せどりを始めるときに開業届は必要?提出方法や注意点について

コラム

せどりは、仕入れた商品をメルカリやAmazonなどで販売し、差額を利益にするシンプルなビジネスです。

手軽な副業としてせどりは人気ですが、利益が増えてくると「せどりに開業届は必要なのだろうか」と不安になってしまう方も多いでしょう。

本記事では、せどりで開業届を提出する必要性や、メリット・デメリット、提出方法、注意点について解説します。

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せどりをする場合は開業届が必要?


国税庁のホームページでは、開業届の概要と提出時期について「新たに事業を開始したとき、事業開始日から1ヵ月以内に開業届の提出をしてください」と記載があります。

副業の所得が20万円以下の場合は、確定申告の必要はありませんが、せどりの収入が継続してある場合、事業とみなされ開業届が必要になります。

開業届を提出しなくても、必要になった際に確定申告をすれば明確な罰則はありませんが、節税したい場合は開業届を出しておきましょう

次に、開業届を提出するとどのようなメリットがあるかについて解説していきます。

せどりで開業届を提出するメリット


せどりで開業届を提出すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

以下の5つのメリットについて紹介します。

青色申告特別控除を活用できる

せどりで開業届を提出する最大のメリットは、青色申告が可能になり、特典を受けられることです。

青色申告の主要な3つの特典は、以下のとおりです。

  • 所得金額から最高65万円を差し引くことができる
  • 配偶者等に支払う給与を必要経費に算入することができる
  • 赤字を前年や翌年の所得金額から差し引くことができる

開業初年度から青色申告を受けるためには、以下の表の手続きが必要になります。

必要書類や提出期限を、確定申告の時期までにチェックしておきましょう。

提出書類 所轄税務署長への提出期限
開業届 事業開始日から1ヵ月以内
所得税の青色申告承認申請書 事業開始日から2ヵ月以内
複式簿記による記帳(または簡易簿記)、貸借対照表・損益計算書等 青色申告をしようとする年の3月15日まで

