
- 会員同士をマッチングする
- お見合いをセッティングする
- 会員を管理する
- 売上・支出を管理する
結婚相談所を独立開業するメリット
結婚相談所を独立開業するメリットは以下の3つです。
需要が高い
結婚相談所を独立開業するメリットは、需要が高いからです。
生涯未婚率は年々増加しており少子化が進んでいることから婚活ビジネス自体のニーズは縮小していくのではないかと言われています。
一方、マッチングアプリによる婚活でのトラブルが増加していることからお見合いの重要性が見直されており、結婚相談所の需要は高くなっています。
開業コストが比較的安い
結婚相談所を独立開業するメリットは、他のビジネスと比べて比較的安い資金で開業できることです。
主な収入源は入会費や利用料金、お見合い費、成婚費であり、物販ビジネスのように商品の仕入れや在庫管理、大規模な設備投資が必要なわけではありません。
それほど費用をかけずに開業できます。
未経験からでも挑戦しやすい
結婚相談所を独立開業するメリットは、未経験からでも挑戦しやすいことです。
特別な資格や専門的な知識がないからといって、開業できないわけではない点も魅力となっています。
また、拘束時間も少なく、副業として始めやすいのも挑戦しやすいポイントです。
結婚相談所を独立開業するデメリット
結婚相談所を独立開業するデメリットは以下の3つです。
安定した収入が得られるとは限らない
結婚相談所を独立開業するデメリットは、安定した収入が得られるとは限らないことです。
主な収入源は入会費や利用料金、お見合い費、成婚費なので、十分な会員数を確保できなければ収入が不安定になる恐れがあります。
結婚相談所を独立開業すると約2,000万円、副業の場合で約400万円の年収になると言われています。
収入から費用を引いた金額が年収となるので、集客に力を入れて収入を増やし、費用をできるだけ抑えることが重要です。
集客が大変
結婚相談所を独立開業するデメリットは、ノウハウがなければ集客が難しいことです。
集客方法にはWeb広告やSNS、口コミ、知人からの紹介などさまざまな方法がありますが、どの方法も確実に集客できるわけではありません。
一方、結婚相談所連盟に加入することで、集客サポートが得られるケースもあります。
連盟に加入すると加盟金を支払う必要がある
結婚相談所を独立開業するデメリットは、結婚相談所連盟に加入した場合に加盟金を支払う必要があることです。
支払う加盟金は結婚相談所連盟ごとに異なりますが、50万~100万円程度の費用が発生します。
結婚相談所の独立開業に必要な資格
公的な資格を取得しなくても、結婚相談所を開業・運営することは可能です。
ただし、以下のような民間資格を取得しておくことで信頼感・安心感を得られ、効率よく会員を集めることができます。
- ウェディングプランナー
- 心理カウンセラー
- 仲人士
- ファイナンシャルプランナー
一方、以下のような契約に関わる法律や制度についての知識を身につけておく必要があります。
- 特定商取引法
- 個人情報保護法
- クーリングオフ制度
結婚相談所に限った話ではありませんが、ビジネスの正しい知識を身につけておかなければ、トラブルに巻き込まれたり、損害賠償請求されたりする恐れがあります。
また、個人事業主として結婚相談所を開業する場合、開業する1ヵ月前を目安として、税務署へ開業届を提出しておかなければいけません。
専業として開業する場合だけでなく、副業として開業する場合でも開業届の提出は必要です。
結婚相談所の独立開業に必要な費用
結婚相談所の独立開業に必要な費用は以下の3つです。
実店舗を構えるケースと、ホームページを作成してインターネット上で結婚相談所を運営するケースについて解説します。
初期費用
実店舗を構えるケース
- 賃貸契約料:100万円~(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料)
- 備品・消耗品費:10万円~
- 家具:インテリア:10万円~
インターネット上で結婚相談所を運営するケース
- パソコン購入費:10万~20万円