(参考:国税庁|はじめてみませんか?青色申告

事業所得の経費計上ができる

せどりで開業届を提出すると晴れて個人事業主になり、事業で発生した費用を経費計上できます。

事業に使用するパソコン関係の諸費用や消耗品などを、経費として正しく計上することによって、課税対象となる所得金額が抑えられ、節税につながります。

ただし、経費として認められるには、さまざまな条件をクリアしなければならないため、計上時は注意が必要です。

経費計上に不安がある場合は、税理士や商工会議所に相談するとよいでしょう。

小規模企業共済に加入できる

せどりで開業届を提出すると、個人事業主として小規模企業共済に加入することができます。

小規模企業共済は、経営者が廃業や退職時の生活資金に備えて積み立てる制度です。

「掛金が全額所得控除できる」など税制のメリットに加え、事業資金の借入れも可能になります。

経営者にとって小規模企業共済は、お得で安心な退職金制度です。

(参考:中小機構|小規模企業共済

屋号を持てるようになる

せどりで開業届を提出すると、屋号を利用しやすくなります

屋号とは個人事業主が事業で使用する名前のことで、必ずつけなければいけないものではありませんが、決めておくと便利です。

屋号を持つメリットとして以下の3つがあります。

  • 個人よりも取引先からの信用度が高くなる
  • 取引先や顧客に事業内容に合った名前で覚えてもらえる
  • 屋号付き名義で銀行口座が作れる

特に、お店を経営したり事務所を開いたりする場合は、屋号があったほうが便利です。

開業届には屋号を記載する欄があるため、屋号を記載して提出すれば、税務署に提出済みの開業届の控えに屋号が記載された状態になります。

事業用クレジットカードが作れる

開業届を提出して個人事業主になると、個人事業主向けに発行されている、事業用のクレジットカードが作れます。

事業用クレジットカードを作ると、以下の2つのメリットがあります。

  • 事業に関するお金の流れがわかりやすくなる
  • 会計ソフトと連携することで、経費精算や確定申告が楽になる

事業用クレジットカードは、お金の流れをプライベートとしっかり分けたい場合におすすめです。

せどりで開業届を提出するデメリット


せどりで開業届を出すデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

ここからは、以下の2つのデメリットについて解説します。

失業保険を受けられなくなる

せどりで開業届を提出すると、失業保険の給付を受けられなくなる可能性があります。

失業保険とは、仕事を辞めた人が生活の心配をすることなく、スムーズに再就職するための公的保険制度です。

そのため、開業届を提出して事業主になると再就職の意思がないとみなされ、失業保険を受給できなくなります。

(参照:ハローワークインターネットサービス|基本手当について

扶養に入れなくなる

「せどりの開業届を提出したら、扶養に入れなくなるのでは?」と心配する方もいらっしゃるでしょう。

所得税の扶養については、以下の計算方法で所得金額が38万円を超えると扶養に入れなくなります。

所得金額の計算方法は、以下のとおりです。

  • 収入から必要経費を引いたものが所得金額
  • 確定申告で一定条件を満たして青色申告をすれば、所得金額からさらに最大65万円が控除される

つまり、開業をしても「収入ー必要経費ー65万円=所得金額」が38万円以下であれば所得税は課税されません。

ただ、社会保険の扶養については、加入している健康保険組合によって、「個人事業主は所得に関係なく扶養対象外」という場合もあるため確認が必要です。

開業届を提出する方法


せどりで開業届を提出する方法は、以下の3種類です。

  • 税務署へ直接提出
  • 税務署へ郵送
  • e-Taxで提出

提出方法は簡単ですが、「職業欄や事業内容をどう書くべきかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、以下のような物販業をしている場合の、開業届の書き方について紹介します。

  • Amazonせどり
  • メルカリ
  • ポイントせどり
  • Yahoo!JAPANなど

せどりの開業届の書き方

開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業届出書)の用紙は国税庁のホームページでダウンロードができます。

(参考:国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続

以下の書き方を参考に、税務署提出用と自分の控え用の2枚を、同じ内容で記入しましょう。

納税地 住所地にチェックを入れ、自宅住所を記入する
上記以外の住所地、事務所等 上記以外に住所地・事業所がある場合は記載
職業 「小売販売業」と記入
屋号 なければ空欄
届出の区分 開業にチェック
所得の種類 事業(農業)所得にチェック
開業日 開業開始日を記入
青色申告承認申請書 同時に提出する場合、有にチェック
消費税に関する「課税事業者選択届出書」 無にチェック
事業の概要 「インターネット販売の仕入れ、販売」と記入

せどりの場合、職業欄には「小売販売業」や「物品販売業」などと書いておくとよいでしょう。

開業届を提出する際の注意点


ここからは、開業届を提出する際の注意点について、以下の3つを紹介します。

開業から1ヵ月以内に提出する

開業資金を確保すれば、いよいよ開業です。

個人事業主の場合、法人のように法務局に登記をする必要はありません。

開業日から1ヵ月以内に、管轄の税務署長に開業届を提出しましょう。

開業届の控えを忘れずにもらう

開業届は「税務署長に提出用」と「自分の控え用」の2枚を作成し、税務署受付印のある控えを忘れずにもらっておきましょう。

開業届の控えがあれば、以下の4つの手続きがスムーズになります。

  • 屋号付き銀行口座が作れる
  • 個人事業主向けの融資を受けられる
  • 事業用クレジットカードが作れる
  • 子どもの保育園の入園申込みができる

郵送で開業届を出す場合は、返信用封筒を同封しておくと税務署が控えを返送してくれます。

e-Taxで提出した場合は、税務署印が押印された控えが返送されてくることはありません。

青色申告申請書も忘れずに提出する

開業する際は、必要に応じて以下の税務関連の書類を提出しましょう。

書類名称 対象者
所得税の青色申告承認申請書 青色申告をしたい人
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 原則毎月支払う源泉所得税を、年2回にまとめて納付したい人
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 青色申告で家族に支払う給与を経費にする人

「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出がないと、自動的に白色申告になってしまうため、青色申告をしたい場合は注意が必要です。

まとめ


以上、せどりを始めるときに開業届は必要なのかについて解説しました。

まとめは以下のとおりです。

  • せどりは必ずしも開業届が必要ではない
  • 開業届を提出するメリットは、青色申告特別控除を活用できること
  • 開業届を提出するデメリットは、失業保険を受けられなくなること
  • 開業届を提出する方法は、税務署へ直接行くか郵送
  • 開業届を提出する注意点は、開業届の控えを忘れずにもらうこと

開業届や青色申告承認申請書を提出することで、特別控除などのメリットを最大限に活かした事業を営むことができます。

本記事を参考に、せどりの開業届などをじっくり検討してみてください。

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