- ホームページ作成:0~30万円
ランニングコスト
実店舗を構えるケース
- 賃料:10万円~/月
- 水道光熱費:2万円~/月
- 通信費:1万円~/月
インターネット上で結婚相談所を運営するケース
- ドメイン・サーバー費:1万円/年間
- 通信費:1万円~/月
結婚相談所の開業資金を調達する方法
結婚相談所の開業資金を調達する方法は以下の2つです。
- 民間銀行・信用金庫・信用組合
- 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
民間銀行や信用金庫、信用組合から開業資金を調達する場合、審査を受ける必要があるため個人事業主だとハードルが高くなっています。
一方、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、開業資金の3分の1程度を準備できれば審査に通りやすい傾向にあります。
補助金や助成金を活用し、開業後の運営資金を確保できる場合があります。
しかし、原則として支払った費用に対して補助が受けられる制度なので、開業資金の調達には利用できません。
また、申請しただけでお金がもらえるわけではなく、審査を通過し承認される必要があります。
結婚相談所の独立開業を成功させるポイント
結婚相談所の独立開業を成功させるポイントは以下の7つです。
まずは副業から始める
未経験者でも挑戦しやすいですが、すべての人が結婚相談所の独立開業に成功するとは限りません。
副業から始め、安定した収入が得られるようになってから専業にすることを検討しましょう。
事業計画を綿密に立てる
どのビジネスにも共通した話ですが、成功させるためには事業計画を綿密に立てることが重要です。
「ぼろ儲けできるかも」など安易な気持ちで始めてしまうと、失敗してしまうかもしれません。
スキルを磨く
結婚相談所の開業に資格は不要ですが、最低限のビジネススキルは必要です。
以下のようなスキルを身につけておきましょう。
- コミュニケーションスキル
- マーケティングスキル
- セルフブランディング
- SNSアカウント運用
- 広告出稿
- パソコン操作・ITスキル
集客方法を用意する
結婚相談所の主な集客方法は以下のとおりです。
- 知人からの紹介
- ポスティング
- メール
- メールマガジン
- チラシ
- フリーペーパー
- SNSアカウント運用
- Web広告出稿
- ホームページ運用(SEO対策)
予算に応じて最適な集客方法を選択しましょう。
競合との差別化を意識する
前述したようにさまざまな方法で集客できますが、集客したユーザーのすべてが会員になってくれるわけではありません。
会員になるメリットを理解してもらい、競合他社との差別化を図る必要があります。
利用者とのコミュニケーションに力を注ぐ
結婚相談所は会員を集めたら終わりではありません。
利用者とのコミュニケーションに力を注ぎ、相性のよい相手を見つけ、お見合いをセッティングし、成婚まで導く必要があります。
フランチャイズや連盟に加盟する
誰の助けも借りずに結婚相談所を開業し、運営するのは大変です。
フランチャイズや連盟に加盟することで、運営から集客までさまざまな面でサポートを受けられます。
主な結婚相談所連盟は以下のとおりです。
- 日本結婚相談所連盟(IBJ)
- 日本ブライダル連盟(BIU)
- 全国結婚相談事業者連盟(TMS)
- 日本仲人連盟(NNR)
それぞれの特徴を確認し、自分に合った連盟に加入しましょう。
まとめ
- 結婚相談所の需要は高く、低資金でも開業できるため未経験からでも挑戦しやすい
- 特別な資格を取得しなくても結婚相談所を独立開業できる
- 安定した収入を得ることは難しく、集客も大変
- 助成金・補助金を活用すれば運営費用の負担を軽減できる
- フランチャイズや連盟に加盟するとサポートが受けられる
今回は、結婚相談所の開業について解説しました。
結婚相談所は資格の取得が必須ではなく、未経験者でも参入しやすいビジネスですが、集客がうまくいかなくて失敗するケースが多いようです。
結婚相談所連盟への加入も視野に入れ、独立開業に挑戦してみましょう。